「銀の匙」を読んで |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
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 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

とある日、娘が買ってきた漫画を読んでいた。

あの「鋼の錬金術師」の作者、荒川弘さんが描いている「銀の匙」

「本持ってるの? ちょっと読ませて」
と言って、一巻から借りて読み始めたら、これが面白い。

農業高校を舞台にした若者の物語なのですが、北海道の農家に育ったという荒川さんでなければ描けない、リアルな笑いがたくさんある。

それだけではなく、ちゃんと命の問題、主人公の葛藤や成長が描かれていて、好感が持てます。



この荒川さんについては、また稿を改めて書きたいこともあるのですが、この漫画を読んで、いつか書こうと思っていたことを、はたと思いだしました。

私は以前にも幾度か、農業こそ大事で、それをちゃんと復活させるべきだということを書いたことがあるのですが……

じつはそれは今のTPPとか、そんな大きな問題だけではなく、「個人」の運勢上にも、一考の価値がある問題だからです。


農業を表示する星は何か?

土星なんですね。

この土星が職業上、機能しそうな状態でホロスコープにある人は、けっこういらっしゃいます。

まあ、占星術は普通、10個の天体を扱っているので、確率的に言っても10人に1人くらいは、この土星が職業として機能しそうな方が存在しているわけです。

昔はこの土星を、素直に日本人は「農業」として使っていたわけです。

ところがっ。

もういいたいこと、わかりますよね?

そう、農業離れが進んでしまった。
農業はきついとか、あまり儲からないとか、汚いとか、あるいはダサいとか。

戦後、高度成長後、そして現在。

背広を着て都会で働く姿、何かの業界で才能を発揮して活躍する姿。

そんなものばかりに価値や魅力が認められ、土星が機能しそうなのに、農業を選択しない人が増えてしまった。

その結果、どうなっているか?

土星は基本的に逆境や試練を生み出す、人間を鍛える機能が強い。
そのため、職場の労働環境や人間関係に「土星」が出てきて、そのために悩み苦しむという人も、実は大勢いらっしゃるのです。

土星をもし職業として使っていれば、これは緩和される可能性が高い。

もちろん土星の職は農業ばかりではないので、そういう使い方をしている人もいらっしゃいます。

しかし、昔の日本なら、これは非常に高い確率で、実家の農業を継ぐとか、あるいは自らその仕事を開拓していくとか、そのように使われたはずなのです。


農業が職業選択されていないわけではないでしょうが、私の住んでいる山の近隣農家など見てもわかりますが、農家には年寄りしかいません。

数が圧倒的に不足しています。

若者が農業を選択しない傾向を持っているのは明らかで、そのために自分自身、苦しい人生を生きている人もいるのです(土星職業運の人の中には)。

「なんで、私はこんな苦しい思いばかりして働かなきゃいけないんだろうか」
そう感じている人は、多いはずです。


農業の価値や魅力に、もう一度目を向けてみてほしい。

最近になって、そんな傾向も出てきているらしいことは、時折、耳にします。

その流れをもっと大きなものに。

そうしたら土星職業運の人が、もっと輝くこともできる。

生き生きとした人生を送ることもできる。


そのようなことを考えているzephyrなのです。


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