江原バッシングについて |  ZEPHYR

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一部マスコミで、「江原バッシング」が始まっている。
スピリチュアル・カウンセラーである江原啓之氏がTV番組の中で行っていた霊視に誤りがあったことがきっかけで、雪崩を打ったようにこの現象が起こっている。
江原氏も神様ではない。人間なのだから、間違いくらいあっても当然だ。
しかし、最初から霊だの輪廻転生だのオーラだのを否定的に考える人にとっては、たった一つの間違いも許し難いらしい。
こんな完全無欠性を、バッシングしている本人も求められたら困るだろうに。

私は個人的に江原氏が本物だとか偽物だとか、判断は下していないが、たぶん違うんじゃないかなと思っていた部分はいくつか存在する。
私は飯田史彦先生が複数の著書の中で紹介しておられる、欧米の科学者たちが行っている生まれ変わりに関する科学的なアプローチと、その研究報告の方を信じている。
退行催眠による前世記憶、中間生記憶の回復や臨死体験での証言、嘘をつくいわれのない幼児が、生まれる前の記憶を持つ事例など、これらの証言の中に共通した特徴があれば、これらは真実であろうと判断するのが理性的な態度だろう。
そして、それらが教えてくれる事例には、江原氏が日頃、提唱していることとは異なる事実も報告されている。

ただ、だからといって私は、江原氏がエセ霊能力者だとは思わない。

なぜか?
実は私はこれまでの人生で、霊能力者に何度か接触しているのだ。
「えー? そいつらは本物なの?」と、思われるのが普通だろう。
力のあるなしを本物か偽物かの判断材料にするのなら、私の知るそれら複数の霊能者は「本物」だった。
そういう力がないと、説明のつかないことが、彼らはできるのだ。

たとえば昨夜、私が何をしていたとか。
遠隔地で起きていることを知るとか。
未来の予知もそうだ。
それは非常に鮮明で、リアルなものだ。その力が現実に影響を及ぼすこと、現実を透視するものであることが、はっきりと分かるものであり、たとえばどこかの祈祷師が祈祷したら病気が治った…だけど、それが本当に効いたから治ったの?…というような疑問符がどこかに残るような代物ではない。

まったくそういう力がないと、彼らの言動は説明のつかないものになってしまう。
たとえ唯物主義者で、非常に懐疑心が強い人物でも、プライベートをずばずば言い立てられ、他人が知りうるはずがないことまで指摘されたら、最後は唸るしかないだろう。
それでも拒絶し、「嘘だ! トリックがあるんだ!」と叫ぶ人もいるかも知れないが、それはどちらかというと感情的な問題で、理性的な態度とは言えないだろう。

私はそういう霊能者との接触が過去にあるので、そのような力がこの世にないとは、とても言えない。むしろ人から尋ねられたら、「ある」と答えるだろう。
ただ――。
力の有無と、その人物の人間としての品性は別物だ。
これも、はっきりと指摘できる。

霊能者の中には、その力を私利私欲に使い、人を騙そうとしている者もいる。
私は現物を見ているので、それもまたはっきり警告しておきたい。
そういう人たちには、やはり一見して、「おかしいな」と感じる第一印象があることが多い。
しかし、なによりも顕著なのは、次のような特徴がある。

脅しを使うことである。

「この家には不成仏霊が何十も寄り集まっています」→「だからお祓いをしなければなりません」
「前世の悪因のためにあなたの男運は悪いのです」→「前世であなたが働いた業罪の浄化しなければなりません」
「家相や墓相が最悪です。そのままでは様々な凶事に見舞われるでしょう」→「いい墓石を作り直しましょう。家相が良くなるようにリフォームするか、改善されるようにまじないをしましょう」
「きちんと供養をしていないから、ご先祖様が怒っておいでです」→「正しい供養をしなければなりません。それにはこれこれこれだけのものが必要です」

詰まるところヤクザと同じである。
脅して、自分が利益を得るように持っていくのである。
ただいきなりこんなことを言われても、人はなかなか信じない。そこで霊能力の出番となるのだ。
「あなたにはこういうことがありましたね」
「今、こんなことをされていますよね」
「お家の中に、こんなものがありますよね」
サイコメトリや透視、あるいはテレパシックな能力で相手の思考や感情を読み取り、指摘する。
普通の人ならびっくりして、「この人、すげー」ということにもなる。

しかし、繰り返し強調するが、品性を欠いた霊能者が使うのは、かならず脅しだ。
そして相手から利益を得ようとする。

私は数多くの人の占いをしながら、その中で上記のような言い方をしたことは一度もない。
ただ、人の運気を読む過程で、起こり得る未来(その中には当然良くないものもある)を指摘し、それを変えるように促すことはある。
本人の意志と選択で、人生は簡単に変えられるからだ。

神は本人にクリアできない試練は与えない、という言葉がある。

ともあれ、今起こっている「江原バッシング」は霊能が嘘か真かを問題にしている部分が大きいようだ。
私は霊能はこの世に存在すると知っているので、「霊能力すべてがインチキだ」という意見で攻撃する立場には、はっきり反対である。

個人的には江原さん、とてもいい人に思えるのだが?