運勢は変化するものとしないものがある。
これは以前、「運命を変える力」で述べた。
ある時期、その人に働く星の力は変わらない。たとえば25才頃に結婚運があるとか、ここ一年ほどの間に事故運があるとか、そういうものだ。
それは天気予報と同じで、明日が晴れるとか、明後日は雨になるというのと同じだ。
占星術師はその運気の変化を読むことができる。
しかし、その運気の下でどのように過ごすかは、その人次第でどうにでも変わる。つまり人は自由に人生を選択できるわけだ。
誰と過ごすか、何をするか。
これは非常に大きな問題なのだ。
火星が絶好調になる時期を迎えようとしているスポーツマンが、それまでの歳月、熱心に鍛錬をして過ごしたとする。するとその火星の絶好調時、スポーツなどで好成績を残せる。これは道理。
そうでもなく手抜きの日々を過ごせば、まあまあ程度の成績に留まる。
しかし、前者と後者ではその時点ですでに立っている場所がまったく違うことに気づくだろう。
好成績を挙げた彼は年俸が上がり、良い生活を送ることができ、独身だったら彼の実力や人気に惹かれて素晴らしい女性が伴侶として現れるかもしれない。
まあまあの成績のケースは・・・まあ、それなりにということになる。
人は生きている過程で、自らの意志で刻々と状況を選択している。たとえ無意識にでも。
そして選択された状況の中には、様々な人間、様々な存在、様々な出来事がある。
これは無限に変化する。
気象予報士は気圧配置を見て、予報する。
占星術師はホロスコープを見て、予見する。
そしてここが重要なところなのだが、気圧配置は変化する。
変化すれば。予報も変わる。
では、占星術師は?
ここがポイントで、通常、占星術師はその人個人のホロスコープしか見ない(個人を中心にした年運とかそういったもの)。
相性なら2人分を見るが、そうでない場合、個人だけを見ていることが多い。
占星術は非常に高度な占いなのだが、ここに欠点がある。
ホロスコープは出生時の天宮図なので、変化しないのだ。年運などを調べるときには一定の法則に基づいて変化させるが、その変化の流れ(何年にどういう星が来るとかいったこと)そのものは決して変わらない。翌年来ると予想された星が、来なくなることはない。
占星術師が翌年の予言をするのは、気象予報士が気圧配置を見て、「明日は雨です」というのと同じようなものだが、それはつまり個人の運気だけを問題にしているので、近づいている低気圧だけを見ているのと同じなのだ。
しかし、全体を見ているわけではない。
なんらかの要因で気圧配置が大きく変化したら、個人の運勢は大きく変わることがある。
じつは最近、この事例を目の当たりにした。
ある女性から以前、相性占いを受けた。相性は悪くはない。
しかし、本当にその2人がうまくいくかどうか、相性の善し悪しだけでは論じることはできないのだ。
最高の相性の2人が別れた事例も見たことがある。
特に人間関係は、無限とも言える変化を起こすことがある。
(相性についてはまた別な機会に述べるとして、今は「変化」だけに絞っていく。)
私は明確で具体的な答えを得ようとするときには、タロットを使う。
このタロットが不気味なほど当たる。
この今使っているカードたちには、ほとんど絶対に近い信頼感を持っている。
その時、その女性の相性占いについて、カードの答えは否定的だった。
その女性はそれ以前にも占いをし、身体のコンディションを崩している部分があり、早めに入院して手術を受けるようアドバイスをしたことがあった。
その女性がこの度、退院してきた。
そして前占いを行った男性との相性をもう一度、カードに尋ねたのだ。
すると。
今回は非常によい結論が出た。
しかも、カードは状況が好転した理由まで示していたのだ!
手術を受けたこと。それによって状況が好転したため、相性まで変化したと示す配置になっていたのだ。
これには絶句した。
しかし、考えてみれば人間の心と体は密接な関係がある。
心理状態が病気を引き起こすこともあるし、身体が健全になれば心の持ちようも変わる。
彼女の場合、身体の状態が良くなったことが、自分自身の心までおそらく変化させたのだろう。
具体的には彼女が入院などしたので、彼のほうも彼女への気持ちにはっきり気づくなどの効果もあったのかもしれない。
つまり彼女を取り巻く気圧配置が大きく変化したのだ。
これによって2人の男女の未来が変わった。
しかも、最初の相性占いの結果が最終的な結論でないことは、じつはその占いの時にシンクロニシティによって示唆されていた(このブログの記事、「ある日のすんごいシンクロニシティ」を参照してください。この女性はその中に登場する人物で、彼女に関連して普通では考えられない偶然の一致が起きていた→私には「これで終わらない。まだ何かあるぞ」という囁きに思えた)。
「運命を変える力」で私は、私たちはパズルのピースだと述べた。
それは形、大きさが無限に変化するピースで、だからといって形が変わったらはめ込まれなくなるものではない。
ピースの一つが変わったら、全体が変化する!
彼女は変わった。
だから変化が起きた。
世界が、未来が、変わったのである。
どうやら彼女は、はっきりと身をもってそのことを教えてくれたらしい。
私の友達、タロットのカードたちは、テーブルの上に自在に展開し、過去、現在、未来を示してくれる。それはちょうど気圧配置のようなもの。
その変化をキャッチし、またあらたな可能性を示唆してくれる。
なんて頼もしい、すごいやつらなんだろう。
もっとも彼らを一番頼もしく思っているのは私ではないかもしれない。
私という存在を媒介にして、彼らに尋ね事をする人たち。
その人々は近頃、私に会いに来るのではなく、カードたちに会いに来ているようなのだ。