読書で変わることもある |  ZEPHYR

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ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

4月24日の記事に、このようなご質問が寄せられました。

「魂の輪廻転生がある」という前提で質問であります。

読書は、或る意味「想像上の人生を経験する」と言える物であるかと思います。

仮想とは言え、読書(=ジャンル問わず、SFやファンタジーも含む)を通じて、我々は、輪廻転生に準じる人生経験を積んでいる(或いは、占星術で示された局面を消化している)…とも言えるのでしょうか?



私は今、ブログのコメントは承認制にさせて頂き、できれば記事内容に沿ったコメントをお願いしております。

これは、自ブログの宣伝のためのコメントだと明らかにわかるものが、すごく増えてしまったためです。

「初めまして~。いろいろ見て回っていたら、あなたのブログが目に留まりました。素敵なブログですね。お互い頑張りましょう。私は××××みたいなことを書いています。良かったら見に来てください」

みたいなコメントが、同じ人から二度も三度も「初めまして」というご挨拶で入って来ると、さすがに気分が萎えます(^_^;)

「ご訪問ありがとうございます」みたいに、真面目に対応しているこっちが馬鹿みたいで、まあ、馬鹿は馬鹿でいいのですが、対応するときに嫌な気分になってしまう自分が嫌で、それで今のような状態にさせて頂きました。

善意の方は、本当に申し訳ないのですが、お許し下さい。



このコメントは、記事に関連しているわけではありませんが、非常に執筆意欲を刺激されるというのか、ちゃんと回答をお返ししたいものでしたので、承認させていただきました。


ここでいう読書というのは、主に小説のことかと思うのですが。

私も物書きの端くれですし、また一読者としても実感できていることがあります。


執筆者として断言できることが一つあります。

小説の中に想いを書き込んで行くことは、あきらかに作家自身を癒します。

自分の過去の辛い体験があるとして、そこを文章にして、物語にして定着させていくということは、その過去の自分を癒すのです。

これは執筆作業が、自分を見るということにつながるからだろうと思います。


作家などでなくても、人は自分の辛い体験を友人に話したりすることで、気持ちを晴らしたりします。

語ることもまた、いくらかの癒しになります。

それ以上に、物語を創作するという莫大なエネルギーは、自分の中にある様々な想いを浄化してくれることがあります。

それは、運動をして汗をかくと、身体の新陳代謝が促進され、身体の悪いものが汗と一緒に出て行くようなものでしょう。

ただ語るだけなら楽なもので、場合によっては語るうちに、よけいに自分がかわいそうになったりします。

結局、語っただけでは何も変わらなかったりします。

しかし、小説創作は読み手を意識して行われますので、かならず表現には気を使いますし、人にうまく感じてもらうためには自己憐憫などに浸ってなどいられません。

いい物語にしなければならないからです。

客観的な視点も維持していなければなりません。

これが結局、小説を書くことで自分を見つめることにつながるのだと思います。



私は占星術の鑑定などでも、場合によってはブログでもノートでもいいので、自己体験を書くということをお勧めすることがあります。

それは、私自身の創作活動とそれによる癒しが実感されているからです。


一般的にコミュニケーション、話すという作業では、そこまで行きにくいというのはあります。

しかし、カウンセラーという職業があるように、そういう作業の中で、自己を見つめ直すお手伝いができれば、それはその人の癒しにつながります。

話す作業でも、非常に根深いところまで到達すれば、同様な効果があると思われます。



ここで、読書はどうなのか?

じつはこれについても、私は以前、ある小説を読むことで、人生が変わったことがあります。

それは東野圭吾さんの「秘密」でした。
(このことは前にも書いたことがあると思います)

「秘密」は非常に悲しい別れを描いた小説なのですが、これを読んだとき、私はその悲しみゆえに、「今そばにいる人を大切にしたい」ということを、痛切に感じました。

そして、その直後からの自分の行動を変えました。

これは結局、主人公にそれだけシンクロし、もちろん架空の物語ではあるけれど、本質的なものは伝わってきたからだと思います。

単純な話、愛です。

どうしようもない現実とか。

その中で選択せざるを得ないこととか。

理不尽。

それでも愛すること。

その人なりのやり方で。



それは、人それぞれハマるツボが違っていて、どこにホロスコープ上の課題を抱えているかによっても違うでしょう。

私の場合は、たぶん前世の体験の影響が大きく、この「秘密」は

失う以前に大切さに気付かせてくれた

ように思います。人は失ってからでないと、なかなか大切さに気づけません。

私の前世は、そういうことの繰り返しだったのかもしれません。



そういう体験から申し上げると、ご質問の読書体験が、チャートの課題解消につながったりすることはあるように思います。

ただし、それは何でもよいから読んでいれば学習できているということとは違うと思います。

それだけ根深い変容を、自分の中に起こさせるだけの読書体験でなければならないと思います。


知識を得ることと、自分を変えるほどの疑似体験は、違っています。


私の考えは、このようなものです。

これで回答になりましたでしょうか。



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