なににシンクロして生きていくか |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

最近、夕陽が西に沈むと、茜色を残しながら上空は藍色に変わっていく空に、ぽつんと光が現れるのを見ることができます。
宵の明星、金星です。
そしてほどなく、金星のさらに上空にひときわ大きな輝きを見つけることができます。
木星です。

これらの星は、太陽の光を反射しているだけですが、太陽系内の比較的近くに存在する星ですから、遠くの恒星たちよりも輝きが目立っています。
今夜あたりだと、金星、木星のさらに延長線上に半月からふくらみかけた月を発見することができるでしょう。

私は仕事が終わるのが、だいたい夜の11時かそれを過ぎることが多いので、それから車を走らせてまわりにほとんど光のない山村の我が家に戻ると、屋根の上に今ははっきりとしたクロス型の星座を見ることが多いです。
白鳥座――。
満天の星空を見上げていると、魂がそこに吸い込まれそうな錯覚に陥ることがあります。
何光年も彼方から到来する星々の輝きは、ただもうそれだけで無条件に神秘的でロマンチックです。
これから寒くなってくると、大気が澄んで星が見えやすい日も増えると思いますので、皆さんもたまには星空を仰いでみて下さい。

そうそう、天文年鑑によると、今夜は海王星食の日です。月が海王星を隠してしまうのですね。海王星を肉眼で見るのは無理でしょうが、19時~20時頃、月を眺めて下さい。そしてその背後に海王星が隠されているんだなあと想像してみて下さい。
古代の人は、たぶんこうやって星空を観測し、その時々に起きる出来事を経験的に知ることで、占星術というものを編み出していったのでしょう。
もちろん、占星術でも今夜、月と海王星は合(0°)です。
月と海王星はどちらも水の星座の支配星で、かなり近似した性格を持ちます。人間の感情、情緒に働きかけるのです。この二つの星が重なると、それが倍増されると見ますので、世の中にも「感情」が原因となる出来事が増えると見ます。
感情的になってしまったがために起きた事件とか、個人でもその場の雰囲気に流されるとか、誘惑を受けるとか、つい魔が差すといったことが生じやすいのが今夜です。
意味もなく不安に襲われるといったこともあるかも知れません。
ご注意を。

ところで、ノーベル賞、すごいですね。
物理学賞に南部、小林、益川の三氏。化学賞に下村氏。
大変な快挙です。2008年後半期の占星術予測を立てたときに、「日本はこの時期にこれまでに蓄積していた『正』の要素を見返りとして受けられる」ということを書いたのですが、これらはまさにそれに該当すると思います。
もっとも勘違いしてはいけないのは、星があったからこれら諸氏が受賞した、ということではないということです。それは諸氏の努力を軽んじる見方です。

私も予測記事を書く中で、よく「○○のアスペクトがあるから××が起きる。△△が引き起こされる」というような書き方をしますが、あれは一種の言葉のあやです。たしかにそうした側面があるのですが、チャートに示されている運気と現実の存在(人間)は表裏一体だと感じます。
良いことにせよ悪いことにせよ、なにもかも星や運気のせいにしてしまうのは、とんでもない間違いです。それをとことん突き詰めていくと、星があるのだから自動的に受賞できるとか、それ以外の人は受賞できないとか、そんな理屈になってしまい、私たちはこの世に生きて努力する意味を失ってしまいます。

思うに、これはシンクロ、共鳴の問題ではないかと思います。
たとえば今年、日本には「正の見返り」が来るという、一種の電磁波のようなものが流れ込んでくるとしましょうか。それに共鳴できる人間は、やはりそれだけの努力を積み重ねてきた人間だけだということです。
たしかに<組織の長たる運気とは?>で書いたように、その人が持つ運気と辿る人生、表れる性格などには何らかの関係があるように思えます。
しかし、人はそれぞれに自分の人生を選んでいるはずで、それには無意味なものなどないはずです。問題はその人がどういう人生を望み、何を成したいか(もしくは成したくないか、と言うことまで含め)ということに関わっていて、あえて不利な条件(たとえば弱い運気)で、大きな仕事を成すという非常に困難なことにチャレンジする方もいらっしゃると思います。

それが「成果」として表れるかどうかは、本当に本人次第なのではないでしょうか?
それぞれのおかれたコンディションで、それぞれがベストを尽くす。
人生はそれで良いような気がします。

なににシンクロして生きていくか。
道を踏み外すことなく、愛と光にシンクロしたいと思い、また反省することも多いzephyrでした。