<かくして破滅は回避される>の続編です。ちょっと間が開きましたが。
ちょっと復習です。
トランスサタニアン(冥王星、海王星、天王星)は、人類全体にも個人にも破滅的な事態を招来しやすい。
使われない星は、具体的な事象や人物となって人の前に現れる。
ゆえに、トランスサタニアン(とくに冥王星のような破滅的な星)の力を使ってやれば、人類も個人も破滅的な事態を免れる。
そのためには、個人が生き生きと創造的な人生を送れば良い。
これが今までの流れでした。
結構難しい論旨の積み重ねだったかも知れないのですが、結論はきわめてシンプルです。
自分のやりたいことを熱中してどんどんやっている人間は、それだけ創造活動を行っているわけです。自分の人生というものの創造を、より創造的な形で。
当然、トランスサタニアンの星の力も消化されているわけで、その人には「破滅的事態」は発生しにくくなっているはずです。
わかりやすく、私のケースで説明すると。
普通、文学は水星の守備範囲です。これに金星や海王星が加わると、芸術性などが加味されていき、土星や木星が関与すると社会性が発揮され、火星が関与すると技術性が向上し、天王星が参加すると独自性や合理性が強まります。
つまり、水星と他の関連星のコンビネーションで、その作家のどういったジャンルの小説に傾きやすいか見ることができます。恋愛小説を書くのか、耽美小説なのか、それともホラー、幻想小説、SF小説、はたまた社会的な問題を取り上げる小説を書くようになるのか。
実は冥王星には、「推理小説」という項目が星の意味自体の中にあります。
私が推理小説を書き始めたのも当然の話で、冥王星が非常に強力に機能する人間だからです。
もし私が推理小説を書くことを完全放棄したら、私は「破滅の星」である冥王星の復讐を受けるかも知れません。
もっとも、厳密には冥王星は占星術にも関連しているので、それだけが引き金にはなりません。
小説も、占星術も、まったくしない人間だったら、私は冥王星の持つ「負」の部分、それこそ犯罪者にでもなったかも知れません。
しかし、今現在の状態は少なくとも、私に冥王星の有効な使い方を実践させているものだとは言えるでしょう。十全とは言えないかも知れませんが。
ホロスコープ上に表されている星々は、その人の様々なパワーやカラーを示していると考えられます。
その人が十全に生きていけば、それらの星々はすべて輝きを増す。
しかし、生ききれない状態になると、星々は曇り、その力は内向し、様々な不調を引き起こします。
時には身体のコンディションであったり、人間関係であったり、仕事のことだったりします。
生き生きと輝いて、創造的な人生を送ればいい。
結論は単純です。
が、現実の中では、なかなかそうもいかないことが多いのもこの世の中です。
たとえばあなたの上司が、こんな人間だったらどうでしょうか?
自分には甘く、他人に厳しく、部下のあらや失敗ばかりに目を光らせている。下からの意見はろくに聞く耳を持たず、自分からの意見ばかりを一方的に押しつける。その結果が悪くても、責任は取ろうとせず、悪いのは全部他人、いいことは全部自分の手柄――。
どうでしょう?
こんな上司、あるいは社長の下にいたら、社員は働く気になるでしょうか?
どんどんやる気がなくなって行くに決まっています。
多くの人が辞めていくでしょう。
しかし、いろいろな事情で転職もできない場合、その職場にいる社員たちは、「もう勝手にしてくれよ」的な無気力に落ち込んでいきます。
このとき、社員たちは自身の創造性を、この職場においては発揮できなくなっているわけで、星々は曇った状態にあると考えられます。
そこから悪循環が生じ、さらに悪しき出来事が連鎖していくようになります。
ある一定の限度を超えたら、トランスサタニアンが働くようになり、その部署全体、会社全体が危機的な状態に陥ることになります。
この状況は、何かに似ていませんか?
そう。
今この地球に生きている私たちです。
もちろん、みんなが無気力に曇っているわけではないのですが、たとえば私たちの政治に対する姿勢はどうでしょうか?
誰がやっても同じ。
どうせ、良くはしてくれない。
希望を持てる余地がない。
何を言っても、聞いてはくれない。
上からやりたいことを押しつけてくるだけ。
皆さんの全部がそうだとは申しませんし、異なる考えの方もいらっしゃいます。
しかし、全体的風潮として、このような空気が国民にはあるのではないでしょうか?
日本の政治だけではないはずです。
温暖化が進んでいき、様々な環境に異変が起き、利権や宗教、人種の違いからテロや戦争が起き続けているこの現実、人類絶滅兵器を多数の国が保有していて、いつそれが使用されるか分からないようなこの地球に住む多くの人が、変えようのない上位(国家や指導者たち、経済を掌握する一部階級)の意志の下で、どうしようもない無力感に襲われがちなはずです。
思慮深い人ほど、そうした感じに陥りがちかも知れません。
けれど、私は申します。
無気力こそが、もっとも危険なのです。
無気力になれば、トランスサタニアンはいっさい使用されず、その暴走を招くと考えられるからです。
ですから、自分の職場状況ばかりでなく、政治や地球のことにしても、まずあきらめてはダメだということです。
思うようにならなくとも、私たちは心の中だけでは誰の支配も受けず、自由です。
私たちは1人1人が、革命を起こせます。
星々すべてに点火し、それらを燃やし、輝かせることができます。
そのためには、まず無気力の海から抜け出す必要があります。
より良い状況を希望しましょう。切望しましょう。
私たちが必要とする人、事象は、どこかに必ず用意されています。
私たちが本気で望めば、それはきっと実現します。
個人の暮らしにも。
この地球の明日にも。