占術を学ぶ方へ その1 |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
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 占星術研究家として
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 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

最近、占星術や他の占術をやりたい、学びたいという方によく遭遇します。

「どうやって勉強されたんですか?」

というご質問を、そんな方からはよく受けます。

前にもブログに書いたことはあるのですが、私の場合は完全に独学です。

占星術やタロットに関して、とくに誰かの先生について学んだということは一度もありません。


じつは私が占星術に興味を持ったのは、高校生でした(おそらく。ただ中学時代から、その芽はあったように思います)。

当時、「天中殺」が大流行しており、これも一つの引き金になったようですが、この天中殺の元は四柱推命で、いったいなぜ私が西洋占星術のほうへ傾いたのか?
おそらくですが、当時読んだ「ノストラダムスの大予言Ⅱ」の中に占星術に関することが出てきたことがきっかけではなかったかと思われます。

ただ訪星珠先生の「実践占星学」という、当時としては非常に本格的な占星術テキストとの出会いが、かなり決定的なものでした。

それ以来、天文暦=エフェメリスをわざわざ取り寄せるなどして、ホロスコープを本格的に作成して、運勢を解読するということを始めました。

当時としては、かなり異常な高校生だったでしょう。

そんな私の感化を受けた友人の一人が、私のやっている西洋占星術ではなく、四柱推命の方を調べ始め、私も負けてなるかと四柱推命も高額な本を何冊も買い込み、研究を始めました。

四柱推命も非常に奥が深い占術であることを痛感しましたが、こちらのほうに完全に傾かなかった理由は、四柱推命には非常に多くの流派があり、それぞれにやり方が異なっているという事実に突き当たってしまったからです。

つまりどれを信じたらいいのかが、当時の私には分からなかった。

たとえば生まれた時刻が午後11時で翌日扱いとする古来のやり方に対して、現代では12時をやはり境とすべきだというやり方。

蔵干の算出方法の違い。

空亡(天中殺)を採用する流派と否定する流派。

これらの方式が違っていれば、結論がかなり変わってしまうケースもあるように思えました。

もし私に西洋占星術という、先に研究を始めていたものがなければ、この四柱推命をとことんやってみて、これらについての自分なりの答えを出していたかもしれません。

四柱推命が非常に高度な占術であることは間違いなく、西洋占星術と併用してやってみると、たとえば何年頃に結婚しそうだとかいう結論が一致することも多い。

こういった理由から、その後、私はずっと西洋占星術をメインでやりながら、一方では四柱推命表なども参考にするというようなことを続けて、現在に至っています。

思想的な背景にも、占星術が天体の運行に対して四柱推命は周期という違いこそあれ、どこか通じるものも感じます。

もちろん四柱推命はそれを専門にやられている方には、遠く及ばないレベルですが。


ただ、四柱推命だけが、占星術以外に私が学んだものかといえば、そうではありません。

姓名判断も一通りやりましたし、九星術、宿曜占術、易経、家相学、数秘術なども興味の赴くままに研究しました。

手相なども囓っていますが、もちろんこれも参考までに学んだという感じです。

手相はものすごく奥深いものがあると感じていますが、今はこちらの勉強に費やす時間がない状態です。


しかし、個人的にはやはり占星術がもっとも興味をかき立てられたもので、長く深く研究を続けてきたものです。

これが一番、というのは、一度も揺るがなかった(自分にとって一番という意味)。

占術に興味を持つ者であれば、当然、他の手法というものも学んでみたくなるのは人情です。

それぞれに利点や長所が必ずあります。

が、やはり「これ」という一芸に打ち込むということがなければ、他を理解することもなかなかできないし、何でもかんでも適当に手を出してオールマイティです、というようなスタンスでは、なかなかその道で大成することは難しいでしょう。

何かの占術を学ぼうとされる方は、自分の「これ」というものをまず見つけ出すことが大事です。

私にとっては「これ」は、占星術以外にはあり得ない。

その道を究めれば、他のものも実は見えてくる。


ただ。

占術にはそれぞれの機能や特質から、併用したほうが利点が多いケースもあります。

たとえば四柱推命や占星術は、その人の基礎的な運勢や性格、才能、またその後の運勢の動きを見ることには非常に適していて、まさに占術のキング的な体系を持っています。

が、その場、そのときに、ではどうすべきなのか、というような結論を得たいときには、他の手法の方が有効な場合もあります。

たとえばある人が、金星と海王星アスペクトを持ち、その領域の仕事をしたいとします。

美容的なことをしながら癒しになるようなこともしたい。

では、資格を取るのに、美容師の資格から入るのがいいか、それともアロマの勉強を先にするのがいいか、とかいう質問。

どちらも金星・海王星の領域にかかっているので、ホロスコープ上は判断が難しいことになってきます。

もちろん現在の進行運をチェックして、有利な方を選ぶ、その判断ができることはあります。

しかし、このように右か左かとか、あるいは目的ははっきりしているので、そのために今何をすべきかとか、こういった問題にストレートに答えを出してくれるのは、タロットや易経だったりします。

占星術にもホラリーなど、今のホロスコープから読むやり方はありますが、瞬間的な判断や、たとえば失せもの探しなどは、タロットや易経のほうが優れているというか、はっきりとした答えが出てきます。
(決して占星術でできないという意味ではなく、タロットの方が明快だということです)

逆にタロットや易経は、今現在の自分が出す答えなので、たとえばかなり先のことになると、先になればなるほど答えは流動的になります。

人は時間経過と共に、コンディションが変わるからです。

私が占星術とタロットを併用しているのは、そのためです。

むろんこのやり方がベストというわけではありません。

人にはそれぞれに合ったやり方があります。

自分のベストを見つけ出してもらうのが一番です。



長くなってきたので、もう一回、続きを書きます。