最近では慢性前立腺炎や間質性膀胱炎という病名にはあまりこだわりがなくなり、そういう症状が出てしまう心身の条件を改善していくことに活路を見出したいと思っていますが、前々から気になっていたのは「内臓の癒着」という現象です。

 

この間、複数の専門家の知見を仰いできましたが、「腸とか内臓が下垂して癒着している」という指摘もあり、確かにそういう見立てもできるなと思っています。

 

慢性前立腺炎は座りっぱなしに多いと言われていますが、不良姿勢で長時間座っていると腹圧が高まり、呼吸が浅くなって胃腸の血流が悪くなって腸の動きも悪くなるでしょうから、確かに内臓が癒着するようなことになるのかもしれません。

 

また、これはネット検索ではなく自身のプライベートな交流関係から聞いた話なのですが、過去に開腹手術をしたあと腸が癒着してしまい、それを契機に頻尿や腹痛といった症状が出て慢性前立腺炎と診断された、という方の話も聞いたことがあります。

その方は慢性前立腺炎で有名なTクリニックも受診されたようですが、セルシンといった薬(Tクリニックで処方されたかどうかは定かではない)で痛みが軽減してその後は症状が消えたということで、こうした話を聞くと、「腸の癒着」が症状に一枚かんでいる可能性もあるかもしれないと思いました。

 

自身は次第に排便をするとS字結腸あたりがキリキリ痛むようになった、なんてことも過去記事で書いており、イレウスとか腸閉塞ではないかと思ったりもしていましたが、不良姿勢の長期化から呼吸器の機能低下、ひいては腸の癒着が内臓の位置とか機能をおかしくして慢性前立腺炎とか間質性膀胱炎、あるいは過敏性腸症候群といった診断になるような症状を起こしている可能性もあるのかな、と。

 

ご関心のある方は下記のサイトをじっくりご覧になってください。

 

【腸の整体】腸もみとは?

 

胃が上に上がる「瀑状胃」という現象では

◆引用◆

・呼吸が急に浅く早くなる(胃がガスで張ったことによる横隔膜の上昇)
・心臓が急にドクドクと強い拍動を起こす(胃がガスで張ったことによる心臓の下部圧迫)
・首肩こりが痛いほどに辛い(横隔神経の反射による首肩こり)
・背中が痛い(胃がガスで張ったことによる背中への物理的な圧迫)

◆引用終わり◆

という症状が起きるようで、これも慢性前立腺炎や間質性膀胱炎でありがちな自律神経失調症と酷似しているように思われます。

胃もたれを伴うようであれば、西洋医学的には機能性ディスペプシアなどと呼ばれるかもしれません。

 

ガスが溜まった大腸が十二指腸を圧迫すれば右下腹部が痛くなるとされていますが、自身は最初は左下腹部が痛かったのが次第に右下腹部が痛くなってきたという経過を経験しており(今もときおりかなり痛いことがある)、前立腺炎の腹痛は時に右にも出るとは言われていますが、これも虫垂炎などでなければ大腸の位置とかガスが関係しているかもしれません。

もとい、虫垂炎も大腸の宿便とかガスが原因かのような解説があるので、体の特徴は似たようなものかもしれません。

 

過敏性腸症候群(IBS)についても興味深い指摘がありまして、

◆引用◆

よく自律神経の問題にされることがありますが、逆です。
過敏性腸症候群で腸がガスで張り、横隔膜を下から押し上げたせいで呼吸が浅くなって
自然と交感神経過緊張となり、自律神経が乱れるのです。
過敏性腸症候群もoverでは改善方法を確立しています。
腸と関係する他の場所をすることで改善しやすくなります。
過敏性腸症候群も、機能性ディスペプシアと似た仕組みで改善していきます。
首の張り、肩こり、腰痛、自律神経症状があるのなら、同時に改善していきます。

◆引用終わり◆

『骨盤の頭痛』では慢性前立腺炎や間質性膀胱炎ではIBSを伴うことも多いとされていますが、こういう自覚がある方は腸の機能低下とか癒着、位置異常を考慮されてもよいかもしれません。

 

この間、陰部神経痛については腰椎5番あたりがポイントになると紹介してきましたが、これも興味深い指摘があり、

◆引用◆

腰椎の4番・5番は、骨盤のすぐ上あたりです(図参照)。
この場所に腰痛がある場合は、腸が原因のことがあります。
そこは大腸兪というツボで大腸と骨盤の間の軽い癒着や、便秘による腸の膨張やガスによる腸の緊張によって腰痛が起こります。
癒着が原因の場合は、大腸と骨盤の内側にある腹膜との癒着にアプローチすることによって腰痛が改善していきます。
癒着しすぎている場合は手技療法では改善しませんが、周囲の軟部組織が緩んで腰痛が改善する場合があります

◆引用終わり◆

ということで、腰椎5番辺りが慢性的に痛いという場合には一つの原因として腸の癒着といった現象を考えてみてもよいかもしれません。

 

ただ、関連痛という見方でいえば、腸が痛くなってもL5が痛いでしょうし、膀胱や生殖器に炎症が起きてもL5が痛くなるでしょうし、L5に負担がかかれば逆コースとして関連する骨盤内の臓器に痛み放散するということがありえるので、この辺は鶏と卵かもしれません。

 

自身は骨盤のへり、腸骨筋が痛いという自覚もありますが、これも腹膜の癒着といった現象かもしれませんで、仮にそうならいささか面倒な事態になっているのかもしれませんが、いずれにしても骨盤内の臓器の位置異常、機能低下というのは確かに関与しているように思えてきました。

上流には、ネコ背とか長時間の座位による内臓への圧迫、胸郭が下がることによる呼吸の浅さなどがありそうで、そうなると骨盤を調整したり胸郭をあげたり、肋間を広げるようなボディワークが必要になるのかもしれないなあと思っています。

 

確かに最上流の大本には心の問題があるのだと思いますが、しかし「心因性のものである」という一言で片づけるのはちょっともったいないというか、もう少し体の細かいところを観察する必要があるのではないかと思ったりしています。

残念ながらというべきか、内臓の位置異常とか癒着といった現象は西洋医学的な検査や診断でこれを指摘されることは現実にはあまりないのではないかと思われ、この辺は東洋医学的なアプローチのほうがよいのではないかと思う次第です。

 

なお、原因は特定できないものの下腹部が痛いという場合には「蘭尾」は「足三里」といったツボにお灸をするといくらか楽になるという経験をしており、対症療法としてありかもしれません。

 

慢性前立腺炎や間質性膀胱炎が内臓下垂や癒着と断言できるかは保障できませんが、症状に寄与している可能性はあるかもしれないと思いました。

単なる陰部神経痛なら内臓下垂や癒着を伴わず、ひとえに腰の神経圧迫が原因というケースもあるかもしれませんし、逆に腰に明らかな変形・変位がなければ、腰痛の原因は内臓の下垂・癒着ないしは炎症からきているかもしれません。

あるいは最初は腰痛だったのが、次第に内臓がおかしくなって内臓由来の腰痛になるという堂々巡り型というケースもあるかもしれません。

 

そういえば過去に似たようなことを書いて、マッサージ用のオイルまで買っていたのをすっかり忘れていたので、物は試しに腹部のマッサージでもしてみようかと思っています。