意味のない結婚などない |  ZEPHYR

 ZEPHYR

ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

昨日の記事のような極端な例は別にして、平均的な(一般的な?)事例を見ると、「結婚」に関する出来事は、ある程度個人の努力や判断、意志でコントロールできる側面が多いと感じます。

たとえば土星が7ハウスにあれば、「晩婚」「結婚に関わる逆境」「離婚」「結婚での孤独」「再縁」「年上の配偶者」「厳格な配偶者」などの意味が羅列的に出てきます。

細かいことをいえばもっと他にもあるのですが、このどれをチョイスするかは、本人の意志と選択で、「ある程度」コントロールできるのではないかと思います。

ある程度、というのは、なぜかというと、人間は生まれてくる前に計画を立て、その中で配偶者の候補もだいたいは決めている。
個人によって数は異なってくるとは思いますが、昔から結婚の候補者は何人かいるということが言われています。
たとえばA、B、Cという候補者がいて、出会いの時や本人の成長度などに応じて、そのときの自分に「最適」な人物が現れてくるのではないか?

しかし、その候補者以外の人物は、なかなか選択できないし、相手もその気にならないはずです(なぜって、その相手も自分の計画の中で選んだ候補者がいるはずだから)。

つまり結婚する相手は、本人の計画の中で「今回の人生では結婚しよう」と決めているかぎり、「ある程度」は絞られていると見ていいわけです。

その候補者、たとえばA、B、Cの人物は、上記の例で言えば、すべてその7ハウス土星の項目に該当しているだろう、と思うのです。
とくに初婚ではその可能性が非常に高い。

7ハウス土星で、ハードアスペクトその他の理由で、結婚によってひどい目に遭っている女性は、私はかなりの数を存じ上げているのですが、しかし、彼女らを見ていると、時に

「わざわざ苦労するような相手を選んでいないか?」
と思えるときがあるのです。

対人関係運、とくに配偶者は自分の鏡存在としての意味を持ちます。

だからこそ、そこには人生でも非常に大きな「学び」があります。

7ハウス土星の人は、「結婚」でもっとも大きな学びを果たす可能性が高いのです。

そもそも、この世には男と女しか、基本的には存在しないわけですから、男女が結び合うことは自然な成り行きです。

そして現代では、非常に多くの国家が一夫一婦制。

一対一の男女関係をすべての基礎として据えているわけです。

こういった「今の地球」の中に生まれくる魂たちは、だいたいこの前提を受け入れて生まれてきます。

この状況がいやだったら、戦国時代の大名とか、大乱交していたローマ時代とか、一対一の構造を根本的に持たない風習の民族や地域、時代を選んで生まれて来ればよいわけで。

この現代の中でのホロスコープ、7ハウスは、この現代の中での意味をやはり持っているはずです。

話がややそれましたが。

7ハウス土星の女性は、わざわざ苦労するような相手を選ぶ可能性が、他の人よりも高いと感じます。
とくに早婚したり、普通に適齢期の結婚だと、そのような相手に遭遇する可能性が高い。

ところが、これが晩婚になってくると、すでに「遅れる」ということ自体で、土星の効果はある程度、結婚そのものに作用したことになります。

つまり消化されているわけです、すべてではないにせよ。

結果、晩婚で非常にまじめな男性(土星)とか、権威的な立場にある男性(土星)、再婚で子連れの男性(土星)と結ばれるというようなことも起きやすくなってきます。

ホロスコープの中で、その天体が持っているエネルギーは、本来、一定量だと考えられます。

その一定量をどのように扱って消化していくか、というのが、私たちの人生の隠された一面だったりするのですが、7ハウス土星の人も、自分自身の生き方や他人への接し方、また強い意志などで、同じ土星でも違った意味や性格を持つ人物を引き寄せることができるはずです。

少なくとも、A、B、Cの範疇程度では。

このケースでは、この三人はすべて「土星」ですが

もしかすると、Aは非常に厄介で難しい人物、苦労させられる人かもしれません。

Bは建設業(土星)で苦労人かもしれません。

Cはものすごく年上かもしれません。


このABCのどれを引き寄せるかは、本人次第です。

成長度によって異なる場合もあるでしょうし、やはり今回の人生では結婚によって苦労することをしないといけない、と設定している人もいるでしょう。

ただAを選んだ人が、「失敗」しているわけではないと、私は思います。

それもあくまでも魂の計画に沿った出来事ですし、私はAを選択後、かなり長い時間をかけてですが、もう離婚だ、と騒いでいた女性が、なんとかご主人との関係をわずかずつですが改善していっている例も知っています。

こういうプロセスも、非常に貴重な体験のはずですし、ある意味、なによりも自分を鍛え、成長させるものかなとも感じます。

逆に「自分を大切にする」ということを知るために、Aの元から勇気を持って離れる=離婚するという選択をするのも、これもまた大きな勇気や決断だと思います。


7ハウス土星というのは、非常にわかりやすい例として語らせてもらいましたが、この世で生きている多くの人は、完全無欠な結婚運を持ちません。

そういう超幸運そうな結婚運の持ち主も、まれにはいます。
そのあまりの幸運度が、逆に危険な部分もありますが。

しかし、大多数の人はなんらかのマイナス要因、プラス要因の両方を持っています。

そのマイナス要因を、7ハウス土星ほど極端ではないにせよ、何らかの形で消化して行っているものと考えられます。

失うことや、遅れることや、結婚後に起きる様々な問題に向かい合うことで。

それだけの違いでしかない。

数少ない例外は、今回の人生で「結婚しない」と決めている場合です。

「強くなるために今回は独りで生きる」というような魂の計画があることは、生まれ変わりの研究で報告されていますが、今の時代では、「自分のやりたいことをやってみたいから、自由を確保しておきたい」という理由で、そこをあえて実現しないように設定している魂もあるのではないかと思います。
また他の、なかなか想像しにくい理由もあると思います。



そろそろこのシリーズの筆を置きたいと思いますが。


現代では平均年齢も上がり、結婚に関する年齢域も、格段に広がっています。

一昔前よりも10年は上がっていると見ていいでしょう(初婚で)。

つまり40才とかでも、もはや恥ずかしい時代でもなんでもなくて、普通という感覚に近づいていると思います。

出産はさすがに上限はあると思いますが、それでも医学の進歩がめざましく、高齢出産をずいぶんとサポートできるようになっています。

先日も、私と同年齢で(50才くらい)、ようやく本当の愛情を交わす相手を見つけられたという人もいました。

さらにその上でも、十分にありでしょう。

いくつになっても、人は愛情を交わす相手はほしいものです。


この世には二つの性しか存在しておらず(基本的には)、それにはきっと意味がちゃんとある。

意味のないものは存在していない。

意味のない人生もないし、意味のない結婚にまつわる状況も存在しない。

その中で何を願って、何を実現しようとするか。

皆様の幸せを祈ります。