2012年の真相(個人的見解ですが) |  ZEPHYR

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<2012年の大局的見通し>の続編です。

占星学上、興味深いことの一つに、新たに発見された天体については、その発見後の効果を重視し、未発見時にはその効果はなかったとする考え方があります。
「??? つまり、見つかってないときは、その星は影響力がなかったってこと? 未発見だっただけで、すでにそこにあったのに?」
そういうことなのです。
「そりゃ、おかしいだろう。人類が見つけていようが見つけていまいが、あったことには変わりないのだから、昔の人間や出来事にも当てはめて考えるのが普通だろう」
ごもっともです。
この考え方については、まだ個人的には研究中なので結論的なことは避けたいのですが、じつは物理学には似たような理論があります。
「量子論」です。
それによると、「物質を構成しているミクロの世界では、すべてが曖昧な状態に保たれていて、人間が『観測』することによって、はじめて粒子として収束し、その位置を特定できるようになる」というのです。私は専門家ではないので、上手に説明できていないと思うので、興味のある方は「『量子論』を楽しむ本」(佐藤勝彦 監修 PHP文庫)を読んでみて下さい。難しい理論を大変わかりやすく解説してくれています。
これは単純に言うと、「人が見るから、そのものがある状態でそこに存在するようになる」ということです。
つまりものの存在に、人の認識が関わっているということですね。物質的な感覚では、人が認識しようがすまいが、モノとしてそこにあるものは無関係にただそこにある、というのが普通です。しかし、量子物理学の世界では理論的にも、また実験でも立証された、純粋に科学的な事実なのです。

そういう意味では、未発見時の星は人が認識していないのですから、機能していなくてもおかしくはないのです。
え? なんでこんな話をしているのかって?

もちろん、2012年問題のためです。
じつは2012年頃に、強く働きそうな星が二つあります。
冥王星と天王星です。破壊と再生の星、冥王星(破滅、絶滅という意味もあります)と変革、分離、アクシデントの星である天王星。かなり強烈です。どちらも人間によっては、比較的迷惑な出方をしやすい星で、「凶星」に分類されていますが、前に書いたようにこれらの星がなくては、個人生活にも社会にも大きな変化、根本からの刷新というのは望めません。
太陽系の遠軌道を周回する星ですから、二つの星がアスペクトを結ぶのも間隔が開きやすく、一度結ばれると結構持続します。
正確には、2010年の4月から2016年の7月頃まで、この二つの星はアスペクトを結びます(許容角の取り方によっては、もう少し限定されるとの見方もあります)。しかも、そのアスペクトというのはスクエア(90度)という凶角ですから、これは結構厳しいものがあります。もともとの性格がどちらもきついのに。
まあ、たとえて言うと、マフィアの親分と急進的革命家が、街の曲がり角でぶつかってしまうようなもんです。片方はマシンガンを手に持ち、片方は胴体にダイナマイトを巻いている……。

この二つの星の作用は、おそらく断続的に地球に厳しい(と感じられる)ものをもたらすでしょう。地震というのもあるでしょうし、大きな災害や事故、それも普通の感覚以上のものが考えられます。たとえば宇宙空間での事故とか、チェルノブイリのような原子力発電所の事故、または核戦争……。
いたずらに危機感をあおるつもりはありません。このシリーズ記事の最後に、解決策を提出するつもりなので。

このアスペクトが有効期間中に、人類は大局的には「危機」に直面する可能性がある、と思います。あらゆるアスペクトの中でも、これほど星の組み合わせだけで単純にそれを示すものも少ないのです。
この期間中のどこかで突然に何かがやってくるのか、それとも徐々に変化が起こっていくのか、そこまではちょっと今の時点では分かりません。
しかし、前記事に書いたように、人類に根底的な刷新が起きるのは、冥王星・蠍座世代がもっと力を持つようになってから、というのが私の大きな流れの解読です。

その意味では、2012年前後に人類が滅亡するような事態は考えにくいのですが、他の三つの世代(冥王星・獅子座、冥王星・乙女座、冥王星・天秤座)が持つ総体的な運気も楽観できるものではないようです。局地的な戦争、穀物などの食糧問題、現行の国家体制、あるいは国際連合など体制の破綻といったことも、最悪では考えられます。あくまでも最悪では。
しかし、すべては可能性に過ぎません。

なにか、もっと手がかりはないのだろうか?
2012年の前後にある、冥王星・天王星のアスペクト下で起きることを暗示する手がかりは?

そう考えていたとき、ふと自分自身のホロスコープ・チャートを思い浮かべ、はたと気づくことがありました。自分で思いました。なんというお馬鹿さん。
過去、二度だけ、冥王星と天王星が強いハードアスペクトを結んだ時期があったではないか。
それも、そのうち1回はあらゆるアスペクトの中でももっとも強力に働く、コンジャンクション(「合」=0度)という形で。


冥王星が発見されたのは、1930年です。このとき、すでに冥王星は天王星とハードアスペクトを結んでいて、このときもスクエアでした(それ以前のアスペクトは考えません。冒頭で述べた理由に拠ります)。
日本は大陸へ進出し、きな臭い匂いがぷんぷん漂い始めたファシズムの時代です。
世界中が第二次世界大戦へ向けた準備に入っていたような時代です。
第二次世界大戦勃発は1939年から。そのときには、このハードアスペクトは消えていました。

そして二度目。それは私の生まれた1962年から68、9年頃まで続いた、冥王星と天王星のコンジャンクションです。
コンジャンクションは星が重なる現象のことで(日蝕のように視覚的に完全に重なることはめったにありません)、あらゆるアスペクトの中でもっとも強力に作用します。
このとき、世界はどうだったのか?
真っ先に思い出されるのが、1962年のキューバ危機です。米ソの全面核戦争一歩手前まで行った(つまり人類滅亡の手前)、あの出来事を思い出さずにはおれません。
しかし、回避された。
そして、一方で世界の盟主への道を歩もうとしていたアメリカ合衆国では、この冥王星・天王星のコンジャンクション下で、ある計画が進められました。

アポロ計画です(1961~72)。
そして69年にアポロ11号で月面着陸に成功します(これをNASAやアメリカ政府の偽装だと疑問視するむきもありますが、計画が推進され続けたことは歴史的事実です)。

冥王星が発見されてからの世界の成り行きは、これは全体的に言うと非常に厳しいものです。
第二次世界大戦は、その最終局面で核(原子爆弾)が使用されました。そういう意味では、はっきりと時代を分ける戦争だったと言えます。人類絶滅兵器が、絶滅という意味さえ内包する冥王星の出現と共に開発され、使用されるに至ったわけです。
米ソは競って開発を進め、人類を何十回も滅ぼせるだけの核弾頭を保有。そして冥王星と天王星がコンジャンクションになったその年(62年)、いきなりもう破滅の崖っぷちまで行ってしまったのです。
これはもう、狂気の沙汰としか言えません。

「おいおい、そうすると、ヤバいんじゃない、これ。だって、次は2010年から冥王星と天王星の凶角なんだろ? てことは、本当に核戦争が起きるんじゃないか」
そう心配される方も、大勢いらっしゃると思います。
しかし、ここに歴史は重要なことを私たちに教えてくれます……。

第一に言えるのは、JFケネディ大統領があのきわどい国際緊張と、星々のハードアスペクトの下で、おそらく人類の中ではじめて核戦争を行うか否かの判断を迫られ(核の一方的使用ではなく、相互の核戦争)、ぎりぎりの瀬戸際で賢明な判断を下し、戦争を回避したということです。
その英断と勇気に、私は今この時代から賞賛を送りたいと思います。
この事実は、どんなに危険な状態になっても、理性を最後まで失わず、勇気を持てば、道は開かれる(=核戦争など回避される)ということを示しているからです。

たしかに2010年以降、核戦争の危険は高まると思います。しかし、私たちはそんな世間や国際情勢に悲観し、あきらめてしまってはいけないということです。
私たちの思いは(生きたいとか、幸せになりたいとか、愛する者を守りたいといった思い)、かならずどこかで為政者に伝わるはずです。

ただ――。
もしかすると、この時期、中東や、あるいは別な地域で限定的に核兵器が使用されるかも知れません。
しかし、そうなってもこの2010~16年の期間中に、人類全体が破滅するようなことはあり得ない、と思います。
その根拠は?
これがケネディ大統領の次に言える、二番目の希望です。
じつは冥王星・天王星のハードアスペクトの時期に核が使用されたことは、現実には一度もないのです(核実験はあります)。広島・長崎の原爆もそうです。
では、このハードアスペクトの特徴と言えるものは、他にあるのか?

あります。
このハードアスペクトは、核だとか地震だとか、悪しきことばかりに働くのではなさそうです。
天王星は、天と地を結ぶ作用のある星で、ゆえに航空機やロケット、宇宙工学なども司ります。
そう、アポロ計画を思い出して下さい。
冥王星は関係を持った星の能力を極限まで絞り出そうとします。
イメージとして言えば、冥王星と天王星の組み合わせは、それまでの枠組みなど破壊して、あらたな地平に立とうとするような運気です。つまり、このアスペクト下で、人類は地球という枠を超える努力をしたということを意味しています。

宇宙へ。
これを行ったアメリカとソ連の宇宙開発競争とか軍事利用計画とか、そういうことは、この際、些事です。人類史的地球史的な観点に立てば、この時期、人類はこれまでの生活圏を飛び越え、信じがたい神秘の世界へ踏み出していったことになります。

とすれば、2010年以降。
あらたな宇宙史が幕を開けるのではないか。
ハードアスペクトなのも当然。
それには大変な困難や危険がつきまといます。
そういう観点に立つと、2012年にマヤ暦が終わるというのも、なんとなく意味深です。地の歴史が終わる。もしかすると、そうなのかも知れません。

そして、ここでもう一つ、前回の冥王星・天王星のコンジャンクションの終わりごろから、精神面で起こったムーブメントがあります。
ニューエイジ・ムーブメントです。
人間の精神的可能性や、あらたな価値観を認め、文明の進歩と発展ではなく、調和や平和を志向する思想。それがニューエイジ思想でした。その中には、今のカルト宗教の母体となった怪しげなものも含まれています。
しかし、そのムーブメントの中には、たしかに人類全体の新しい精神的可能性を見出そうとする意欲があったように思われます。
私はニューエイジ思想を賛美するわけでは決してありません。が、大局的にはこれが一つのきっかけだったとしたら?
そう考えるだけの根拠は、占星学上、あります。
天体のコンジャンクション(合)は、二つの星の間で交わされる契約、男女関係で言えばセックスのようなものです。その時、あらたな意志、意欲、傾向、宿命、そういったものが生み付けられるのです。そしてそれはスクエア(ハウスで言えば4番目の部屋=家庭)となる90度の位置関係において、現実として産み落とされ、オポジション(ハウスで言えば7番目の部屋=結婚)180度の関係で一つの極に達して、膨張宇宙が収縮宇宙へ転じるように、収束へ向かって動き出します。再びスクエアになるとき(10ハウス=成果)には、次なるターンの芽が暗示され、再びコンジャンクションとなるときには新しい宿命が宿されるのです。

そう考えたとき、私たちは1962年からスタートした、あの受精、受胎の時に戻らなければなりません。冥王星と天王星が誤差なしの0度となったその時へ。
その時はいつだったのか――。


それは1965年10月10日です。
冥王星と天王星は乙女座の17.16度で、誤差なしの合となっていました。
対向サインの魚座にある土星(試練)と、厳しい対立を示しながら。

「間違いない、これは……」
発見したとき、私は息を呑みました。
冥王星と天王星のサビアンシンボルは、「ウイジャ盤(西洋こっくりさん)」です。
このサビアンシンボルは、現実世界(乙女座)に生きていた人物が、対向サインである魚座の影響を取り入れながら、別な視点を手に入れ、それを活用しながら生きていこうとするシンボルなのです。
つまり、唯物論と唯心論の対立のようなものです。しかし、唯物論では立ちゆかなくなってしまったからこそ、新しい可能性を精神世界に見出し、それを現実の中で生きた知恵として使おうとする、それが「ウイジャ版」です。

冥王星と天王星の合ほど、未知なる可能性、潜在意識や魂の覚醒を促すアスペクトはないと言えます。それが「ウイジャ盤」で誤差なしで起きていた。

思いを馳せて下さい。
冥王星と天王星の合が、再び巡って来るのは、およそ100年も先の話、2104年のことです(あくまでも現在の軌道計算からの算出。100年も先のことになれば誤差も生じします)。
1965年から計算すれば、139年後のことです。そのサイクルの、約四分の一ところへ、私たちは今さしかかろうとしています。
そしてこの冥王星と天王星のスクエアのところで、合のときに生み付けられた「意志」「宿命」は現実的になると考えられます(=世に生まれる)。

なら、2012年問題(を中心とした時期に起きてくる問題の中身)は?

ぎりぎりの状態におかれた人類の、精神的な覚醒である可能性が高いように思われます。
それはこれまでの唯物論、物質主義のみではなく、現実に量子論が示唆するような人の認識や精神活動の力を取り込んでいこうとする努力だと思われます。
今、2012年問題でさかんに言われているアセンション――次元上昇――ですが、イメージ的にこれに近い出来事はあるように思われます。しかし、それは人類の精神の中に起こる、と私には思えます。

世の中は何も変わらないように思えるかも知れません。いや、むしろ悪化していき、今度はキューバ危機をさらに拡大したような危機が起きるかも知れません。
今後こそダメだ、とみんなが思うときがあるかも知れません。
しかし、そんなときこそ私たちは自分たちと人類の未来を信じなければなりません。

そのときにこそ、人類の覚醒は促される、というようなプログラムがもしかしたらあるのかも。
そんな気がします。

私たちは滅びない。
私たちの定めの彼方には、無限の宇宙(精神)が広がっている……。


追記というか蛇足というか……。

まず一つ。
2012年までに、私たち個人ができる対処法は、次回に譲ります。ちょっと書くのが間に合いません。

次。
今回の解読を通じて判明したことがあります。
それは2010年以降の冥王星・天王星のアスペクト時期に、もっとも大きな影響を受けるのは、冥王星が乙女座に入宮していた世代(1952年~71、2年)のうちでも、天王星と合であった1962年から68、9年までの世代であろうということ。
今、社会的にも重要な位置にある年齢層ですから、社会に大きな変化があれば影響を受けるのは当然ですが、占星学的な法則には出生ホロスコープに示されないことはその人の人生には起きず、出生ホロスコープに描かれていることが時を得て実現する、というのがあります。
そういう意味では、冥王星と天王星の関係を生まれながらに持っている上記の世代は、いわゆる2012年問題の時にもかなりの被害や変化を経験することが多いように思われます。
逆に言えば、この時期の主役は、私と同世代(と、それより6~7才下)の世代なのです!
私たちが今この世界を牽引し、動かさねばならない(エッヘン)。誇りを持ってその時に望みましょう。

そういう意味でも、冥王星・天秤座、冥王星・蠍座世代は、まだ次の出番を待っている状態です。ですから、私たちの活動をよく見ていて下さい。
良いところも悪いところも。

それからもう一つ。
前回の冥王星・天王星のコンジャンクションの誤差なしの日、1965年10月10日から次の誤差なしのコンジャンクションである2104年4月24日まで、一年を365.25日として計算すると、50600.6日あると思われます(私の計算が間違っていなければ)。
このサイクルの四分の一が重要なのですが、厳密に計算すると四分の一ちょうどは2000年の5月末になります。しかし、星のアスペクトには許容角という誤差を容認する範囲があります。
そういったものまで考慮すると、年だけの計算では、ざっと1999年というのも出てくるのです。
そう、あのノストラダムスの有名な予言にある1999年です。

前世紀の重要な事件は、まるでその場にいて見てきたように予言していたノストラダムス。しかし、1999年に彼の予言したように「恐怖の大王」は、世の中に降らなかったように思えます。そして世界は破滅もしなかった。
彼の予言の的中率は、今話題のジョセリーノのようないい加減なものではありません。
十分に有意な偏差があります。
ノストラダムスがなぜ1999年を重要な年と見ていたのか。
今回の解読を通じて、あらためて認識した気がします(その年は、本当に真の意味での人類の変革が起きやすい年だった)。


ノストラダムスが実際に住んでいた家は現存しており、その屋根裏には次のような言葉が残されています。人類が新しい知恵と力を得て、危機と破局を乗り越えたら、その先には……。

「燃え上がる創造、地球のような宇宙、宇宙のような地球」

私たちはすでに1999年を乗り越えています。
その先には?