ここ数年ハマっているもの |  ZEPHYR

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ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

それは一枚のカードから始まった。

お正月の初詣で賑わう参道には、多くの出店が並んでいた。綿菓子、イカ焼き、お好み焼き、たこ焼き、串焼き、ドラえもんから最近の仮面ライダーまでずらりとそろったお面・・・。

そんな中、ちょっと変わった店が出ていた。


子供達の間で人気沸騰中のカードゲームのカードをばら売りしている店だ。

それも超のつくレアカードばかり。

どのカードもぎらぎら輝いていて、文字は金だ。

「すげー」と嬌声を上げ、駆け寄る子供達。

どれも一枚500円。


彼は思った。くだらない、と。

しかし子供達は夢中だ。お年玉で買っていいかと尋ねてくる。

まあ、自分のお金で買うんだからいいかと許可し、眺めていた。


と、その彼の目に一枚のカードが飛び込んできた。

こちらを見据える鋭い目、悪魔のような、それでいてどこか聖なるものを感じさせる異形、拳は握りしめ、腕を胸の前でクロスさせている。


彼は思った。

「こいつカッコいいじゃん・・・」


そのカードは他のと同じようにぎらぎら輝いており、上部に金の文字でそのカード名が記されていた。

「マジシャン・オブ・ブラックカオス」


それがそのカードの名。カードに描かれているモンスターの名だった。

魔法使い族。属性は闇、レベル(星)8。


「カオス-黒魔術の儀式」により降臨。

場か手札から、星の数が合計8個以上になるようカードを生け贄に捧げなければならない。


そのようにテキストには記されていた。なんだか痺れる。カッコいい。


彼はついふらふらっとそのカードを、子供と一緒に買い求めていた。


それが全ての始まりだった。

「遊☆戯☆王 デュエルモンスターズ」という原作漫画とアニメ、そしてカードを販売しているコナミの術中にずっぽりとハマってしまった自覚はあったが、彼は今やその遊☆戯☆王のカードゲームについて、子供達よりも遙かに知り尽くしている。

自分のデッキ(ゲームをするために構築されたカードのセット)をいくつも作り、ルールは常にチェックして、新しいカードが発売されたらすぐに買い求める(しかも箱買い)。

こないだもジャンプの応募者全員プレゼントの企画で、子供を含め、3人分応募したプレミアムパックが自宅に届き、「アルカナ ナイトジョーカー」が手に入った時に、うれしさのあまりつい「やったぁ」と声を上げ、奥さんに好意的ではあるが呆れたような目で見られた彼。


すみません。

その「彼」は私です。


はあ? って感じかもしれませんが、私は押しも押されぬデュエリストです。

遊☆戯☆王のカードゲームのスペシャリストです。


たぶん大会に出てもいいとこ行くでしょう。

毎年催されている世界大会優勝者の発表されたデッキを作って、自分のデッキで対戦しても負けず劣らずの対戦が可能なほどの強力なデッキを持っています(常に改良を重ねている)。


こういう親ですから、一緒に日常的にデュエルしている子供達(2人)は、とにかく強い。その中でも私が今のところ一番強いと思われる(エヘン)。

だから、子供達はそんじょそこらの友達とそのカードゲームをしても、もうまったく問題にしない。

圧倒的に強い。


遊☆戯☆王のカードゲームは、「モンスター」「魔法(マジック)」「罠(トラップ)」の3種類があり、さらにその3種類にはいくつか細分化できる性質のものがある。それらを組み合わせ、合計40枚以上のデッキを自分で構築し、ライフポイントの増減をかけて対戦する。

勝敗の半分近くは、このデッキを構築する段階で決まる。いかに強力なデッキを作るか。

このテーマにも、いろんな種類のカードがあるので、何十何百というアプローチの仕方がある。


メインテーマはどのようなカードでどのような勝ち方をしたいか、である。


それに沿って、いろんなデッキを構築する。

これがなかなかに心休まる一時だったりする。


今の私の道楽、それがこのカードゲームです。