たった一つの星さえ輝けば |  ZEPHYR

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ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

今日は朝早くから、娘を大学まで車で送り届けたzephyrです。
娘は一昨日から風邪の症状が出ていて、昨日は9度を超える熱がありました。
今朝は微熱程度に下がっていましたが、大事を取って送り届けることに。帰りは妻の担当です。
今はこの記事を、出勤途中で立ち寄っているマクドナルドで書いています。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ある方にお会いしました。
占星術鑑定で、お会いしたのですが……。

もう後何年かで定年を迎えようかという女性の方。
ホロスコープ・チャートを開いてみると、びっくりするようなハードアスペクトの嵐でした。
さぞかし苦労の多い、変化に富んだ人生だったろうと思い、尋ねてみると、
「えー、でも、あたし、そんなに不幸だとも思ってないし、まあ、普通の人生かなって思ってるんですけど」
意外な答え。
確かに住所の大きな移動とか、変化は多かったようです。
しかし、普通なら離婚や家族関係の問題、仕事や健康上の問題など、いろんなことが起きてもおかしくはなかったのです。

この方は出生時間が不明だったため、精度の落ちる鑑定にはなっています。
よほど出生時間が良かったとも考えられます。
離婚相があるからといって、人は確実に離婚はしません。
実際、この方もありながら離婚はされていません。それどころか、お互いに定年年齢域になって、何となくうまくやっている感じです。
今時の仲の良いご夫婦のように何でも話し合ってとか、そんな感じではないのです。
無口なご主人のことは、あれこれ彼が言わなくても分かっている。
そんな雰囲気が、その女性からは伝わってきました。

それにしてもチャートのハードアスペクトの強さに対して、この人の感じ方は「普通」ではありません。
「普通だというのが、普通じゃありません」

これには一つ、大きな理由があると私は思うのです。
そんなに苦労ばかりしてないとかおっしゃいますが、たぶんこの方の人生を詳しく聞き出していけば、結構大変なことが多かったのだと思われるのです。チャートに示されているように。
実際、お子さんの問題とか、現実に今もあります(この方の鑑定は、二人の娘さんを鑑定した後、依頼がありました)。

しかし、この方は他の人と決定的に違うことがあります。
それは、受け取り方、なのです。

たとえば今時の若い女性だと、結婚後、旦那さんが話を聞いてくれないとか、家事や育児に無理解である、などということがあれば、それはすぐに我が身の「不幸」に結びつきます。
しかし、この方の世代というのはそもそも男性にそのようなものをあまり期待しないという、全体的な傾向を持っています。
世代によっても、解読は変えていかなければならないということなのですね(教訓1)。
今の女性なら「不幸」と認識することが、この方には「普通」なのです。
しかし、同じような苦労はなさっているはずです。
苦労とは思わずに。

逆のことも言えると思います。
たとえば昔風の考えを持つ男性なら、今時の女性が持っている「家事の分担」「子育て共同参画」みたいな考えは、それを押しつけられたら非常に迷惑なはずです。そこに「なんでおれがこんなことをしなきゃならないんだ」という我が身の「不幸」になっていきます。
これはちょっと微妙な話なのですが、私は別に男性の無理解を推奨しているわけでも養護しているわけでもありません(念のため)。

もし「遊びたい」「もっと楽しみたい」「好きなことしていたい」という人が(男女を問わず)、いやな仕事を与えられ、働き続け、家庭に戻れば子供や配偶者に縛り付けられるとしたら、これもまた「不幸」と感じられるでしょう。(注・べつに楽しむことは悪ではありません)
こういう人にも家庭や仕事に関わるハードアスペクトがあると考えられます。
しかし、「仕事がしんどいのは当たり前」「家に戻れば迎えてくれる家族がいるだけでも幸せ」という考えで生活していれば、たしかに仕事上の問題が多いかもしれないし、家族にもなんらかの苦労をさせられるかもしれませんが、それは「不幸」でも何でもなくなっていきます。

私が申し上げたいのは、ハードアスペクトはハードアスペクトに過ぎず、出来事としては変わらずにあるだろう、ということなのです。
そして、それを「不幸」と認識するかどうかは、本人の「受け取り方」にかかっているということなのです。

やはりある程度の人生経験を経た人は(良い意味で)、違っています。
そしてもう一つ、この方からあらためて教えられたことがあります。
この方のチャートの中では、二つ、非常に良好なコンディションの星があります。たぶん出生時間によって、これらが結婚や職業に関連しているのだと思うのですが、このうちの一つが火星でした。
そして、この方は20年間、その火星が支配する領域の仕事を続けてこられているのです。

この火星はハードアスペクトを調停する(喧嘩をなだめる)役割を持っていて、この方のチャートの中でもっとも良い働きをしそうです。
それを無意識に選んでおられた(普通、人は自分の良好な働きをする星か縁のある星の領域の仕事を、無意識に選択していますから、どうやったらそれを選べるか、あまり悩まなくてもいいです)。
そして続けてこられた。

これがこの方の人生を良い方へ導いたと考えられます。

たった一つの星さえ輝けば。
チャートの他の部分のハードアスペクトさえ、補ってしまえるケースもあるのです。

松本清張は水星(小説)にあらゆるエネルギーを集中させ、すべてのハードアスペクトをそこで消化していったような作家でした。
そこまでの偉業を達成しなくても、たった一つの星さえ輝かすことができたら、人は幸福感を得られるのではないでしょうか。
そしてそこから連鎖して、他の部分も光や愛で満ちさせることができるのかもしれません。

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さゆりさんへ。
私はこのところ、非常によく虹を見ます。日蝕の時もそうでしたが。虹の夢も見ます。
虹って、なんだか気分的に幸せにしてくれますよね。

ちぃさんへ。
お互いに超多忙な人生なんでしょうね。好んでそれをやっている。
でも、今日のような記事の女性の人生は、私たちのような者こそ、参考にすべきかも(笑)。