2012年の大局的な見通し |  ZEPHYR

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ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
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 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

昨日は久々に大学の教壇に立ち、なぜか講堂のマイクが不調で、後ろの方にまで届かせるためにしっかり声を出していたら(久々ということもあり)結構疲れてしまったzephyrです。

<世代に運気がある>の続編です。
冥王星は1983年の秋から蠍座にイングレスしました。そして抜け出たのは、阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件の起きた1995年です。
この間に誕生した方は、現在25才から13才という年齢域です。
この方たちの中には、すでに社会に出て活躍されている方も大勢いるわけですが、まだ中学生になったばかりという方もいらっしゃいます。しかし、すでに自意識というものには目覚めているでしょうから、この世代の影響は社会全体に徐々に出始めていると思います。
この世代と、その手前の冥王星・天秤座世代、さらにその手前の冥王星・乙女座世代、もう一つ手前の冥王星・獅子座世代の四世代が、ここ数年間の動向を大きく左右すると思われます。
なぜか? まだ社会に出るにはほど遠い未成熟な年齢域と、いわゆる定年したりなどの理由で、社会の表舞台から総体として(あくまでも総体、個人は別)引いていらっしゃる年齢域の方々については、この場合、あまり重視しなくて良いのです。
なぜかというと、今はここ数年の(とくに2012年の)問題を見極めようとしているので、その大きな社会的な流れを見ようとしたら、必然的に現在、社会的活動を担う中心的な世代を見ていくことになります。もちろん、人類全部をということになれば話は違ってくるのですが、2012年に起きることは人類の滅亡などではないということを、私はすでに<千の果実こそエデン>で述べさせて頂きました。とりあえず18~60才までに分布しているのは、上記の四つの世代だということになります。

冥王星・獅子座世代は団塊の世代の方々がそうであるように、定年を迎えられて、引退される方が増えています。1956年が冥王星が獅子座から次の乙女座にイングレスした年ですから、この年が最後の冥王星・獅子座世代ということになりますが、この方たちもすでに52才です。
今現役で働いていらっしゃれば、企業の中でもかなり上のクラスになっていらっしゃったり、または企業経営をなさっていたりと、もっとも社会的に成熟した年齢域に入っています。
2012年までに後3年ちょっとあるわけですが、この頃にはさらに現役の方の数は減ってきているだろうというのは、ごく当たり前の話です。
したがって割合としては少ないのですが、社会的地位は高いと、総体として考えられます。
運気を解読する上で、無視はできません。

次の冥王星・乙女座世代はこれを書いている私を含む世代で、現在の社会の中でもっとも重要な役割を演じている可能性が高いはずです。56年~71、2年(冥王星が一度後退してまた乙女座に戻った時期があるため、イングレスが2回発生)が冥王星・乙女座世代です。52才から37才。

冥王星・天秤座世代。71~83年。37才から25才。この年齢意識の人々は、社会の中で中堅どころの役割を総体としては演じているでしょうか。もっとも活動的なグループとも言えるでしょう。

そして冥王星・蠍座世代が、その次のステップに控えています。

2012年問題を考えるときに、これらの世代の人々が全体的に経験することをイメージすれば、起きることのアウトラインがつかめてくるかも知れません。
ところで今さらですが、なぜ冥王星に絞ってやっているのかというと、人間の生活や生き方を根底から刷新する星は、今のところ冥王星しかないからです。2012年頃、わりと大変な運気になっている人が世の中に多いという事実も合わせて考えると、やはり大きな流れとしては何かが起きるのだろう、と。そしてそれほど全体的な影響を与えるのは、もっとも遠い冥王星が中心になっている可能性は高い。
こういう考えです。
では、その四世代の体験しやすい全体的傾向として、2012年を解読すれば、だいたい以下のようなアウトラインが浮かび上がってきます。

2012年を中心として、その前後に起きそうだと思われる予測(たぶん前後2年くらいを考えればよいと思います)。
まず獅子座(太陽支配)の象徴する権威、王権(=政府や国家)のうち、いくつかが根底的な刷新を迎える。現政府や現体制、また金融や経済のシステムなど、国家を支えている土台や骨組みが解体され、作り直されるということが起きてきそうです。すべてではないと思います。しかし、これは世界的な見方をしなければなりませんから、現在、もっとも世界を支配し、権威を持っている国家、アメリカに起きる可能性が高いように思われます。
またフランスやイタリアも、アメリカに次ぐくらいの可能性があります。
もっとも軽い可能性としては、いくつかの国で現与党が失墜し、政権委譲が行われる。これらが世界的傾向として現れる、というものです。早めに社会や国の体制を刷新した方が、このときの衝撃に備えられるという気がします。

乙女座の象徴するものは、具体的には労働環境や健康といった問題がありますが、これは背景に「自己研鑽」を行うサインだからというのがあります。次の天秤座の時に、人は「結婚」するわけですが、その準備期間には「働き」「健康管理」をしっかりとし、精神面も含めて出会いに備えなければなりません。そしてもう一つ、穀物の問題があると思います。これは乙女座が地母神の星座だからです。
実際、これらの事柄はすでに表面化していますね。私を含む世代が社会の中心部分に入った頃から、さかんに健康ブームということが言われ出し、それまでの終身雇用制度は崩壊していき、労働環境はまったく違ったものへと変わってきました。
そして今、穀物の問題が起こってきています。

天秤座の象徴するものは、<世代にも運気がある>で申しましたように、結婚というのがあります。これは対人関係や協調、バランスのサインですから、社会制度としての結婚の変化が徐々に起きてきます。夫婦関係というものが根底から見直されていく可能性があり、その契機となるのが2012年を中心とした時期なのかも知れません。ただ、これは一挙には起こらない、やはりこの世代が結婚から縁遠くなる年齢に達するまでの間に、段階的に起こっていくだろうと思います。
どちらかといえば、「協調」「バランス」の方が国際的には気になります。今の国家間のパワーバランスやパートナーシップといったものが見直され、変わっていく可能性があります。その前提には、バランスの崩壊というのがあるでしょうから、ここが気になります。
崩れたら、争いが起きるというのが、今の世界情勢です。そういう意味での戦争は起き得ると思います。

蠍座。これは不可解で、深遠なサインです。一般的には生と死を司るサインといわれ、しかも冥王星は蠍座の支配星です。つまりこの世代の持つ冥王星は、普通の冥王星ではなく、力が倍加されたものだと解釈できます。
つまり純粋に冥王星が持つ性質が、非常に強化されて表現される可能性があります。
破壊と再生が、この星の特質です。原子力、核、テロ、地下活動、地震といったものも暗示します。蠍座世代が社会の中心部へ入っていく頃(あと10年くらいでしょうか)には、これらの問題を私たちはさらに見るようになるかも知れません。
「えー、今よりひどいの? そりゃないよ」
そう思われるかも知れません。しかし、逆にことも言えます。この世代の人達が中心的活動を行う時期に、上記の問題はやはり「根底から刷新される」のです。
つまり、テロや核問題なども全解決に向かう可能性があります。

しかし、まだ冥王星・蠍座世代は社会の中で、大きな力を持つには至っていません。2012年までには、まだ3年ちょっとありますが、それでもまだ不足でしょう。
彼らの台頭は、ちょうど冥王星・獅子座世代の引退と連動して発生します。蠍、獅子、どちらも不動宮で、不動宮はある程度その後の傾向を固定してしまうので、国家主導のこれまでの世界は、もっと大きな一体性のあるものに導かれていく変遷を物語るのかも知れません。前にも述べましたが、蠍座の欲求には「一体化」したいというものがあります。
世界が一体化するには、国家が対立し、乱立している状態は邪魔です。
こうした流れが、やがては世界統一政府を樹立する動きへとつながっていくのではないかと推考します。そして、それは蠍座世代が引退する頃までに、実現するのではないかというのが、個人的な読みです。

それはまだずっと先の話ですが、今25才の蠍座トップグループが、たとえば60才になるのに、35年かかります。私が80才頃まで生きていれば、その世界の変遷を見定めることができますね。
皆さんの多くも見ることができるかも知れません。

このような変化は、星の力が勝手に引き起こすのではありません。
これらを背景に持つ世代の力が牽引し、実現していくのです。
世界の究極的変化は、おそらくこの蠍座世代の動向と活動時期に関わっているように思えます。

さて、2012年問題ですが、こうした世代的な流れを見ていくと、たしかに冥王星・蠍座がすでに世に出てきていることを考えれば、あまり楽観視はできないということはありますが、それでもまだまだ「破滅」など起きないように私には思われます。
たしかに大きな変化の波は来ます。それは社会的国際的なものもあるでしょうし、ごく精神的なものでもあるかも知れません。
今、アメリカの経済・金融は大変な状態になっていますが、恐れることはないと思います。たしかにアメリカの経済はダウンし、当分は立ち直らないかも知れません。

しかし、あまり恐れることはないと思います。用心するのと怖がるのは、まったく別です。
恐怖感の中で右往左往しても、事態は何も変わって行かないでしょう。
私は<意志こそが運命を変える>で述べたように、個人個人がまわりの人と協調し、愛を交感して生きていくことこそが重要で、その集積は世界の命運も変わると考えています。つまり、私たち1人1人が幸せになればいい。

その考えには変わりがありません。
が、次回は、2012年そのもののチャートを解読した上で、こうした大きな運気のうねりに備えて、まったく別な方法で私たちが対処できる方策があるので、それについて述べてみようと思います。

jinja129さん。
温かい励ましをありがとうございます。そういったお声が聞けて、とても嬉しいです。