射手座的な生きがい |  ZEPHYR

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私の生まれ星座でもある射手座。

星座別生きがい論、9番目の星座です。
前回の蠍座エリアで、人は変容を遂げます。
蠍座は死と再生のプロセスとも言えます。
じつは人の魂は、その一個手前の天秤座で「個人」の領域を脱しています。

牡羊座から乙女座に至るまでのプロセスは、主に個人の成長プロセスに関わっていました。
誕生し(牡羊座)、自他の区別を覚え(牡牛座)、知識を拡大させ(双子座)、情操を家族の中で発展させ(蟹座)、自我を強化し(獅子座)、自分修練を身につける(乙女座)。
天秤座はある意味で特別な星座で、配偶者の星座、結婚の星座でもありますから、男と女という種に分かれて存在する人間にとっては、とても重要な意味があります。
対人関係全般の星座でもあるので、ここでようやく人の魂は、自分やごく身近な環境ではなく、外の世界と深く関わるようになります。それも直接、正面から。
そして配偶者なり、愛する者を得た魂は、対になった存在と交わることで(セックス=蠍座)、変容を遂げます。
これまでとは違った存在に変わっていく。
蠍座が死と再生のプロセスというのは、そういう意味です。

こうして射手座領域に魂は飛翔します。

射手座の特徴はどんなものでしょう。
そして射手座的な生きがい、「生きているはりあい」「生きていて良かったと思うこと」とはなんでしょうか?

射手座は男性星座。
ミュータブル・サイン(柔軟宮)。
火のエレメントです。
支配星は木星。

独立心や意志、情熱などを持つ火のエレメント。
これは過去に牡羊座、獅子座が登場して生きていました。
牡羊座ではカーディナル・サイン(創造)、獅子座ではフィックスド・サイン(維持)としてありました。
火のエレメントは「霊性」ということも示すのですが、このプロセスはこの世に肉体を持った魂がどのような変容を遂げていくかを示しています。
この世に誕生し、生を謳歌し、体感しようとする牡羊座。
この世の中で自己を明確に打ち出し、歓喜しようとする獅子座。

射手座はそのプロセスにあって、創造→維持→破壊という流れの最終段階に来ています。
一つ手前の蠍座で、死と再生というイニシエーションを受けた魂は、もはやこの世は1人ではないのだと、明瞭な認識を持つに至ります。
社会や所属する集団の中にある自分という者を意識します。
ここで火の霊性は、人々の中で燃やされるようになります。つまり個人領域を超えて(つまり個人の枠が壊される)、その力は発揮されるようになります。

また射手座は、双子座と対向しています。
それぞれ定位置のハウスは9ハウスと3ハウス。
双子座の3ハウスは初等教育や知能、精神活動の発達の萌芽であったのに対し、対極の射手座、9ハウスは高等教育や、より高度な精神活動、哲学や宗教といったものに関わっています。
双子座が個人の好奇心を満足させるために、あれもこれもやっていたのに対して、射手座領域では社会の中での自分の位置づけが見えていますから、その中で到達しようとする奥深い知的発展を目指すようになります。
また個人と社会の関わり、個人と世界との関わりというものを見据えているので、そこで哲学や人間の魂や霊性などに関係した宗教的な事柄への関心などにも発展してゆくのです。

支配星の木星には、単純に「幸運」という意味があります。
楽観的で、寛大、おおらかな星です。
この木星には「社会」そのものの意味もあります。

射手座の質は複雑です。
もともとミュータブル・サインはすべて複雑で、双子座、乙女座、射手座、魚座はすべて二面性、あるいは多面性を持っています。
自由奔放、活動的、楽観的、無責任など射手座の性質はいろいろ言われていますが、活動的かと思えば思索的、静的であったりしますし、すごく精神的に発展していながら、同時に肉欲的であったりもします。
一口に正確を言い表せないのがミュータブル・サインの特徴です。

射手座になってくると、もうすでに個人領域ではないので、社交性というものを発揮して、会う人ごとに違う印象を残すケースもあります。それぞれの人に対して見せる顔が違っているのです。
また社会の中で活動する、何らかのポジションで活動することに対しても、対応力が大きいので、どんなことでもやってしまう可能性があります。
射手座には大学、法曹界、宗教などといった意味がありますが、射手座的な人間が皆、そこで生きてゆくわけもありません。
実際には普通に働いていらっしゃいます。

しかし、射手座に重要な星がある人は(射手座生まれとは限りません)、大局的には人や社会との関わりの中で、自らの精神性を高めようとしている、と考えられます。
その高度な精神性へのプロセスが、たとえばある会社の人間関係の中で培われるものであったり、また社会に貢献する何かであったり、高度な学問そのものであったり、またはヨガやタントラ、性の秘儀であったりするわけです。
極端な話、セックスにさえ、精神性の発露と高揚を見いだそうとするのが射手座です。

しかも、射手座は基本的に楽観星座なので、これらの難しげな事柄も、「苦労」してやりません。
何気なく楽しんでやってしまうところがあります。

こんな射手座の生きがいとは、なんでしょうか。
彼はどんな瞬間に、生きていて良かったと思うのでしょうか。

射手座は社会と無縁ではいられない星座です。
会社や集団の中で生きてゆくのが人間というものです。
多様などのような生き方をするのも自由。
その自由の中で、自らの精神性を高め、その高まった力をまた社会へと送り出してゆく。
送り出された力は、社会や人間関係にある影響を与えます。
その自らが与えた影響力を確認することで、射手座はまた自分の存在を確認することができます。

人々の中で自らの自由な精神性を高め、発揮すること。

これこそが射手座的な生きがいではないでしょうか?

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