海王星・魚座時代の盲点 |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
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 占星術研究家として
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 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

「霊能力者の人とつなぎがとれませんかねえ」

しばらく前のこと。

以前に鑑定した、ある女性からそのような電話がかかってきました。
正確にはすぐに電話に出られなくて、こちらからかけ直したら、いきなりそのようなことを言われたのですが。

この方はその前にも一度、電話をかけてこられたことがあって、そのときは占いそのものについて、あれこれととりとめもない質問をされたことがあります。

かなり性格的にも偏りがあって、気分もころころ変わるタイプです。

数多くの鑑定を重ねていくと、どうしても結果を有効に役立ててもらえない人というのも出てきます。
大半の鑑定では、その人の特質や運勢をチャートで解読し、その解読結果とタロットなどで「どうしたらいいか」というようなところまでアドバイスを行っているのですが、たとえばそのアドバイスが自分的に不服な方も中にはいらっしゃいます。

たとえばですが、次の出会いまでには1年くらいかかるでしょうという結論で、それまでにこうして過ごしたらいいというアドバイスをお渡ししていたとしても、その1年が待てないという方もいらっしゃいます。

今すぐ出会いたい、とか。
すぐに状況を良くしたい、とか。

またこの先にあるであろう障害を予見して、それに対処すべきですよ、ということをアドバイスしていたとしても、そのような障害がくること自体が嫌でさけたい、とか。

人生上に起きる障害というのは、自らが招いて引き寄せているものも多いのですが、自分の魂の成長のためにあえて設定されているハードルである場合もあります。

こうしたことを避けて回っていると、その人は十分に学び、成長することもできません。

障害の代表選手は土星ですが、この土星の働きなくして世の中に安定はありませんし、人の成長もありません(これは過去記事の中に何度も書いてきました)。

私はこの世に生きる魂の究極的な目的は、すべての星座を背景としたすべての天体の体験を充実させていくことだと考えています。

土星のような体験も、人には絶対に必要なのです。

それを避けて回ると、たいていの場合、それは別な形で別な問題を持ち込んできます。

しかし、たぶん彼女はそうしたなんらかのうまく行かない事態を抱えていて、それを魔法のように解決してくれる何者かを求めたのでしょう。
そのような形で解決しても(したように見えるだけなのですが)、かならずより大きなトラブルや障害となって現れるに違いないのですが。

あれがだめだったら、これ。

これがだめだったら、それ。

いろいろと試行錯誤することも人生には大切なのですが、それが積極的に事態を良い方へ変えていこうとする心構えでなされるのと、目の前の課題を回避しようとか逃げようとか、そういう心理で行われるのとでは大違いです。
後者の場合、往々にして主体性というものは失われています。

自分というものがなく、誰か他者に責任や対処を預けてしまいたいということにすぎなくなってしまう。


ちょっと前に海王星・魚座時代について書きました。

本当の意味で癒しの時代、その世代が生まれるのだと。

しかし、海王星・魚座時代にはダークサイドもあります。

もともとがスピリチュアルな天体が海王星ですし、魚座は個人というものが分解されていく星座です(主体性が希薄になる)。
海王星が牡羊座に入る2025、6年頃まで、海王星は本宅の魚座にあって最強ですが、この間にはスピリチュアリズムは非常に強化されると思われます。

つまり占い師や霊能者といった存在が、非常にクローズアップされる可能性があるのです。

この中にはかならずまやかしの霊能者もいますし(不勉強でいい加減な見識の占い師も)、どっちかというとダークサイドからの影響を強く受けている人物もいると思われます。

前述の彼女は、こうした流れの中で、主体性を失い、霊能力者という存在に引き寄せられている。

そのような印象を受けました。

え?

私がなんとお答えしたかって?

「ご紹介できるような霊能力者はいないですね」

です。

当然です。

過去何度か書いてきましたが、私はこれまでの人生で霊能力を持っている人と、何度も接点を持ってきました。

その中には、疑う余地のない明瞭な力を持っている人もいました。

気がする、というようなレベルではないのです。

たとえば幽体離脱できる能力を持っていて、私の部屋をいつの間にか訪問して、起きる出来事を見ているとか。

このような証言をリアルにされると、ぐの音も出なくなります。

また普通では考えられないような超常的な現象も、私は自分の目で見たことがあります。
ここでは詳しくはお話しできないですが、それらすべてが唯物論では説明できないものです。

霊能力というものがあるかないか、というような議論は、リアルに体験したことがない人だけが行えるものだと、私は思っています。

もっとも。
誤解のないように言っておきますが、私には霊的な能力はありません(←ここ、重要)。

ただ、これまで幾人もそういった人物と接触してきた経験から言って、こうした能力が信用できるかできないかわからない領域を背景にしている不安は、いつもつきまとっています。

信用できるかできないか、というのは、霊能力の有無を信用できるかできないかという話ではなく、その霊能力者の力の源になっているものを信用できるかどうか、という問題です。

きわめて単純な言い方をすると、光から出ているの? それとも闇から出ているの? みたいな話です(そんなに単純には分けられないかもしれませんが)。

どう考えてもダークサイド的なものからの発信を受け取っている方もいらっしゃいます。

受信能力が高い人は、こうしたものを無差別的に受け取ってしまうケースもあるようです。

これからの時代、霊的なものの干渉も非常に大きくなり、その中で惑わされる人も多くなると思われます。

スピリチュアルな能力を持つ人がみな危険だというわけではなく、そうした力に翻弄されている霊能力者も多く、そういった霊能力者に当たってしまうと、自分自身がさらにひどく翻弄される可能性もあります(こうした霊能力者は、自分が翻弄されているとは考えていなかったりします)。

絶対に見失わないでほしいのは、そうした人が人間としてまず信用できるのか、その言葉やアドバイスが人としての良識をちゃんと備えているか、ということです。
どのような能力を持っている人でも、これは人間としてみるならば当たり前のことです。

超常的な力を示されると、人間はどうしても無条件で信じてしまいがちです。
しかし、やみくもな盲信でお金を巻き上げられたり、悪しき方向へ人生を導かれることもあります。

前述の彼女。

私はこのブログに書いたようなことをお話ししましたが、たぶん自分でそういう人間を見つけて、引き寄せられていくんだろうなという印象を持ちました。

それが良識を持った良き霊能力者であれば良いのですが。

これからの海王星・魚座時代の、一つの警告として書かせて頂きました。