転移するおできの不思議 |  ZEPHYR

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ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

昨日の草刈りの影響で、身体のあちこちが痛いzephyrです。

一週間ほど前のある夜。
「ねえ、背中、なにか刺されるか噛まれるかしてない?」
妻がそんなことを言うので見てみると、妻の背中に隆起しつつある大きなニキビのようなものを発見。
「あ、こりゃ、おできだね。虫とかが原因じゃないよ」
「えー?」
「自分もなった覚えがある。高校生くらいの頃、なんかやたらとおしりや太ももに何個もできたことがある。すごく痛いんだよ」
「そう。痛いのよ」
妻の大きなおできは、すでに芯ができかけています。
よく「腫れ物に触るような」というデリケートな状態の形容をしますが、そのまんまです。
ちょっと触っただけで、妻は騒ぎます。
「どうすればいいの?」
「医者へ行ってみる? 昔、自分がなったときは膿んだところの頭をピンとはねて、ぎゅうっと芯を絞り出されたことがある。これがもう、むちゃくちゃ痛いんだよ」
「えー」
妻はとりあえず抗生成分のある塗り薬でごまかすことにしました。

その後、妻の背中のおできは元気いっぱい、どんどん熟成(?)していき、背中を下に布団で眠れないほどに成長致しました。

「ねえ、気を入れてみてよ」
ある夜、妻が言いました。
「気? 気で治るかなあ」
と言いつつ、手をかざしてみると、
おお、すげえ!
妻の背中のその部分だけが、異様に冷たいのです(身体の不調な部分は手をかざすと、ひやっとしています。まるでそこにドライアイスでもあるみたいな感じ)。
私は「気」を注入しました。
その後、急激に眠くなり(お酒が入っていたせいもあり)、眠ってしまいました。

その翌々日くらい。
私は仕事中に、おしりに痛みを感じました。
(あれ? 部分的に痛いぞ。どっかで打ったかな?)
ちらっと、おできのことは脳裏をかすめましたが、まさかと思っていました。

休憩時間、トイレでちょっとそのおしりの部分にじかに触ってみると……。
あれ……?
これ、例のおできじゃん。

高校生の時の忌まわしい記憶が蘇ってきました。
これがパンパンに腫れ上がっていき、太い芯ができ、椅子に座るのさえ、ひいひい言わなければならなかった時のことを。
「どうしたの。おめー、痔か?」
いやいや、違う! 違うから。
懸命に弁明した日々のことが。

たまりかねて医者へ行くと、「あー、こりゃ、おできじゃね」と先生はあっさり言い、冷酷無惨にも芯を絞り出したのです。
「痛い! 痛い! せんせー、痛いんですけどッ!!
と、思わず叫ぶくらい情け容赦ない絞り出しでした。

「まじ……? 奥さんがおできになったからといって、なにも仲良く自分もならなくても……」
はたと妻に気を入れたことが思い出されました。
まさか、あれで移ったなんて……。
いやいや、きっとこれは同じような食生活をしているから、なんかそういう条件的なものでなったんだ。

そう思うことにしました。
帰宅して妻に見せると、彼女は「あれー、ほんとだ。いっしょだ。あたしね、気を入れてもらってから急に良くなったのよ」と仰います。
え……? そうなの?

あー、しかし、これがビンビンに腫れてきたら、さぞかし痛いんだろうなあ。
ここ2日、憂鬱でした。
ところが。
昨日になって、おできはにわかに萎み始めました。

あれ? なんかもう収まってきてる。

普通なら芯ができて固くなっていくのですが、そこへ至る前に消滅しようとしているようです。
薬も飲まないし、塗り薬もつけていなかったのに。
なんじゃ、こりゃ。

もしかすると、絶頂期の奥さんのおできクン、気を入れたことで私の身体に少しばかり転移したのでしょうか? その分、妻は楽になった。
その分だけだったので、激しく膿むこともなかった、とか???

分かりません。
私は「気」は出せますが、その道のスペシャリストではないので、このへんのメカニズムがどうなっているのか、想像するかありません。

皆さん、「気」の出し過ぎには注意しましょう。

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