レクティファイについて |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

コメントでご質問があったので、いい機会なのでお答えしておきたいと思います。

占星術というのは、基本的に12星座と10天体、そして12のハウス、天体間のアスペクトによって解読する技法です。

が、月などは非常に動きが速く、1日で一つの星座の半分近くを移動します。
2日ちょっとで一つの星座を渡ってしまいます。

またアセンダントやMCといった重要なポイント、そしてハウスなどは4分で1度程度動きます。

たとえば2012年4月12日午前0時ジャスト。

東京ではアセンダント(東の地平線)は山羊座の6.41度になります。
MCは天秤座26.93度。

冥王星は1ハウスにあり、アセンダントと合、土星はMcと合になっています。

しかし、1時になると、冥王星は1ハウスではなく12ハウスになり、アセンダントとの合もなくなります。アセンダントが山羊座の21.67度まで移動してしまうためです。

土星もMCから離れ、9ハウスの真ん中あたりに位置するようになります。

ほかにも様々な相違点が生じてきて、たった1時間の差なのに、運勢的にはかなり違ったものが見えてきます。

月でさえ、0時では射手座の28.81度が、1時では射手座の29.39度になります。

これがもし3時なら、月は山羊座の0.57度になります。

1時間……いや、10分の差が月の星座の場所を変えてしまうことすらあります。

わすか数分の誤差が、解読結果にかなり大きな影響を与える場合もあります。

これは出生地に関しても同様です。

普通に考えてもらったら分かると思うのですが、たとえばグリニッジの世界標準時間で同時刻に生まれても、日本で生まれるのとブラジルで生まれるのとでは、ホロスコープは真逆と言えるほど違います。

地平線上にある星と、地平線下にある星が、逆転していたりします。

これは非常に大きな違いです。

だから、ホロスコープを作成するために、出生時間と出生地をデータとしてお教え頂いているわけです。


しかし。

世の中にはご自分の出生時間も分からない方がいます。

何らかの複雑な事情を抱えている方もそうですが、単純に「母親が覚えていない」「母子手帳が見つからない」などの事情で。

そういう方には二つの朗報(?)があります。

一つは、レクティファイ(修正)という技法があるということです。

実が生年月日さえ分かっていれば、そこからその人の性格や職業とか、いつ何があったとか、病気だとか、あるいは親御さんの状況だとかをお聞きして、その人に合致するホロスコープを、まあ、逆算することができるのです。
ある程度は。

いくつかの条件が重なれば、分単位で絞り込むことができることすらあります。

そこまで行かなくても、たとえばその日の何時から何時までの間とか、何時を中心にした数十分間程度まで推定することはできます。

「占いは当てものだ」と思っておられる方には抵抗があるかもしれません。

つまり本人の情報をある程度、こちらに知らせてもらわねばならないわけですから。

しかし、そうすることでより高度な鑑定が可能になり、たとえば仕事上役立てられる星が特定できたり、結婚相手を表示する星が特定できたりするわけで、これは相談者の方にも大きなメリットになります。

このレクティファイは、かなり占星術に熟達していないとできる作業ではありませんし、熟練者でも「常に完璧」は難しいでしょう。

しかし、あるレベルに達していれば、かなりいいところまで絞り込むことができるはずです。

私の場合、そうやって後で本当の出生時間が判明して、「やはりほぼ合っていた」という報告を後で頂くことも、普通にあります(もちろん人間ですから、間違うことはあると思います)。

占星術の12星座10天体12ハウス、そしてアスペクトは伊達ではないので、それを総合的に判断できれば、相談者の方とディスカッションできればできるほど、かなり正確な特定ができるのは当然です。


つまり、そういう方法もありますよ、ということです。

ただ、このレクティファイはそれなりに時間のかかる作業で、私の場合、メール鑑定などではほんのわずかですが、追加料金をもらっています。


また。

じつはタロットカードなどは、こういった情報にはいっさい振り回されないのですね。

極端な話、誕生日さえ必要ではない。

「自分が今思っているその人、その人とどうなるか知りたい」
というような質問にさえ、タロットは回答を出してきます。

つまり出生時間の分からない人でも、ご相談くださっても大丈夫だということです。


ご安心を。