名探偵の名はなぜカキクケコなのか |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
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 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

ちょっと前にある本に出会った。


黒川伊保子さんの著書で『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』(新潮新書)という長いタイトルの本だ。




この本が長年私が抱いていたある疑問に回答を与えてくれた。


その疑問とは、




名探偵(刑事も含む)にはカ行の名が、なぜか多いように思える。


金田一耕助、神津恭介、明智小五郎、御手洗潔、栗本薫、加賀美敬介、加賀恭一郎・・・。


これは一例に過ぎず、もっともっとあると思う。




もちろんカ行のない名探偵もいるのだけれど、個人的な好みなどを除外して、名探偵のスター的存在には、なぜかカ行が欠かせないように思える。




黒川さんは日本で唯一、発声方法などから音の持つ質、性格を解読し、ビジネス上で成功するネーミングを研究されている方で、その論理は非常に合理的であると思った。


黒川さんの著書の中で、K音には「硬さ+強さ」「曲面+回転」「乾き+スピード感」が共存していると述べている。金属的で鋭い。


このK音の質こそが、犯罪という悪に立ち向かっていき、鋭い切り込みを入れる名探偵には、絶対に必要とされる性質なのではないかと、著書を拝読して得たひらめきだった。


犯罪者のトリックを見破る頭の回転、物語のラストで相手を圧倒するスピード感のある明確で強靱な論理、これらをキャラクターとして明確に打ち出せるのはカ行の質にもっとも相応しく、ほんわか柔らかだったり、ねっとりしていたりしてはいけないのだ。




これからミステリーを書こうとするあなた!


名探偵は「カキクケコ」ですぞ!