これまでなかなか思うように恋愛で喜びを感じることが少なく、常に悩んでいるか落胆させられる状況が続きます。
そんな自分を何とかしたいと思って、思いつく限りの手段や対策をしてきました。
ところが成功体験は実感としていま一つなく、ネガティブで執着の強い感情は一向に変わらないまま。
もし、ホロスコープが魂のブループリントであるならば、私の魂はどんな人生を選んでいるのか、どうして私はこういう状況を創りだしているのか、観ていただけないでしょうか。
空さん(女性)からのこの依頼は、昨年12月にありました。
早速、ホロスコープ作成ソフトに入力して、チャートを見てみました。
空さんは現在、オーストラリアのパースに住んでおられるのですが、この時点での解読は日本での出生図を選択しました。
オーストラリアに行く以前から、こういう状態だったわけでしょうから、当然出生図を見ないといけません。
それに海外に移住した人でも、やはり移る以前のチャートは基本ですから、かならずチェックしないといけません。
むむむ……いったい、これのどこがそんな問題なんだ?
空さんは太陽・天秤座、月は水瓶座。
性質的には風のエレメントが強く、太陽も月もそんなにハードアスペクトが強いわけじゃない。
月は、12ハウスの火星とゆるいオポジション。
これくらい。
太陽は少なくとも第一種のハードアスペクトはゼロ。
むしろ、太陽と月はトラインという良好な関係。
しかし、恋愛の5ハウスには海王星(ものごとを曖昧な状態にしてしまう不安定な星)。
結婚や対人関係の7ハウスは空室ですが、カプスは水瓶座に来ていて、その支配星である天王星は4ハウスにあって、アセンダントとスクエア。
「そうか……そして火星が12ハウスか。解けてきたな」
私は解読しつつ、メールを作成しました。
そして空さんに送った鑑定結果が、リアルに以下のようなものでした。
お待たせしました。
空さんのホロスコープを解読しながら、私にできるだけ、ご質問の内容に答えていきたいと思います。
ただ、メールにありましたヨッドですが、空さんのホロスコープにはあまり明瞭なものが確認できません。
出生日時のデータが正しいのならば、日本の出生図にそれはありません。
パースでのチャートに若干、MC、天王星、土星のヨードに近い配置が見られますが、これも許容角の取り方次第ではないも同然です。
シドニーなら、MC、水星、海王星がそれっぽいですが、いずれも問題にするほどのものではありません(空さんはシドニーにも一時期住んでいた)。
占星術師によって、ヨッドの解釈や許容角の取り方は異なると思いますが、私は空さんの場合は海外でのリロケーション・チャートにかすかにそれが見られる程度で、あまり取り上げるほどのことはないと考えます。
むしろ重要なのは出生チャートで、こちらに帰国される予定であることも含め、この解読に重点を置きたいと思います。なんといっても、ここにすべての鍵が潜んでいるはずだからです。
まずざっくりチャートを拝見した印象では、「どこにそんなご自身が感じるような問題が表示されているのだろう?」と疑問に思うくらい、そう深刻には見えませんでした。
けれど、じっくり拝見する内に次の三つのポイントがクローズアップされてきました。
三つのポイントとは、12ハウスの火星、アセンダントと厳しいスクエアを作っている4ハウスの天王星、5ハウスの海王星です。
たぶんお悩みの異性関係の大部分は、この三つの構成要素から出てきているのではないか、と思えます。
まず空さんの出生図では、12ハウスの火星だけが地平線の上にあります。他の星はすべて地平線下。
こういったチャートでは、火星が人生に大きな影響を与えます。
カルミネートというのがあり、MCにもっとも近い星は職業上の選択や自身の人生選択にも影響力を持っています。
その影響力大であるはずの火星が、12ハウスにある。
火星は女性にとって、異性の星、恋人の星です。愛する男性像の象徴のような星です。
そして12ハウスは「世間から隠された」「潜在意識」などの部屋です。
この12ハウスに火星を持つ男性は、その男性行動が隠蔽されたものになりがちです。男性にとって火星は、自分自身の雄の衝動だからです。
女性にとっては恋人、愛する男性。
これがあなたの場合、12ハウスにあって、なにか潜在意識の中に幽閉されているような印象を受けます。
つまり火星が表だって活動するのではなく、見えない領域でくすぶっているような印象です。こういう女性は不倫とか、世間に出せないような異性関係を持ってしまう人もいますし、あなたのように異性関係で充足することが難しくなってくるケースも生じると考えられます。
おそらく、ですが、この12ハウスの火星に関する解釈が、あなたをこれまで占ってきた占星術師の解読の及ばなかった部分ではないかと思います(違っていたら、遠慮なくそう仰って下さい)。
潜在意識の領域に火星があるということは、男性に対する意識が日常的にはあまりなく、それでいて潜在的にはものすごく意識しているとかいうような、矛盾を生み出す可能性があります。あるいは火星(異性)に対する何らかの抵抗感や喪失感が原因で、それをわざわざ意識下に閉じこめてしまわざるを得ないような状況。
この火星は太陽とゆるいセクスタイルで、月とはゆるいオポジションを形成しています。
ここから考えられるのは、この火星の持つ一種の機能障害は、あなたの感情(月)に根ざしており、太陽が示す人生経験の中には明確な根拠がないかも知れません。つまり、何が理由なのかよく分からない状態です。
しかし、火星が12ハウスに埋もれているのは、なんらかの意味がありそうです。
12ハウスは東の地平線上で、ある意味最も目立つようなポイントにありながら、「隠されたもの」という一見矛盾した質を持つ、非常に解読の難しい部屋なのですが、あなたが誕生したとき東の地平線であったアセンダントが、あなたの今回のこの世でのありようを示すものだとすると、それに先行して浮上していたもの、つまりあなたの前世とか、あるいはあなたの両親などの暗示でもあろうかと思われます。
「深い峡谷に、岩が塔を形成する」「絶壁の端にある岩の塊」
これらがあなたの火星のサビアンシンボルです。
このサビアンは、自分の衝動のままになにかを実行しようとするが、それがすぐに壁にぶつかるような感じを受ける人が多いと言われます。
そして、その壁にぶつかることによって、これまで無視してきた何かに気づく暗示でもあります。
この壁にぶつかってしまうことの内容が、あなたの場合、火星である異性関係であったわけです。
その答えは潜在意識の中にあり、これまで無視してきた何かなのかも知れません。
今回の人生だけに限って指摘すれば、たとえばそれは父親や、ご両親の関係性の中に秘められているかも知れません。
たとえばご両親の夫婦仲が極端に悪かったとすれば、子どもにとって初めて接する異性は父であり母ですし、両親の関係性は男女の関係性のひな形となっていきます。
そこで刷り込みが行われ、「男と女なんてこんなものだ」という思い込みにつながります。あなたの場合がそうなのかどうか、お返事をお待ちしたいと思いますが、このような事例で異性関係が不調になっている方は実に多いのです。
この根拠は家庭の4ハウスの天王星(離反の星)が、あなたのアセンダントとスクエアになっていることからも推理はできます。
このようなケースでは、生まれ育った家庭生活になんらかの別離や心の離反を経験しやすく、それが原因となってその後のご自身の結婚生活にも問題が生じたりします。
実際、天王星はあなたにとって7ハウス(配偶者、対人関係)の支配星であり、もしかするとですが、自分自身でも潜在的に結婚してもうまく行かないのではないか、別れるのではないか、という危機感や予感を抱いているのかも知れません。
なぜなら自身の運勢について、ホロスコープに沿った予感を持っている人もまた多いからです。
空さんは4ハウスという家庭の部屋に、天王星をお持ちですから家庭運が安定しているとは、とても言えません。
もし生まれ育った家庭に離反、離別の経験をお持ちであれば、この経験があなたに異性をなんとなく遠ざけてしまう無意識の作用を生み出している可能性があると思います。なぜなら深い付き合いになればなるほど、その相手は深い対人関係を持つようになり、それがやがては夫などになっていくからです。
でも、そこに離反の予感を強く持っていたら、その経験で傷つくことを当然恐れます。
生まれ育った家庭に離反の経験がなくとも、ホロスコープの4ハウス天王星は機能していますから、あなた自身の「結婚」→「家庭の発生」というプロセスの中で、この離反が起きる可能性はやはり指摘できます。
これを予感として抱いている、あるいは無意識に感じている、ということはあり得ます。
あなたご自身は、結婚ということは考えず、異性関係だけのことを考えているのかも知れませんし、そういうご質問なのかも知れませんが、日本や現代の普通の国家に生きている人は、やはり異性関係の先に夫婦関係や、家族関係を透視しているのが普通です。
もしそこに大きな不安を抱いていたら、これは無意識のブレーキとなり、異性関係の健全な進展を疎外する可能性もあります。
いかがでしょうか?
もう一つ。
恋愛運を受け持つ5ハウスに海王星がありますが、これは基本的に恋愛運を不安定で曖昧なものにしていく効果が強いはずです。
いくつか出方はあります。
たとえば海王星が示す芸術家やお医者さんの恋人とか、アルコールに溺れた恋人とか。
しかし、そういった具体的な人物像としてでない場合、あなたの恋愛運を不安定にさせる運気として出るのが普通です。
海王星が12ハウスの定位置である魚座の支配星あることも考慮すると、この海王星があなたの火星と連動して、恋愛行動におけるあなたを不安や曖昧な迷路に陥れている可能性はおおいにあります。
実際、海王星は火星とゆるい135度、セスクイコードレートというハードアスペクトを持っています。
またあなたのホロスコープでは、8ハウスの支配星が海王星。
死の部屋でもありますが、12ハウスと似た質を持ちます。
こういったチャート上の事実を突き合わせていくと、
a. 今回の人生の家庭に異性関係を阻害する要因がある。
b. aがなくとも、今回の人生についての予感が鋭くあり、それが異性関係を阻害している。
c. 前世などの今回の人生に限定されない、なんらかの一種のトラウマのようなものが潜在意識にある。
上記の三つが、私にはもっとも考えられることだと思います。
さて、ここで空さんに私のほうから質問させて下さい。
上記のどれかに思い当たることがありますか? まあ、cは判断が難しいと思いますが、abのどちらにも該当しなければ、cである可能性は高くなります。
それぞれについての対処法はあります。
なので、これはカウンセリングのようなものだと持って下さい。
一度のメールのやりとりでは終わらないので、ご返信下さい。
べつに、よほど長引かなければ追加料金は頂きませんので。
ブループリントのことにも触れておられましたが、その部分と対処法も含め、あなたのご返信を待って、もう一回メール致します。
お待ちしております。
以上が、私が空さんについて鑑定を行った第一報です。
果たして、空さんはどのように返信してきたか?
鑑定は当たっていたのか? それとも?
明日に続く。
ポチッとしていただけると、嬉しいデス。
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