あたし、結婚できますか? |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
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 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

先日、「あたし、結婚できますか」という質問を個人的に受けました。

私とほぼ同年代の女性なので、もうけっこうな年齢の方なのですが。

彼女が個人的な事情で、婚期が遅れてきたということは理解できます。

家族のこととか、どうしても余儀ない事情というのが、この世にはあります。

そうやっていい時期を逃してしまうということも。

彼女の場合は、40代に二度、大きなチャンスがありました。

普通ならこの時期のどちらかで結婚しているはず。

しかし、なかなかそれができない家庭の事情もあったのでしょうし、彼女自身、女友達と遊びに行ったりする方が楽しかったり。

その時期には、これという出来事や出会いもなくスルー。


私くらいの年齢(私は今年で50)になっても独りだと、さすがに不安になってきます。

実際、私もこれから老後に向かい、やがて「死ぬ」という出来事が近づいてくるわけで、そのことは意識せずにはおれません。

どこか身体が不調になってしまう前に、もう一つ何か保険に入っておこうか、などと奥さんとリアルな話をします。

若い頃、自分の人生の地平ははるかに遠くて、何が起きるのかも予測できませんでした。

しかし、この年齢になると地平に何が見えているか、何が立っているのか、相変わらず予測不能な部分はありながら、それでもおぼろに見えてくるのです。

彼女もきっとそう。

このまま老いるのはいや……。

独りで死ぬのはいや……。

これまでの分、少しは楽しんで残りの人生を……。


そう思っての問いかけだったのでしょう。

結婚できますか?

この問いかけに答えることは、ホロスコープを拝見すれば、かなり明瞭に答えられます。

できるかどうかの極端な断定ではなく、少なくとも何割くらいの可能性がある、という言い方は可能なはず。

たとえ少々、年齢が上がっていても、この先の運気の中に結婚を招来しそうなものがあれば期待できます。

しかし、問題はこの彼女のようなケースです。

彼女はいかにも結婚しそうな時をスルーしている。

つまりこれは、本人も認めていることですが、「本気で」結婚しようという意志が働いていなかったのです。

出生図の中で結婚運が良好であれば、本人が積極的に望んでいようがいまいが、相手が出現し、プロポーズしてくれることもままあります。

ところが、彼女のように出生図で結婚が厳しい状況だと、本人が望みもしない状況では、それらしい星が巡ってきても、まったく起動しない(結婚に関しては)こともある。

それがここへ来て、年齢的なこともあってようやく意識がそちらへ向き始めた。

今後巡ってくるアスペクトにそれらしいものがあれば、起動するかもしれない。

けれど、良いアスペクトが単独で発生するとは限らず、同時に結婚によくなさそうなアスペクトも混在する場合も多い。

彼女はそうでした。

リスクを背負った結婚。

ということになります。まあ、年齢的なことを考えれば、もうそれ自体がリスクといえばリスクです。

しかし、可能性はある。



ただ、ここで私は彼女に思い違いを正しておかないといけませんでした。

「あのね、結婚するような運勢が巡ってきたら結婚できるわけではない」

「つまり運命が決まっていて、それがこの後自動的に起きるわけではないということ」

「一番大事なのは、どうなりたいかという自分の意志と選択。それがちゃんとできないと、運気が来ても結婚は起きないよ」

彼女は真剣に聞いていましたが、はたして……?


皆さんも是非、理解しておいてください。

運命という結論が先にあるのではなく、自分が運命を創造していくということを。
刻一刻と、たった今、私たちは次の未来を創造しています。

それを理解した上で、なかなか良い縁に恵まれない方は、次のことを是非、考えてみてください。

それは自分がどんな未来を得たいと思っているか。
結婚ならどんな相手とどのような生活をしているか、そのイメージをできるだけ具体的に抱いてください。

そのイメージは未来を引き寄せます。

そして!

このことも考えてください。

結婚したら……

「自分が相手のために何ができるのか」

これもよく考えてください。

座して待つのではなく、まずは心の準備を。

パートナーとなる異性に、自分という存在がなにをしてあげられるのか。

優しさか、家事や仕事の能力か、おいしい食事を作ってあげられるとか、あるいは笑いか(大事です)。

誰でもできる日常的なことでもいいのです。

その人に対して自分が提供できるであろう何か。

これを意識してください。

それはきっと、とても大きな心の準備になります。