珍しく落ち込み気味の日々 |  ZEPHYR

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ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

このところ落ち込むことが多い。

私はプラス思考の人間のはずで、そうそうめげたりはしないのだが、やはりプラス思考100%というわけにはいかない。

それにプラス思考100%の人間がもしいたら(なかなかいないと思うが)、その人間は小説家にはなれない。

なぜなら物事をいいようにしか考えられないわけだから。

自己満足のために書くものならいいが、人様に読ませることを前提とした小説は、少なくとも無理だろうと思う。人が読んで面白い小説が書けるというのは、「不安」を力にしているからだ。

ちょっとした言い回しやストーリー展開、それを読んだ人が面白く受け取ってくれるかどうか、どう感じるかということを我々は考えながら小説を書いている。この背景には「不安」がある。


自分が書きたいことをただ書きたいように書き殴るのでは、読者を引きつけることはできない。自分の行為をどこかで不安に感じ、内省するというフィードバックが必要だ。

これはどんな仕事でも同じだろうと思う。一人でこつこつとする仕事なら他人との接触も少ないと思うが、たとえば農家で野菜を作る、陶芸家が茶碗や花器を作る、こういった行為の端々にも、野菜を買う人間、仕入れる人間、茶碗を使う人間、陶芸家の商品を自分の店で売る人間といった人々との関わりがある。

彼らの目、彼らの都合というのは、絶対に無視できない。


こうしたことを無視して創作を行うのは無理だし、やったところでいいものはできないだろう。

だから「不安」は否定すべきネガティヴ感情ではない。

むしろ必要なものだ。


そうはいっても人間、この「不安」に取り込まれる時期もある。

そうなると始末が悪い。

私の場合、前に「寝る」ことが解決方法だと書いたことがある。

実際、そうだ。

しかし、最近は魔法の呪文を唱えることにしている。


「すべては良くなる」


そして I さんが送ってくれた本に「ありがとうございます」を唱えるといいということが書いてあったので、これを実践することにした。

自己暗示でも何でもいい。

言葉にはたしかに力がある。

その響きが人に影響を与えるのも事実だ。


だから今日も唱えよう。

「すべては良くなる」「ありがとうございます」