私は焦燥感に駆られ、自分のＭＳ、νガンダムを組み上げようとしていました。
シャアは強い。
すでにやつのＭＳ（モビルスーツ）、サザビーと一戦交えています。
今度こそ……。
工場のラインをＭＳのパーツが流れてきます。
私はそれを手にとって、一生懸命、組み上げて行きます。
あれ？
でも、なんかプラモデル並に小さいパーツなんですけど……。
てか、本当にプラモデルみたいなんだけど。
1/144スケールくらいの。
おや。
携帯が鳴り出した。
だ、だれだ？
シャアか
「あのー、わたし、ネッツト○タの和泉と申しますが、zephyr先生ですね」と、男の声。
「はい、そうですが」
「今日の占いの予約を取ってるんですが、これからで時間、間違いないですよね」
え
し、しまった！
もしかして、占いの予約があるの、忘れてた？
シャアと戦っているどころじゃない！
やや、やばい。
てか、なんでネッツト○タ
「え、えーと、和泉さんですね。は、はい。今日の予約でしたっけね。今、どちらにおられます？」
「いや、まだ店なんですよ。これから行こうと思って。場所は児島の○○でいいですか」
「は、はい！ そうですね」
見ると、なぜかネッツト○タの店舗が道路をはさんで向かい側に。
ガラス張りの店内に、自動車店のディーラーの作業着を着た和泉さんの姿があって、もう店を出ようとしている。
いかん！
なんとしても、和泉さんよりも先に行って、待っていなければ！
「ぷはっ！」
私は布団をはねとばして、起きあがっていました。
髪なんかもう、ぼさぼさで。
「夢か……よかった。夢で」
ベタですが。
昨日の朝、私を襲ったリアルな夢でした。
和泉さんて、誰
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ていうか、いいの？
こんな夢見てるやつが、非常勤とはいえ、大学の先生をやっていて。
……………
……………
そんなわけで、今年も大学の講義がすでにスタートしております！（どんなわけ？）
ボランティア・プロフェッサー、五年目のzephyrです。
2006年から始まった大学の講師。
初年度はなにも分からず突っ走り。
二年目にようやく専用テキストを用意し。
三年目に全体構成を考え。
四年目の去年、かなりまとまった講義ができるようになったと感じました。
今年も生徒さんはかなり多い。
目立つのは留学生。
熱心に教室の一番前に席に陣取っていたりします。
しかも、日本語がかなりできて、理解している様子。
私のジョークやうっかりミスを笑っているのも彼ら（彼女ら）。
今年受講の留学生は、去年とは印象が違う？
いや、もしかしたら私の方が彼らに歩み寄ったのかも知れない。
昨日の講義でも、終わった後に挨拶に来た留学生が。
親しみやすく。
分かりやすく。
去年まではまだそのへんが薄かったよな～。
これで十分なんてことはない。
何度教壇に立っても、まだまだ、まだまだ、学ぶことがあるし、新しくできることがある。
要するに今が未熟なんですな。
一週間前の講義初日。
前年までと同じように、私は気迫で数百名の生徒たちを押しまくりました。
でも、そのへんのフランクさも味付けできました。
話しかけやすい雰囲気にしないと。
完璧な人間などいない。
ちょうど昨日、そんなことを言ってくれた人が。
たしかに。
去年まで私は完璧であろうとしすぎていたかも。
でも、講義中に間違いかけて、慌てて修正しても、それが逆に親しみやすさにつながったり。
あれ？
もしかして、予知夢？
にしてもガンダムはないだろう、ガンダムは。
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