運命を変える力 |  ZEPHYR

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ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

この記事は以前UPしていたものの再掲載ですが、自分が占った人によく読んでもらっていることと、携帯電話などからでも簡単に読むことができるよう、定期的に読みやすい位置に再掲載することにしました。


占い師としてよく受ける質問に、一度占ったことは変わらないのか、何ヶ月か何年か先に占ったら違った結果は出ないのかというものがあります。

じつはこれは「変わるものもあれば変わらないものもある」と言えます。

第一に「未来は何も決まっていません」。

これは真実です。現代の物理学はそこまで究極の世界像を解明しています。未来を正確に予測することは、じつは不可能なのです。

もちろん、ある程度は予測可能です。

たとえば見通しのきかない狭いカーブへ、上からと下から猛スピードで走ってくる車が二台あることを空から観測していれば、その二台が正面衝突することは、誰にも容易に予測できます。

しかし、まだどのようにも変え得ることを、あたかも決定事項のように言う占い師がいたら、その人は不勉強です。


未来は何も決まっていない。どのようなことでも起き得る。

これが素晴らしい私たちの住んでいる世界の真実です。

もし未来が決定しているのなら、生きる意味などないでしょう。決まり切ったストーリーをただなぞらえていくだけの人生など味気ないものだと思いませんか。

しかし、科学はすでにこの世の最小単位の世界で、宇宙のすべては非常に不確定で、予測など不可能であることを突き止めつつあります。しかもその結論では、一個人の人間が世界の創造に深く関わっているというのです。

未来にはどのようなことでも起き得ます。

たとえばあなたが今、特におつきあいしている人がいなくても、二ヶ月後には良い人に巡り会って結婚していたなんていうことも起き得ます。どんなにその気配、予兆がなくても。

しかし、「変わらないもの」もあります。

占星術や四柱推命で見ることのできるのは、その人の「運気」です。それによって性格や起きる出来事を予測します。そして何年頃にはこういう事があるとか、結婚はいつになりそうだということをある程度予言できます。

つまりその時、その年とかで、あなたが持っている「運気」は変わらない。

これは天気予報みたいなものです。明日が雨になる。明後日は晴れになる。一週間後には台風が来る。

天気はデータの積み重ねで予知できます。それと同じことです。

占星術などは天気予報よりもはるか先まで運気を読むことができます。おそらくその人が死ぬまで。

では何が「変わるもの」なのかというと、それはあなた自身の意志と選択なのです。


人間の人生は意志と選択の積み重ねで作られていきます。とりわけ「意志」「考え」というのは、その人の人生に考えていることを創造させます。良いことを考えれば良いことが起きる、悪いことを考えれば悪いことが起きるという精神法則について書いた本がいっぱいありますが(マーフィの法則など)、あれは当たっているのです。じつは前述したように、現代物理学(量子物理学)は人間の考えが世界を創造している、現実を作り出しているという結論に行き着きつつあります。

悪い運気の時に結婚したら、その結婚は失敗するのか?

結婚運がないときには絶対に良い縁に恵まれないのか?

NOです。

前に占ったご夫婦で、二人ともはっきりと離婚相を持つご夫婦がいました。私がそのことを指摘すると、ご主人は思い当たったことがあったのか「よし、わかった。おれはぜったいに離婚しない」と断言され、そのご夫婦は今もいっしょに暮らしておられます。

またある男性は「別れ」が起きそうな時期に、ある女性と結婚しました。普通ならその時期の結婚はなかなかお勧めできません。

が、彼は今もその女性と仲良く暮らして、二人のお子さんまで健やかに成長しています。

彼がどうして「別れ」を体験せずに済んでいるのか。

それは彼が奥さんを愛すること、彼女を幸せにすることを常に選択し続けているからです。


「運気」よりも「意志」「決断」の方が強く、その意志による「選択」が非常に重要なのです。

雨の降る休日(運気)、あなたはどうしますか(意志)。外出しますか、それとも家にいますか、誰といっしょに過ごしますか(選択)。

一つの運気の下で、あなたがどのように生きるかはあなた次第でどうにでも変わります。その時誰といっしょにいるか、どのような環境で暮らすか、どんな職場にいるか……。


したがって、数ヶ月後に占えば、結果が違ってくることはあります。

こういう変化については、占星術などよりも易やタロットなどの占術が敏感に答えを出してくれます。そして私は占星術とタロットの両方を得意としているので、目の前の問題には(どっちを選択したらいいかとか、今後どうなっていくのかなど)タロットを使い、長期的なもの、その人の基礎的なものを見るときには占星術を使います。


「おいおい、でも、俺はいつもいいことばかり考えているけど、いい事なんて起きないぜ。宝くじに当たりたいと思っているし、可愛い女の子と知り合って結ばれたいって思ってる。なのになぜそれが実現しないんだ。おかしいじゃないか?」

という質問も、当然あろうかと思います。

まず宝くじに当たりたいと思うくらいじゃ、とうてい実現しないでしょう。それでは、まったくゆるいのです。

宝くじに当たることを迫真の現実として、あたかもすでに起こったことであるかのように確信できたなら、その人は宝くじに本当に当たるかもしれません。しかし、心のどこかで「どうせ駄目だろうな」とか思っていたら、その潜在的な意識の方が強く、たぶん宝くじに当たるのは無理です。

可愛い女の子と知り合って結ばれたいと思うのは、願望です。欲望です(宝くじもそうですが)。

願望というのは、まさに欲しがっている自分そのものの状態になることです。

それは裏を返せば、何も持っていない自分がいることを認めてしまうことになります。

可愛い女の子と知り合いたい自分が常に創造され続けてしまいます。皮肉なことに。

それに可愛い女の子と知り合っても、心の中で「おれなんかだめだよな」と思って、自信も魅力もなければどうにもなりません。


人の考えが世界を創造し、実現させていくなら、潜在的に不安に思っていることもまた実現します。経営がうまくいかず破産しそうな会社の社長が、本当に破産の不安ばかり毎日抱いていたら、会社破産という現実を創造することになるでしょう。

特に毎日毎日繰り返し想念すること、気をつけて自分をチェックしてみてください。

悪しき未来を想像していないか。

自分なんかダメだと思っていないか。

そう思い続けていたら、本当にそうなります。

そして逆また真です。

良き未来を純粋に無邪気に信じたら、それは実現します。

世間の常識、通念、そんなものにまみれた私達にはなかなか難しいことかもしれません。

でも、毎日少しずつでも良い想念を増やしていけば、それに引き寄せられてその現実は目の前に現れます。

これが運命の転換方法です。考えを変え、自分が変われば世界が変わる。

ところで。

この世には理不尽な出来事がいっぱいあります。いわれのない暴力に苦しめられる人、犯罪の被害者、圧政に弾圧される人々、飢餓の中で死んでいく子供たち……。

「それじゃ、彼らもそうした出来事を創造しているのか。彼らがそういうことを考えているから起きるのか?」

こういう質問も飛んできそうです。


まずこう考えられます。

同じ星、同じ生年月日の同じ時間に生まれた子供がいても、まず環境が違えばその人生の意味はまったく違ってきます。同じ運気が巡ってきても、アフリカの難民として存在するのと、ヨーロッパの大都会で暮らすのでは、その意味がまったく違います。難民の子はその日、救援物資のささやかな食料にありつけて、新しい服を与えられたことに無上の喜びを感じるかもしれません。しかし、パリで暮らす別な子はその日、親御さんからゲームソフトかパソコンなんかを買い与えられるかもしれません。

これが現実です。

理不尽です。

理不尽ですが、私はここにも「意志」と「選択」があるように思います。

なぜか?

この世は人の「意志」と「選択」によって創造されていく。それが究極の真実であるならば、それは人がこの世に生まれる瞬間にも、同じ「意志」と「選択」による決定が行われているのが当然だと思うからです。


つまりアフリカの難民の子は、まさにそのような環境、境遇を選択して生まれてきているのではないか。

ただ私はそれを彼が前世で悪いことをしたからとか、カルマだとか、そんなことはまったく思いません。

人がこの世に生まれてくる意味。

それはおそらく生まれてこの世で体験するためではないか。

その必要とする体験のために、ある特定の環境を選択して生まれてくるのではないか。

そのために起きる理不尽な事件もある。本人が絶対に望んでいないようなことでも。


そう思えるのです。

なぜそう思うようになったかというと、これまで数多くの夫婦、家族の占いをしてきたその結果によります。

離婚する夫婦。今ではとてもたくさんいます。離婚してしまった男女は、かならずといっていいほど、どちらもがもともと離婚の星を持っています。つまり以前どんなに愛し合っていたとしても、その二人はお互いに離婚しそうな相手をわざわざ選んで結婚しているのです。

だから、離婚が起きる(これを意志で変えることはできます)。

そして、離婚した二人の間に生まれた子供が三人いたとします。

この三人の子供の運気を調べると、全員、「家庭運が悪い」のです。

当然といえば当然です。

親が離婚するような状況で、家庭運がいいわけがない。


「この子供たちはこの二人の間に生まれたから、家庭運が悪いんだろうか…。しかし、生まれた瞬間にはまだ夫婦は仲が良く、離婚する気配はまったくなかったはず。しかし、生まれ持った運気で家庭が壊れるように出ている……」

私はずっと悩んできました。

しかし、世界が「意志」と「選択」によって創造されるのなら、その最初の「意志」はどこから来るのか。

当然、生まれる前。

つまり人間の意識は、死によって消滅せず、永遠に存在する。

ということは、輪廻転生もまた真実なのだ!


だとすればその子供たちは、自分たちを不幸な境遇に落とした両親を場合によっては恨むかもしれないが、彼らはその境遇、環境を選択して生まれてきたことになる……。

自分たちが必要とする体験だから。

そう考えたとき、初めて凸と凹が完全に組み合わされるように、パズルのピースがすべてぴったり合って絵になるように作られているこの世の現実が納得できたのです。


私たちはパズルのピースの断片です。

そしてすべては完全です。

それがどのように不完全に思えたとしても。

そしてそのパズルのピースは、生まれた瞬間にある程度の形が決まっていますが、生涯絶対に変わらないものではありません。そのピースはどのようにも形が変わります。大きくもなります。

そして一つのピースが変われば、隣り合っているピースだけでなく、全体が変わります。


あなたが変われば、きっと世界が変わります。

全てを変える力。

その魔法をあなたは生まれながらに持っているのです。