ボランティア・プロフェッサー3年目、前期5回目の講義を終えて。 |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

石の上にも三年、などという言葉がありますが、やはり何事も3年ぐらいはやってみなければ、はっきりとした成果や手応えは得にくいのかも知れません。
今年、大学の講義は今までとは違った手応えを感じるようになりました。
これまでは目先にあるものをとにかく消化していこうという感じでしたが、今年は前期講義なら前期講義の全体像というものが、私に見えています。
そしてその中で、今日行うべきこと、というのが見えてきています。

小説で言うなら、全体の構成と各章節の役割といったところでしょうか。
私もようやく講師として、まともな小説が書けるようになってきた?(苦笑)。

それが生徒たちにも伝わるのでしょうか?
今年は異様に私語が少ない。たまたまそういう生徒さんが集まったという見方もあるかも知れませんが、やはりこちらの「揺れ」は聞いている方にも分かるようです。
居眠りしてしまう生徒は、まあ、私は容認しています。それによって、配られたプリントの設問にうまく答えられないなどの結果を受けるのは自分ですから(そういったことが評価にも影響する)。
しかし、私語は真面目に聞こうとしている生徒さんの邪魔になります。
これを、一々こっちが注意しなくても、講義力そのものでなくしてしまおうというのが、私の理想とするところです(面白い映画を見ていて居眠りや私語なんかしないように)。

完全になくすることは難しいでしょうが、今のところ今年の前期は理想に近い状況の中で進展しています。静聴してくださる生徒さんたちに感謝。

今年はまず例年通りの自己紹介とアンケート、常識をひっくり返すような事例の提示を行い(生徒さんの固まりかけている頭を柔らかくするため)、反応を見ながら、三週目の履修確定した段階から本格的な講義に入りました。
「いま会いにゆきます」を使用し、教えるのは「伏線」について。
この伏線が推理小説の生命線のようなもの。それを、純愛小説を題材に教える。
GWで二週間もブランクができたにも関わらず、この講義はかなりの理解を生徒さんたちに広げることに成功したようで、こっちとしては狙い通り。
前回5回目の講義でも、学んだ伏線というアイテムを手に、いよいよ教材である拙著「ノー・ソリューション」を使った冒険の旅に。
「ノー・ソリューション」に収録されている、福井県を舞台とした「消滅した夜」に関する制作苦労話なども交えながら、生徒さんたちの推理力を試すクイズなども出題。
力を入れるところ抜くところ。
ピッチングもいつもいつもまっすぐばかりじゃ、打たれてしまう。
変化球ばかりじゃ、醍醐味がない。

3年目のマウンドに立ったピッチャーは、それなりに考えて投げているものです。