魂の計画としてのホロスコープ |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

ホロスコープは、私たち自身が決めた「魂の計画書」である。

これが私の占星術師としての基本的な姿勢です。


近年、欧米では主に医学界の権威者によって、「生まれ変わり」の科学的なアプローチによる研究が行われています。

臨死体験や退行催眠。

また前世記憶を持つ人間の裏付け調査。

この中でもとくに注目すべきは、催眠術を使用したもので、深い催眠状態に落ちると、人は忘れているような幼少期の記憶でも鮮明に思い出すことができます。

しかし、その記憶をどんどん遡らせていくと、母親の胎内に宿った以前の記憶、つまり前世の記憶を語るそうです。

非常に多くの研究者が、数多くの前世に関するリアルな研究と報告を行っています。

その中には、前世で結ばれていたもの同士が、一人のその医学博士の下を別々に訪れて、過去の失われた記憶を取り戻し、博士は患者の守秘義務のために、「その二人こそが出会うべきパートナーだと分かっているのに、それを教えてあげられない」というような事例もあります。

その二人は博士が教えるまでもなく、不思議な偶然で出会い、結ばれたそうです。

こういった前世の記憶が蘇ってくる一方、深い催眠下では「中間生」の記憶を取り戻す人もいるようです。

「中間生」とは前世と今生の間のことです。

つまり「あの世」ですね。

あの世の記憶を催眠術で蘇らせるケースもある。

「そこで魂だけになったとき、あなたは何をしていたんですか?」

そのように質問すると、多くの人が

「次に生まれるときのために、勉強したり、エネルギーを蓄えたり、また次の人生の計画を立てている」

と告白するのです。

生まれてくる前に、人は魂の計画を作る。

これは実は、西洋でも東洋でも霊能者の一部の人たちが、そのようなものがあると以前から言われていたものです。

日本でもTという霊能力のある人が、生まれてくる前に作った計画が人間にはある、と述べていました。

これらはブルー・プリント(青写真)と呼ばれています。

魂の計画書、ブルー・プリント。

生まれ変わりの科学的な研究報告によれば、未熟な魂ほど細かい部分まで計画を立て、成長した魂ほど計画が大ばっぱになると言われています。

それを人は携えて、この世に生まれてくる。

親も100%、自分で選んでいるそうです。

どんなにひどい、虐待をするような親でも、その子にとっては何らかの理由があって選ばれたもの。

また前世で肉親やごく親しい関係だったもの同士が、やはり今生でもグループで生まれてくることも多いようです。

逆に前世などに関わりなく、まったく新しい関係の中に生まれる子もどもいるようです。

しかし、どちらのケースでも決めるのは自分。


魂の計画が存在し、そして占星術のホロスコープが人の運命の傾向を表現しているのなら、この二つは一致して当然です。

つまりホロスコープは、魂の計画書がある形で表現されたもの、とみなすことができます。

これは占星術に限らず、四柱推命表とか、他の高度な占術なら同様なことが言えるはずです。


この考えに立つことは、非常に重要です。

人は自分の人生をある程度選んでいる。

どの親元に生まれ、どんな容姿性格で、どのような人生を送り、誰と結婚する、しない、子供を授かる、授からない、どのような死に方をするといったアウトラインは、自分で決めている。

それがたんに「運勢」としてホロスコープの中に表現されているだけなら、一般的な感覚で言う「悪い運勢」や「悪しき運命」などないことになります。

たんに、本人が今回の人生で体験しておきたいことが表現されているだけだからです。

運命が先にあり、人の人生が決定されるのではなく、人の意志が先にあり、運命が選ばれてるわけです。

これはいわゆる運命論の逆転です。


私はホロスコープを解読する上で、これからは占星術師ならば、みな、この観点を得ておく必要があると思っています。

これらの生まれ変わりの研究は、純粋に科学的なアプローチであり、十分に信頼するに足るものだと確信しています。

こういった研究については、飯田史彦先生の「生きがいの創造」(PHP研究所・刊)の中で、この膨大な研究報告の詳細が触れられています。

飯田先生の後の著作の中には、先生個人の霊的な体験に基づいたものも多くありますが、この「生きがいの創造」は純粋に客観的な視点に立った報告書であり、またこの研究報告から得られた知識がどのように私たちの生活や人生に役立つか、優れた提言を行っている書です。

また臨死体験や退行催眠による研究報告書は、海外のそれら研究者によって非常に多く刊行され、日本語訳されているものも多く存在します。

興味のある方はご一読ください。