瀬戸はミステリーの海 |  ZEPHYR

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ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

今日、何年かぶりで海水浴に出かけた。

瀬戸内海の穏やかな海に浮かんで、ぼーっと。

とにかく久しぶりに解放された。


目の前に今、「リメンバー」とは別に構想中の小説のモチーフとなる、ある島が見えた。

自分にとって、ミステリーの原体験はアルセーヌ・ルパンの冒険譚の数々だった。

そしてその次に乱歩、そして正史。

横溝正史は本格的ミステリーの面白さを少年だった私に教え込んでくれた。


私にとって瀬戸は、正史ミステリーの海(獄門島など)なのだ。


しかし、家族連れ、恋人達で賑わうビーチには、ミステリアスな陰などどこにもなく、明るい日常的な光景だった。

そんな中、浮き輪にはまりこんで怠惰に島々を眺めつつ、自分1人、頭の中でミステリーをしていた私だった。