獅子座的な生きがい |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

獅子座はよく自己中心的とかワンマンとか言われます。
このような性質は、いったいどこから来るのでしょうか?
そして獅子座的な人間の「生きているはりあい」「生きていて良かったと思うこと」とは、なんなのでしょうか?

星座別生きがい論、№5 獅子座。
男性星座。
フィックスド・サイン(不動宮)。
エレメントは「火」です。

エレメントでもようやくこの獅子座で、火→地→風→水→火という順番で一巡したことになります。
ちなみに火のエレメント星座は、かならず男性星座です。
風も男性。
地と水が女性星座に配当されています。

そこでまず着目したいのが、フィックスド・サインと火の組み合わせです。
最初の牡羊座は、カーディナル(創造性)と火の組み合わせでした。
創造→維持→破壊というのが、カーディナル→フィックスド→ミュータブルの流れですから、当然獅子座は火のエレメントを維持という形で発露させます。
火を保持する。
火をただがむしゃらに燃焼させることが目的だったのが牡羊座です。結果、牡羊座はとにかく情熱をこの世に生きてあることにストレートに表現し、体感しようとしていました。そのため燃焼サイクルというものが発生していましたが、獅子座はこの燃焼を持続させようとします。
消えない炎。
輝き続けること。
獅子座の支配星、太陽そのもののように、獅子座は燃え、輝き続けることを一つの目的としています。

獅子座はすでに蟹座に至るまでのプロセスで、この世に生きて存在していることの体感も十分、知識も発達させ、家族などの愛も体験し、情操を身につけてきました。
が、親元でぬくぬくと育った子供も、いつかは「自我」というものが芽生えます。
反抗期です。
権威あるもの、意見に対して反逆的となり、その反抗行動の中で自己を確立させようとします。
人間の成長の中で、これは欠かせない一時期です。

獅子座はちょうどこの自我の発達期に当たっています。
前回の蟹座の項目を読まれた方の中には、「自分は蟹座だけど、そんなに今は親とべったりじゃない。自分は自分だし、自分が一番、親兄弟なんて二の次って感じるけど」と思われる方もいたはずです。
それはおそらく、すでに進行の太陽が次の星座の獅子座に入っているためです。
蟹座の15度に生まれたなら、15年後には進行太陽は獅子座にイングレス(侵入)します。
15才にして、エゴの星座、獅子に入るわけです。
とたんにそれまで大好きだった家族、執着していた人間関係が疎ましくなる。
そのようなことが起きても不思議ではないのです。

家族のウェットな情に囲まれて育った魂も、自立に向けて動かねばなりません。
そんなとき必要なのは、やはり自分を燃え立たせ、奮い立たせること。
家族という小さな集団の中で、埋没しそうな自分を、世の中というものへ旅立たせる。
そのためには絶対に、「自分」というものをはっきりとさせなければなりません。

獅子座がエゴの星座であるのは、このプロセスの過程にあるためです。

私の感じるところ、「自分」というものが非常に強くあるのは、やはり火のエレメントのようです。
火には「霊的」という意味があります。
本来、より高度な存在である霊的な魂が、この世の肉体に宿ったとき、異なる存在が融合するわけですから、そこに化学反応のように発生する出来事がある。
それが「燃焼」なのではないか。
出方はそれぞれに異なっていますが、牡羊座は無目的な燃焼、獅子座は自分のための燃焼、射手座は昇華のための燃焼といった傾向に分けられるような気がします。

魂も一生涯のプロセスの中で、燃焼の形態を変えていく。
そしてその燃焼は、かならず一枚脱皮するときに起きる。
牡羊座→牡牛座→双子座→蟹座のプロセスは、一つの魂を発生させ、定着させ、発展させ、豊かにするためにあった流れです。
その次にあるのが獅子座の、エゴの強化なのです。

自意識の強い獅子座やその支配星・太陽の領域にある職業に、俳優などがあります。
多くの人から注目を集め、賞賛される。
このようなとき、まさに獅子座のエゴは充足します。
舞台の上で自分がスポットライトを浴びていると感じるとき、獅子座の本質が潤います。
なんだか子供みたいなのですが、実際、星座の成長プロセスの過程では、獅子座はまだ成年に至らぬ思春期からの移行期にあります。
大人の目から見たら、「調子に乗って」とか「無邪気なもんだ」とか言われそうですが、だからといって大人は子供が夢中になって輝こうとしている姿を、本気でこき下ろしたりはしないものです。
むしろ、そのような一時期でしかない、すばらしい輝きを眩しさとして感じるでしょう。

獅子座の定位置、5ハウスは創造性に富んでいます。
そして娯楽・遊興といったことにも深く関わっています。
生きていることを謳歌する。
それもまた獅子座の表れです。
そこに影など必要ありません。
ただ喜びに満ちて輝けばいい。

太陽は他の星とはまったく異なります。
自らの力で輝いています。いかに大きく輝いても、木星の光は太陽光の反射に過ぎません。
月もまた同じです。
蟹座の支配星は月なのですが、家族の中で愛情の反射を受けているのがやはりこの時期で、次の段階になると、ただの反射ではなく、自ら輝こうという意欲を示すのが太陽の獅子座なのです。

自らが輝き、自己を完全に確立しようとする獅子座。
この星座が「生きているはりあい」「生きていて良かったと思うこと」。
それは自らの存在の輝きで、他の注目や賞賛を得ることです。
なぜなら「他の注目」とは、自分と外側にいる人間を、ある意味完全に切り離しているからです。
自分と他の人間。
これが完全に分けられることこそ、自我の強化につながるからです。

自分が太陽であり、他の星々とは異なるのだと認識を得ること。
それこそが獅子座の喜びでしょう。

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