会社員時代に所属部署のゴルフコンペで
ハーフラウンドを終えて昼食をとるべく部長らと一緒にクラブハウスに向かっているときに事件は起きた。
キャア~
突如キャディーさんの叫び声が響き渡った。
瞬時に何が起こっているのかが分かったぼくは
走り出していた。
無人のゴルフカートが駐車してあった高級外車に向かって暴走していた。
ホントに間一髪
カートが高級外車にぶつかる直前に
あいだにカラダをいれることが出来て
カートを止めることができた。
走ったのは25Mくらいだろうか。
見ると部長たちは
ハッとして
フリーズして立ちすくんだまま
起こった出来事を眺めていた。
一体何が起こっているんだろうって
考えることも重要な場合もあるけれど
そのときは考えないで瞬時に動いたから間に合った。
考えると、人間はその場に居つくんだよね。
ようは動けなくなる。
考えているときに行われているのは
脳内で思考をいじっているってこと
それは仮想現実(マトリックス)をいじっているってこと。
マトリックスを相手にしていたら
現実世界では行動できなくなる。
東京海上を退職して文学座演劇研究所夜間部に入所。
サラリーマン生活で学生時代より10kg体重が増加していたぼくは
カラダを絞るべく
銀座の酒屋で酒配達のアルバイトを始めた。
まだ路上喫煙なども出来た時代。
繁華街のビルの1階に狭い間口でタバコ屋さんがあるでしょ。
たいていタバコ屋を経営しているのって
ビルのオーナーや地主。
酒屋の2軒となりに80代?の老夫婦が営んでいるタバコ屋があった。
ぼくが働きだした酒屋には社員が5人いて
うち4人が強盗を捕まえたことがあるという
ユニークなメンバーで構成されている変わった酒屋だった。
聞いてみると
強盗に遭遇したら
すかさず追いかけて捕まえてボコボコにする。
考えない。
ただそれだけなんだそう。
酒屋の番頭さんは銀座の怪ちゃんと言われていたひとで
飲む、打つ、買う、3拍子そろった怪物。
中学生の時、東映ヤクザ映画に憧れて
本当にヤクザになりたかったらしい。
初めて現実世界で出会ったリアル寅さんみたいなひとだった。
それ以降リアル寅さんには会ったことがない。
銀座という土地柄
いつか自分も強盗に出逢えて捕まえられるかなぁなんて夢想していたある日
突如、隣のタバコ屋のカウンターに腕を突っ込んでいる不審者を発見
おまえ、何してんだぁ~と怒鳴りつけたまではよかったんだけど
その男が盗みをしたのか手元が見えなくて
盗難の犯行が実際に行なわれたのか確証が持てなかった。
おまえ今盗っただろ!
男はこちらに向き直ってきた。
無言でのにらみ合い
男の目は魚みたいな濁った瞳をしていた。
最初に怒鳴ったときに飛びかかって捕まえて取り押さえればよかったんだろうけど。
無言で睨みあっているあいだじゅう
どうする?
どうする?
こいつ手に金を握っている?
頭の中は思考がぐるぐる
結局その場に居ついてしまって
男が走り出して逃げ去ってしまった。
思考がぐるぐるしてるってことは
マトリックスを相手にしているってこと。
すると心の中で不安や恐怖が大きく膨らんでしまう。
人生においても同じことなんだろうね。
考えると動けなくなる。
考え出して煮詰まって
挙句の果てにカラダが悲鳴をあげてようやく動く。
ぼくがよくやってきたパターン。
最初に感じた違和感で
ふっと動けるようになりたいものです。
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