もう少しで、危険な時期を脱することができる。
というのは、私の運勢の問題。
じつは今、空を巡っている火星は、私の太陽に対して180°の凶角を成している。
私は普段、あまり自分の日常の運勢など気にしないのだが(意外に思われるかも知れないが、そんなことを気にしていたら生きていけないというような考え方に、個人的にはより近い)、ちょっと前にある人の占いをしていて、その人の月に対して火星が180°になっていることに気づき、警告を発したら、すでに遅かった。
その方は、感情(月)が激しやすい(火星)状態になっていて、もうすぐにスイッチが入ってしまうスタンバイ状態どころか、すでに何度もスイッチを入れてしまった後だったのだ。
太陽や月に対して火星が凶角で入ってくると、わりと意味もなく頭にきてしまう状況に陥りやすい。
私が自分でも注意しなければ、と考えたのは、その方の月のすぐ近くに私の太陽も星座上、位置しているからだ。
こりゃ、他人事じゃない。
次は我が身だ。
私は一見、仏様のように見られてしまうところがあるのだけれど、実はそんなことはない。
家内や娘に聞いてもらったら分かりますが(個人的に接触のある方は聞いてみて下さい)、結構、不機嫌になりやすい人間なのだ。
とにかく17日から月末までは気をつけよう。
そう心に決め、カッカしないように過ごしてきた。
実際、ここ1週間ほどは、わりとこっちの怒りをかき立てそうな出来事が多かった。
しかし、わかっていたので、「これこれ、きたきた」みたいに思ってやり過ごしてきた。
ところが――。
世の中、そんなに甘くはないのである。
火星と太陽の角度が、もっとも誤差がない時期になって、ホテルの職場(バー)にとあるお客さんがやって来た。
ヤクザ屋さんである。
「はー、こう来たか!」と、正直思った。
火星は暴力の星だ。
ずばり、暴力団を目の前に引っ張ってきたわけだ。はは、こりゃ、すげーや。
とはいえ、私もホテルマンとしてそこそこの年期がある。
たとえ暴力団といえども、うまくやり過ごすくらいのことはできる。
どうということはなく、終了。
もうすぐ火星は我が面前を去る。
まだ安心はできないが、こうして考えると、運命は簡単に変えられることができると分かる。
火星の刺激に任せて、カッカしていたら、私は家内や家族との間にも不和をもたらしていただろう。
しかし、それは今回、無関係なところで生じ、私の前を過ぎていこうとしている。
それを選んだのは、私だ。
意志と選択で、運命は変えられる。