スイングバイ理論・5→スター・リフレクト理論 |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
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 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

今日ここで書く理論は、これまで個人鑑定以外では一切触れたことがなかったし、お話ししたことがなかったものです。

たぶん、ですが、他の占星術師のかたも具体的に、明確な形で打ち出したケースはないのでは?

もちろん私の不勉強で、この理論に先鞭を付けられているかたはいるかも知れません。
海外などの話になってくると、私はとても全部は把握していませんし、というよりも、ごくごく一部しか知り得ません。

けれど、もしかすると私が初めての提唱者かも知れませんし、控えめに言ってその可能性はやや高いかも知れません。
同様な理論を先行発表されているケースがありましたら、是非、お教え下さい。

一応、ここでは「スター・リフレクト理論」という名称として提示しておきます。


この理論については、明日以降、詳しく触れた記事を書きたいと思います。
が、今日は結論的な部分だけを触れておきます。
今日はまだスイングバイについてのお話だからです。

昨日の記事の中で、出生チャートの中で示されているアスペクト、星位などによって、トランジットや進行の星でアスペクトが生じたときの出方も変わってくるというお話をしました。

もちろん出生図の中でのその星の役割は強力です。

しかし、じつは。

これまでの人生で、その人がその星とどのように関わってきたか、ということも、とてもとても重要なのです。


たとえば、土星とのハードアスペクトが強い人が、土星とどのように向き合ってきたかということも重要だと、昨日の記事に書きました。

過去の人生で、土星のハードがトランジットや進行で発生したとき、その人が土星のあまり好ましくない特質である、「強欲」「孤独」「悲観」「うつ」「利己的」……などの側面とシンクロし続けてきた場合、その次にまた土星が巡ってくるときも同様な特質に強い影響を受けやすくなるのが道理です。

パイプが通じているわけです。

しかし、過去の土星のハードで、報われなかったかも知れないけれど、「勤勉」「努力」「忍耐」といったことを身につけてきた人は、上手にスイングバイしていたことになります。

当然、次の土星のハードでも同じようなスイングバイができやすくなります。

できやすく、です。

人間ですから失敗するケースもあって当然かと思うのですが、幾度かのハードを体験してきて、しかもそれを上手に受け止め、スイングバイを続けてくれば、土星への免疫もでき、「打たれ強く」もなります。

次も成功の確率が高まります。

出生図の中に土星のハードが強くあれば、確かにスイングバイには多くの努力が必要になってくるかも知れません。

しかし、私はこれまで土星、天王星、冥王星などの星と太陽が非常に強いハードアスペクトを取りながら、ゆがむことも曲がることもなく、

「え、そんなに苦労しそうな人生? そうかなあ」

と、けろっとしている人も何人か見てきています。

大変な人生上手、スイングバイ上手なんだと思います。


さて、ここからが重要。

出生図の中で、たとえば冥王星のハードを強く持つ人。

時折、異常に強欲、物質欲が強かったり、妬み、恨みといった念が強い人がいます。

これは日常的に冥王星のダークサイドにシンクロしていることになります。

当然、冥王星のアスペクトが発生したとき、これらのダークサイドを強化すると考えられます。

起きることは?

かなり破滅的なことになって当然です。

これまでその人が積み重ねてきた冥王星との関わりの分だけ、その人の周囲、人間関係、仕事関係の中にその人なりの冥王星的な刻印を残してきています。

その分だけ、冥王星のダークサイドの影響が強く出て、そのときにまさに「死ぬような目に遭う」体験をすることも考えられるのです。


私は自身の太陽とトランジットの冥王星が合になった頃、「死ぬような思い」をしました。

しかし、救われていたのは私の周囲の人間関係は、つねに良い形で保たれていました。

夫婦関係、親子関係、仕事の関係。

自慢話ではないのですが、これは私が自身のチャートにある冥王星の特質を読み取っていて、ダークサイドに自分が落ちないようにコントロールしてきたからだと思っています。

それでも冥王星の凶意は、すべてを帳消しできなかった。

でも、今にして思えば、うまくスイングバイできていたのです。

もし、私が過去において冥王星の、「恨み」「妬み」「復讐」「強欲」などに支配されて生きてきていたら、あのときには人間関係も何もかも破滅していたかも知れません。


そう。

これがスター・リフレクト理論の核心です。

過去、問題の星とどう関わってきたか、その自分自身の蓄積が次に来るその星のハードアスペクトに反射される、反映されるのです。

まず人は出生図の中にAという星のハードを持つ。

Aのダークサイドに傾きがちな傾向を持つ。

しかし、その後の人生でAのどの質を使っていくかは、本人しだいなのです。

火星のハードがあったら乱暴者になるのか? いや、違います。火星のハードでスポーツで苦労し、上達することもできます。

そして、その人生経過の中で蓄積されたAという星の力が、リフレクトされて次のアスペクト時に発生する。

良いことも。

悪いことも。

スイングバイをうまくできるか、ということは、過去の生き方にも深く関わっているということなのです。


補足として。

「なら、星の力は蓄積され続けていくので、年をとるごとにその出方は激しいものになるんじゃないか?」

という疑問を抱かれるかも知れません。

年をとると、普通、人間は社会生活も縮小していきがちです。
他者への影響も少なくなります。

その分、リフレクトも小さくなります。

また普通、年をとると人は丸くなったり穏やかになりがちです(そうでない人もいますが、そうでない人の老後がどのようなものか想像してみてください。リフレクトされていると思います)。

当然のことながら、高齢になってくると身体能力の不調、病気、怪我ということもおきやすくなり、年齢が上がるほどに連れ合いや家族との別れも増え、こういったことで星の力は消化されていくと思われます。


スイングバイをうまくできるか。

それは生き方にも関わっている。

出生図とその傾向。

トランジットや進行の状況。

そしてそこまでの過程で、その人がその星とどう関わってきたか。

これがスイングバイ理論の骨子です。

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