朝一番でバスに乗り込んできたのは
毎度の中学生のミキちゃんです
「おはよ」
「おぉよ~ちゃうねん!ハッキリ挨拶せぇや!」
「あ、すいません…ちゃうわ!自分から言えや」
「歌うで」
「人の話聞けよ…朝から元気やな」
そして元気よく歌ってるウチに
次の利用者さん乗車です
「♫♫♫♫♫♫♫♫♫……」
「なんか声がちっちゃくなってんで」
「恥ずかしいやん…」
「人の前で屁コク、ゲップする、耳元でお菓子食うのにそれは恥ずかしいのか?」
「ミキ人見知りやから」
「ほぉ…初めて知ったわ」
「それでな!ちょっと聞いて!」
「言われんでもムリヤリ聞かされてんがな」
「内緒やで」
「誰にやねん」
「こないだ先生がオバァちゃんチまで送ってくれたんやけどな、その時ミキが気になる子が隣に座って…あ、他に二人乗ってたんやけどな」
「お、良かったやん」
「その時急にミキの手握ってきたんやんか」
「おー!やったやん」
「うるさい!人の話最後まで聞けや」
「ミキがソレ言うか…」
「それでな、そんなんビックリするやん、だからナニ?って大声出したんやんか、なぁ…聞いてる?」
「アンタが最後まで聞け言うたんやろ?聞いとるわ」
「そしたらシーってして自分のポケットに手入れるんやんか」
「ちんこ触らせたんか?」
「もぉ!老犬さんみたいな変態と一緒にすんなや!」
「…………」
「そしたらポケットにメモ入ってて、それ見といて、って言うねん」
「カッチョえー!」
「声デカいねん!」
「内緒や言うてるやん」
「だから誰にやねん」
「誰にもや!」
「後ろでオバちゃん聞いてるで」
「うーわ…恥ずかしい」
「今さらかい!で、なんて書いてあったん?」
「ミキの事気になるって…」
「なんて返事したん?」
「まだしてない…なぁ、なんて言うたらいい?」
「ワタシもですって言うたらいいやん」
「恥ずかしいやん」
「はぁ?ソコも恥ずかしいのか?」
「だってな、○○さんな(←他の運転手)その子にミキがアンタの事好きやから、とか言うたんやで」
「あの人デリカシーないからなぁ…」
「恥ずかしくて晩泣いたわ」
「だから向こうも余計気になるんやろ」
「そんなん好きなんかどうなんか分からんやん」
「でも近くにいるウチに好きになるかもやし、中学生もあと一年やで?時間ないで?とりあえずバス降りたら一緒に学校行けや」(←いつも違う道で行ってる)
と言うてるウチに
その男の子が乗るバス停です
「絶対内緒やからな!」
「言わへんわ、そもそもオレあの子と喋った事ないしな」
「老犬さん信用できんから」
「それやったら、なんでオレに言うたんや…」
「うるさい!絶対やで」
そして彼が乗って来たら
「へへん…」
「黙ってても気持ちが溢れとるやないか、えぇか、とりあえず一緒に学校行け」
「だから黙れって!」
しかし
学校近くのバス停で降りた彼女は
やはりその子とは違う道に歩いて行きました