6月の下旬。
私と奥さんは、じつは県北の方へ出かける予定でした。
ある方からの情報で、新鮮なリコッタチーズの料理を食べさせてくれるところがある、ということで、計画を立てていました。
ところが、6月の下旬になって入院している父の容態が急速に衰え、「やめといたほうがいいかな」という話になり、結局、予感は的中してしまいました。
その埋め合わせというのか、この父の他界とそれに伴うごたごたでも、一番、現実的なことをしっかりとやってくれた奥さんに感謝。
先日、急遽「オステリア・ラ・ルミネセンツァ」に行くことになりました。

前菜です。
中央の野菜のゼリー。
周囲の軽く茹でられた魚介。
ちりばめられたお野菜が、ひと皿のお花のようです。
野菜のゼリーが冷やっこくて、素敵です。
いつもながらお味が軽やかで、新鮮な魚貝が食欲をかき立ててくれます。

パルメザンチーズとベーコンのパンです。
いつものようにほわっと暖かい。
このお店はパンも焼いているのですから、ほんとにすごい。
ところで今日は、当日の予約だったのですが、運良く席が空いていました。
後から後からお客さんが増え、この日も満席。
よかった、空いていて


奥さんのチョイスした、牛肉の煮込み、ラグーソースのパスタ。
これは私、前に食べたことがあります。
一見、ミートソースっぽいんですが、煮込み自体がやっぱり、ひと味もふた味も違っています。
お肉好きにはたまらないパスタでしょうね。

私のチョイスしたイルメイカの、肝入りソースのパスタ。
これはお初です。
食べてみると、パスタに絡んだトマトソースから、ほんのりとたしかに肝の風味が。
イカもぷりぷりしていておいしいし、こりゃ、ええ!
このお店のパスタはどれもはずれがないですが、けっこう高ランクです。

仔羊で~す。
今日はどんなの出てくるか? と思っていたら、たっぷりのチーズとポテトマッシュにはさまれて出てきました!
これも、初めてです。
私は職業柄、仔羊の料理をお見かけする機会も人よりは多いのですが、これは見たことがない。
どんなのだろうとナイフを入れ、チーズと共に仔羊を頂きます。
羊独特の風味がチーズで柔らかく包まれ、これはこれで非常にいけます。
きっと仔羊が苦手な人でも大丈夫なんじゃないかな。

イトヨリダイのムニエルです。
ホタテ貝とカニの足が一本添えられています。
このソースがええんですよね~。
イトヨリダイも身が柔らかくて、ソースを吸って、熱々で……。
もうほこほこです。
メインは半分ずつ頂きました。

デザートは、カシスのジェラートとガトー・ショコラ。
冷たくて、さっぱりとしたカシス。
生地のしっかりとしたタイプの、甘すぎないショコラ。
いつもながら、満足させてくれるな~。

そして忘れてはならないゲロゲロくんとコーヒー。
ゲロゲロくんというのは、私たちの間での愛称で、鳥のミルクピッチャーのことです。
傾けると、くちばしの間から、げろげろっとミルクを放出してくれるので、ついそんな呼び名が定着してしまった。
すばらしい料理で英気を養うことができました。
センツァのご主人様、ごちそうさまでした。
また来ます。