引き続き、イライラや我慢状態という感情や自律神経失調に関連する話題として睡眠の話をしてみようと思います。

 

慢性前立腺炎や間質性膀胱炎(慢性膀胱痛症)が自律神経失調(交感神経優位)と深くかかわるように思っているのですが、仮に自律神経失調こそが不調の「原因」と仮定した場合、「睡眠の質」というのはかなり重要な問題ではないかと思っています。

 

慢性疼痛や膀胱痛を抱えるようになると早朝覚醒したりすることがあり困ってしまいますが、自身のこれまでを振り返るに、不眠傾向というのは学生時代の頃からあったような気がしていて、これが慢性的な自律神経失調状態の下地になっていたように思われます。

 

布団に入っても考え事が止まらない、朝パッチリ目が覚めない、寝起きの頃にうつらうつらしていると考え事があれこれ浮かんでくる、寝汗がひどい、といった自覚はずいぶん前からありました。

午前中はだるくて頭がプスプスする、夕方くらいになってくると覚醒してくる、なんていうのが眠りの浅い人の特徴ではないかと思うのですが、自身も結構そういうタイプでした。

疲労が蓄積して、湯船でいつのまにか寝落ちしているとか、電車の中で立ちながら寝ているとか、時には歩きながら瞬間的に寝ているなんてこともあった(軍隊の強行軍かというw)のですが、今にして思えば我ながらどうかしていたように思います。

電車で座ったら爆睡してしまうとか、何かの拍子に気絶したかのように眠ってしまうというのも、疲労や寝不足なのではないかと思います。

疲れていても無理を押してあれこれやろうとすることもこれらの要因でしょうが、こうした傾向は、緊張・不安・強迫観念的な体質を示唆しているように思われます。

 

また、発症の前には夜中に筋トレをするような習慣もあって、もしかしたらこれも不調には良くなかったのかも。

 

筋トレ民ならご存じの通り、筋トレをするとコルチゾールといったストレスホルモンが出るわけですが、例えば夜の10時、11時に帰宅して、そこから小一時間筋トレをして、終了後には若干の糖質とプロテインを飲む、なんて生活をしていると(一時期の自身のことですがw)、寝る前にストレスホルモンやアドレナリンが出て寝つきが悪いでしょうし、夜遅くに飲食をするとことで寝ている間に休むべき内臓も休まらなくなってしまいそうです。

なお、『骨盤の頭痛』によるとウエイトトレーニングなども(骨盤底の緊張を招くという意味で)慢性の骨盤痛の要因になりうるとされていましたし、筋トレをすると肋間が硬くなって呼吸が浅くなり冷え性になるという指摘をする方もいらっしゃいました。

 

ですので、自身は発症を契機に筋トレは一切やめました。

体の歪みがある状態で筋トレをしてしまうと、歪みがますます亢進してしまいそうだ、というのも筋トレから離れた理由です。

筋トレをやめたおかげで体重は8キロくらい減りましたが、やろうと思えばあと4キロくらいは全然落とせそうです。

筋トレは健康的営為である反面、強迫観念的なモードに陥りやすいものでもあるので、のめり込みやすい人は要注意かもしれません。

 

ついでにいうと、かつてはロードバイクにも乗っていて、割と長距離が好きだったので週末は1日130km-180kmくらいは乗っていたこともあったのですが、これも仕事による疲労が蓄積してくると次第に無理ゲーとなってしまい、次第に乗らなくなってしまいました。

ロードバイクの疲労も結構体に残ってしまうので、有酸素運動であってもボリュームが多いとストレス要因になるかもしれません。

 

別段筋トレをしない人でも、夜遅くまで仕事をしていたり、ネットサーフィンやスマホをいじっていると目が疲れたり(目は脳の出先機関)、寝る前のタバコの一服や寝酒なんてのも、脳が興奮したりして眠りの質が悪くなってしまいそうです。

筋トレもネットサーフィンもしないよ、という人でも、日中の緊張が寝る前までに抜けきらない、睡眠時無呼吸症候群とか、部屋の温度・湿度が合ってないとか、何か深い眠りを妨げる要因があるかもしれませんし、自身の眠りが浅いということに気が付かない(とりあえず寝ていればいいという程度のスタンス)ということも結構あるかもしれません。

 

睡眠については過去記事でも触れましたが、あらゆるホメオスタシスの源といえそうで、脳の疲労や内分泌などはもちろん、睡眠時の呼吸のリズムで筋骨格も整っていくとされているようです。

 

骨盤周辺の神経痛については腰椎や仙骨といったあたりの歪みが大きな要因ではないかと感じていますが、眠りが浅い、かつ眠っているときの呼吸が浅い(呼吸のストロークが浅く深い呼吸にならない)と筋骨格の緊張や歪みも回復できなくなるので、こういう眠りが何年も続くと、体のこわばりが慢性化して、いよいよ本格的な不調になってくるのかもしれません。

 

眠りが浅いというのは、寝ていても脳が十分休まらない(もとい脳は寝ていても一定程度働くものらしいですが)、結果、寝ていても緊張状態が継続しているということになりそうで、それがイライラするような心理になったり、自律神経失調につながるのかもしれません。

 

整体の目指すものはつまるところ、呼吸を深くし深く眠ることである、とも言われるようですが、深い呼吸で寝ることは確かに色々な意味で健康に大きく貢献するように思われます。

 

では、深い眠りを得るにはどうすればよいのかですが、個人的には

・寝る前に目や後頭部、体の気になる部分を蒸しタオルで温める(目は脳疲労に関わる、後頭部は自律神経の司令塔である視床下部へのケアの意味)

・体操を実践する(指導者にレクチャーいただいています)

・寝室の温度・湿度はこまめに調整する、特に今の梅雨時期は除湿をかけて室温も積極的に下げるようにしている(暑い空気は寝苦しい)

・散歩やウォーキングなど軽い有酸素運動は取り入れる(体にエネルギーが余っていると眠りにくくなるので適度な運動でこれを抜いておく。高強度の運動はストレスが蓄積するので避けている)

といった取り組みがよさそうに思っています。

 

慢性前立腺炎や間質性膀胱炎では症状が強いときは激痛化することがあるので、痛みのあまり全然眠れないようであれば眠剤や催眠・除痛効果のある抗うつ薬といった精神系の薬を服用するのもありだと思っています。

 

「寝てれば治る」が病気治療の究極の理想なのでしょうが、問題はどういう眠りなのかということで、深い呼吸で寝るための工夫が必要なのではないかと感じています。

 

自律神経失調が慢性前立腺炎や間質性膀胱炎といった症状の本態なのか、プラス・アルファとしての症状なのかはよくわかりませんが、交感神経優位が症状増悪と関係していそうで、それを改善するためには寝ることにこだわる、という視点もあってよいかもしれません。

 

湿度・温度の高い空気は呼吸が苦しく、寝苦しくなってしまいそうなので、今の時期はもったいぶらずに除湿をかけるというのがよさそうに感じています。