クチコミネタ:大切なわが子、どう育てる?
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しばらく前のことになります。
以前、非常に短い間ですが、いっしょに働いたことのある男性、S君からいきなり電話が入ってきました。
「あの、zephyrさん、じつは僕、前に占いしてもらったことがあるんですが」
S君といっしょに仕事をしていたのはだいぶ前で、私は同僚を好意で占ってあげたりしていた。プロになるかなり前の話だ。
「ちょっとまた占ってほしくて……じつは前にzephyrさんに言われたとおりになってきたみたいで」
「というと?」
私はそんな昔にS君に言った内容などすっかり忘れていました。近況を聞かされると、どうもS君、最近、できちゃった結婚をしたらしい。しかし、その後、妻の態度が豹変。「愛してなんかいない」と言われ、どうやらもう離婚しそうだと。
「つまり私は、君がだいたいこれくらいの時期に結婚するって言ってたって事だよね」
「はい。それにもしかすると離婚するかもしれないって」
なるほど。予言は実現したわけだ。
S君と奥さんの占いをすると、これはもう奥さんの方に大変な問題があることが判明。
「別れるのは仕方ないんじゃないか」という結論でした。
しかし、問題は子供。私には奥さんにはとても子育てはできないだろうと思えました。S君の方が引き取った方が良いとは思ったのですが、どうやらそれでも向こうのご両親も含めて、子供を取り込んでしまって手放しそうにないとのこと。
できちゃった結婚は最近、半分当たり前にみたいになってしまっていますが、実際にはこういう事も起こりがちです。せめて相手の本性が見えてくるまでは子供を作らないくらいの配慮はほしい。
迷惑を被るのは子供です。
こんな事を書くのは、最近、人の親とは思えない親の姿をよく目にするからです。
ちょっと前にもレンタルショップで、子供の甲高い叫び声が聞こえたので、覗いてみると、その棚では男の子がヒーローもののDVDを手にとっていたが、そばに立っている母親がこれがもうすごい怒った形相で、どうやら子供の頭を小突いたらしい。
しかし、子供は「いてえ!」とかいいながら、そんな母親の仕打ちにも慣れている様子。母親は「―ったく、もう、いつもいつも……」と子供に向かって憎しみさえ感じさせる毒づきをしている。
見ていて気分が悪くなりました。
ホテルのレストランで働いていたときには、やはりどうしようもない親の姿をよく観察させて頂きました。
ホテルのフレンチ・レストランというのは、そもそもファミレスなどとは異なります。騒ぎ立てる子供は連れてこないのが基本的なマナーです。
しかし、泊まりのお客さんなど、そうもいかないことも多い。
食事が終わるまでの、1時間~2時間、おとなしく座っていろというのは、子供にはなかなか難しいものです。歩き回りたい、奇声を発したい、遊びたい。これは当然です。
そんな子供より、私は子供を放置している親の方に強い腹立ちを感じました。
動物園のようになってしまったレストランで、迷惑なのは静かにお食事をしたいお客様方です。
せめて子供を(小声で)しかるなり、あるいはどうしようもなければ、大人が交代で抱いてやるとか、そのくらいのことはしないといけません。
根本的には、普段の生活の問題になってくるのですが、親が親としてきっちり子供を抑えられるだけのものを持っていないと、こんなときコントロールがまったく利かないのです。
それができないのなら、やはりこういう場を利用するべきではないでしょう。が、こういう状況を作り出してしまう親御さんというのは、往々にして「他人の迷惑になっても平気」なのです。だから、そんなこと考えもしない。
もっとも中には、すごくよくしつけられたお子さんもいて、びっくりさせられますが、やはりそういうお子さんの親御さんは、ものがよくわかってらっしゃいます。少なくともこういう場ではどうしなければならないのかわかっていて、そのことをちゃんとお子さんに教えてらっしゃいます。
私たちの子供はすでに大きくなっているので、このような悩みはありません。それに結構、小さい頃から親のいうことをちゃんと聞く子でした。それでもごく小さな赤ん坊の頃などには、私たちはフレンチ・レストランなどに行くことはしていないですし、外食するときはそれがどこであろうと、他の人の迷惑にならないように交代でだっこしてやっていました。
最初の子供ができたとき、私は27でした。
未熟でした。いろんな意味で。
しかし、子供という愛すべき自分の分身ができたとき、初めて人の愛というものを本当に知ることができたように思い、子供を育てながら自分自身を親として育ててきたように思います。
もちろん、まだ未熟。
でも、今なら逆にもっと良い子育てができるようにも思います。きっと、本当に子育てに適した年齢というのは、中年以上なのでしょう。
そういう意味で、昔の大家族制度だった頃の日本では、年寄りが孫やひ孫の面倒を見てやれたので、良い面もたくさんあったのでしょう(私自身、そういう環境で育ちましたし)。とはいえ、そんな状況に戻るはずもない。
それに私が最近よく目にしている「親とは思えない親」たちが、年を食ったらいい子育てができるようになるのかというと、うーんと唸らざるを得ません。もちろん個人差があろうかと思いますが。
どこかで目覚めてほしいものです。
愛すべき私たちの子供。
どうやって育てるか。
それは自分自身の育て方にも関わっているように思います。