奥さんが仕事上で知っている人が出演している(しかも主役)ミュージカル、「誓いのコイン」を観るために。
私自身、おそらく今後、舞台のシナリオを書くことが必ずあるので(予感ですが)、後学のためにも観ておきたかった。
上演は10時半からだったので、それに合わせてかなり早起きして、奥さん、娘、息子の四人でいざいざ、しゅっぱ~つ!

と思ったら、当日はかなりの雨。
瀬戸大橋は煙っていて、先の見通しがあまりきかないほど。
それでも奥さんの運転で快調に四国を走ります。

途中、石鎚山のSAで事前に聞いていた「ポンジュースのソフトクリーム」を買いました。
たしかに色がみかん色っぽいというのか。
しかし雨も降っていて、冷たいものをしっかり食べたいという気候ではなかったので、一つだけ買いました。
それを四人で回し食い。
「おお! たしかにポンジュースの味わいが!」
これはこれでご当地グルメですね。
さてさて、一度の休憩を終えて車は川内ICを下ります。
「坊ちゃん劇場」はわりとすぐでした。
バスが到着して、たくさんのご老人方が劇場に。
もちろんそれだけじゃないけれど、「へー、すごい」。
この劇場、年間で270公演も行われているそうです。
地域からの文化発信基地として、地元のバックアップも非常に強力だそうです。
入れ物だけが出来上がって、さして有効利用もされないことが多い中、これは本当にご立派。

さて、「誓いのコイン」
これは松山での史実がベースになっていりオリジナルのミュージカルだそうです。
「坊ちゃん劇場」では毎年、オリジナルのお芝居を公演しているようで、今回のは6作目。
作・作詞 高橋知伽江先生。
演出・栗城宏先生。
明治時代、日露戦争時。
松山に捕虜収容所ができ、ゆくゆくはのべ数千人ものロシア人を受け入れ、松山にはロシア人町までできていたそうです。
私も今回、初めて知りました。
ある泉から発見されたロシア人将校と日本人女性の名前が刻まれた金貨。
この実在の金貨がベースとなって生み出された物語のようです。
敵対し合っていた日本とロシア。
互いに憎しみ合い、殺し合っていた時代に、この松山の人々はロシア人捕虜を受け入れ、やがて終戦後、捕虜の帰国まで一種、共存していた。
日本は軍国主義へ。
ロシアでは革命へ。
そんな時代背景の中で、人種や国の堺を超えて結び合おう、理解し合おうとしたロシア人将校と看護婦サチの二人の物語です。
最近、涙腺がゆるみがちで、思わず涙してしまいました。
ストーリーの中身をあまりここでぺらぺらしゃべるのは好ましくないと思うので、他のことを書きますが、とりあえず本格的に訓練されている役者さんたちの舞台は、やはりすばらしかった。
歌も、踊りも。
もうそれだけでも一見の価値がある。
日本に連れてこられ、最初は心を開かなかったロシア人将校たち。
負傷した彼らをいやし、支えてあげようとする日本人看護婦たち。
いつしか垣根が取り払われ、互いに理解や愛情を抱くことすら可能になる。
シンプルですが、普遍的なテーマです。
いや、本当によいミュージカルでした。

鑑賞を終えて、せっかく松山まで来ているのだからと、道後温泉まで足を伸ばし、湯につかってきました。
道後でも一番よく知られた歴史ある温泉だそうです。
一昨日、私は村の道の草刈り行事に出ていて、肉体的にはちと疲れていたのですが、ちょうどよかった。
温泉から出た後は、そこいらでおみやげ物を買って、帰路につきました。

帰り道。
すでに雨は上がっており、車は快調に自動車道を走ります。
写真は瀬戸大橋から取った夕日。
夕日というには少し早かったかな。
あ、昨日の「なう」で車を運転しながら「なう」投稿を行っていたのではないかと心配されていた方がいらっしゃいましたが、さすがにそんな危険なことはしません。
運転していたのは、すべて奥さんです。
帰ってくると、また日常。
しかし、主演のSさんも含め、また一つ縁や世界が広がる予感がするzephyrでした。