ぼくら整体指導者は人間を分けて観ない。
こころとカラダにも分けないし。
呼吸器と泌尿器も分けないし。
内科と整形外科にも分けない。
それって学問上分けただけであって、人間が分かれていないから。
実物が分かれていないんだから、実際の人間を観るのに分かれたひとつの視点からだけ見るっておかしい。
ホントは人間を分けて観ることって出来ない。
分けて観察するってことは、人間を観察する視座が低くなる。
全体系から観られないんだから仕方ない。
呼吸器という視座だったり。
こころという視座だったり。
整形外科という視座だったり。
視座はできるだけ高いところが望ましい。
象を観察するツールが
触覚だけで観察した結果と
嗅覚だけで観察した結果と
視覚だけで観察した結果は
まったく違う観察結果に至ってしまうのと同じ。
っていうか、それはもはや象じゃない
しかも人間は見えない要素の影響が一番大きいときたもんだから、見えるもの一つだけの視座ってどうしてもかなり偏ってしまう観察結果になる。
こころ
気
要求
勢い
どれも目で見えない。（実は気だけは見えるけど）
プラシーボ効果は、「と、思い込んだこと」が治癒を引き起こす例だけど、当然ながら動物には起こらない現象。
好きな異性が舐めていた飴ちゃんを口に入れられたらキュン
とするのに、
すれ違いざまの浮浪者が舐めていた飴ちゃんを口に入れられたらどうだろうか。
口をすすいでも、気持ち悪さは洗い流せない。
その日の気分はブルーになること請け合い。
そのこころが体調を崩す引き金になっちゃう可能性大。
あ〜もうサザエさんがやってる
あ〜情熱大陸の時間かぁ
月曜日を迎えるのが憂鬱な日曜日の夕べ。
ところが職場に好きな人が現れると月曜日を待ち焦がれる週末を過ごすなんてことに１８０度変わってしまう。
泥酔していたひとが
母危篤の連絡を受けたら
一瞬で酔いが醒めてしまったそうだ。
こころの在り方が想像以上に肉体に影響を与えていることは疑いようがない。
好きな異性から見つめられただけで
温かくなり、嬉しくなっちゃうのに
稽古中に師匠にじーっと見つめられただけで
動作がぎこちなくなったり
汗が止まらなくなったりすることもある。
プロ野球やサッカーの試合において
チームメイトやコーチが亡くなった直後に
喪章をつけて臨んだ試合においては
亡くなったひとへ想いを馳せながらプレーすることで
ふだん見られないくらいの集中力を選手たちが見せてくれることがある。
大一番の緊張や
勝ち負けのこだわりがすべて消し飛んでしまって
亡くなった人への悲しみがチームを統べてしまった結果だよね。
普段とまったく異なるこころの在り方が生み出したプレー。
親友が亡くなった連絡を受けた女優さんが、
舞台での泣くシーンが、いつもとは異なり大号泣になって困ってしまった経験がある。
戦前の喜劇王と言われたエノケンさん。
エノケンさんの息子さんが亡くなった直後の公演では
悲しみを抑えてコメディを演じているエノケンさんの姿を見て共演者が涙を抑えられなかったときく。
それほどまでに心は行動や在り方に影響を与えてしまう。
末期癌で昏睡状態に至ってしまえば、ほとんど死に至る。
なのにアニータムアジャーニさんは、臨死体験の後に目を覚ました。
数日で癌が消滅。
物理的には考えられないような治癒の過程だけど
実際には意識、こころが転換してしまうことによって
奇跡と呼ばれるような治癒が発生することがあることが分かってきた。
目に見えるものよりも、目に見えないものの方が遥かに影響を与えているということの証左だよね。
頭での理解じゃなく、
サレンダー（自我、エゴの降伏）とか、
自我の明け渡しと呼ばれるような
本当にこころの底から意識が変わることで
どうやら起こるらしいということも分かってきた。
だからこそ
人間を観察するうえでは
見えないものが感じられるように
見えないものを観てとれるようになりたいよね。
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