以下は単なる個人的疑問であり、医学や脳神経に詳しい方なら疑問ですらない事柄かもしれませんが、自身はバリバリ文系なので初歩的知識もなく、かなりの勘違いを含んでいるかもしれません。

全体として、自身のための備忘録であり、なんとなくのイメージで語っているということをご容赦ください。

 

確かに自身の症状は、次第に膀胱や前立腺以外の不調が増えてしまい、みぞおちや胃の膨満感(機能性ディスペプシア)、過敏性腸症候群のような症状、動悸やめまい、といった自律神経失調のオンパレードといった様相を呈しています。

(補足すると、前立腺については一時期腫れていたような感じもありましたが、そのうち腫れも消失し、痛みは初期からほとんどありませんでした)

 

心療内科による治療もそういう見立てからのものだと理解していますが、ここで疑問になるのは、自律神経失調、とりわけ交感神経優位になるとそれが「痛み」と知覚されるのか、という点です。

 

なぜこういう疑問を持つのかというと、

・症状の本態が炎症や虚血性のうっ血といった器質的な損傷、また筋肉の緊張による神経絞扼といった物理的な現象にあるのか

・あるいはひとえに脳神経というか、自律神経失調こそが症状の本態なのか

ということが気になったからです。

仮に自律神経失調により「痛み」が生じるようであれば、根本原因として調整すべきは自律神経失調そのもの、という理解ができそうです。

 

神経については素人まる出しなのであやふやな理解しか持ち合わせていないのですが、知覚神経と交感神経は協調して働くという解説もあり、「痛み→交感神経優位(緊張、興奮、不安)」になるというはよくわかります。

この点、交感神経が優位になると、例えばそれが知覚神経を刺激して体の痛みとして知覚されるようなことがあるのか、というのがちょっとした疑問だったりします(なんかありそうな気がしているのです)。

 

慢性的な交感神経優位が脳の痛みの閾値を下げる結果、感覚過敏となって、ちょっとした刺激が痛みとして感じられる、というのはわかりやすく、それゆえ尿が溜まると膀胱が痛い、便が腸を通過すると腹痛になる、蠕動運動が痛みとして感じられる(?)などという図式はわかるような気がします。

また、交感神経優位になると筋肉が緊張するので、肩こり的な状態になって発痛物質が出て痛みが感じられる、というのもわかります。

このほか、色々な臓器に分布する受容体とそれに結合する化学物質との関係で不調が出る(例えばカフェインやカプサイシン)、おそらくその不調に耐えられる閾値が下がる結果、健常者が感じる以上の苦痛となる(辛い物が痛みとして感じられる)、という現象もありえそうだと思っています。

 

この点、交感神経状態で緊張するとそれがすぐさま神経的な伝達によって知覚神経なりを刺激して痛みとして知覚されることがあるのか、というのが疑問なのです(この場合、筋肉の緊張による神経絞扼は除く)。

 

電車に乗ったり人混みに遭遇すると腹痛や下痢になってしまうような過敏性腸症候群のような症状もあるので、交感神経の働きそのものが知覚神経を刺激することがあるのではないかと思ったりもしているのですが、どうなんでしょうか。

 

この疑問は治療方法にも関わっているかもしれず、抗生剤、ハルナール、ベオーバ、セルニルトン、いくつかの抗炎症剤で症状がよくならない、という人が結構いるのではないかと思われるところ、交感神経優位そのものが痛みを誘発するなら根本的に調整をすべきは交感神経優位な状態ということになりそうで、そうなると(薬で対処するなら)処方すべきはやはりいくつかの精神系の薬である、という見立てができそうにも思われます(←繰り返しますが素人の想像です)。

正直申し上げると、尿路感染症が否定的な慢性前立腺炎で処方される泌尿器科の薬は、どうもちょっとズレがあるようにも感じており、初期段階でエンピリックに抗生剤を処方することには一定の意味があると今なお思っていますが、その後はハルナールやベオーバを継続するという処方でよいのかには、個人的には疑義があります。

もちろん、いろんな病態の方が混在しているのでこれらの処方を否定するつもりもありませんし、それでよくなる方もいらっしゃるとは思うのですが、実際に症状を抱えるようになった身としては、抗うつ薬や抗不安薬という処方にたどり着くだけでもかなりの時間を要することになったので、この辺はどうにかならんものかなと、つい思ってしまいました。

 

まあ、交感神経そのものが痛みを生じさせるのかどうかは別として、自身の体感では交感神経優位が症状の増悪には関係していると思っており、結局目指すべきは、「なるべく痛みを感じない期間をどれだけ長く維持できるか」と、それが自律神経失調の回復に寄与するという点においては、ほぼ同じようなアプローチになるのかなとも思っています。

 

交感神経優位の原因となるのは「慢性的な痛み」以外にも「脳疲労状態」も大きな要因とされており、マルチタスクによる疲労、目や手指の酷使、物事をあれこれ考えすぎる、人間関係のストレス、寝不足、冷えや冷房病のような環境などなど、挙げていけば切りがありません。

自身は現在でこそ一時的に仕事から離れていますが、仕事はマルチタスクの極北のような内容で、PCを使ったデスクワークというのもあいまり、交感神経優位になる要素に満ち満ちています(コーヒーやタバコもしかり)。

 

そういう背景事情を振り返ると、慢性的な交感神経優位が症状の原因、ないしは原因でなかったにしても増悪をさせる大きな要素であるように思えてきます。

 

情報化社会ですし、労働環境もマルチタスク化してきて、現代社会は交感神経優位の状況を改善するのは現実的には結構難しいかもしれません。

忙しい自慢をしたいわけではないのですが、割とハードワーカーで我慢強い傾向があったということもあり、体のことはそっちのけで過ごしてきてしまったのもよろしくはなかったのかも。

 

最近は体からアプローチすることに凝っているので、交感神経優位を調整するために、

・目や後頭部を蒸しタオルで温める(後頭部は自律神経の中枢である視床下部をリラックスできそうなので)

・散歩や体操(体操はストレッチではなく体をゆるめるための体操)

・経絡やツボのようなものの検索

といったものに取り組んでみていますが、現時点で完治はしていませんし、すぐさま効果があるとも言い切れません。

 

このほか、呼吸は無意識的に働く自律神経に意識的にアプローチできる営みなので、呼吸法というのもとても重要だと思いますし、手技療法の世界では骨盤などを調整して交感神経・副交感神経を調整するようです。

 

最近、頻繁に紹介している『骨盤の頭痛』でもリラックスこそが治療であるということが書かれていて、患者は「努力を放棄する訓練」をする必要がある、とか、痛みを発する臓器を憎んではいけない、とか、いろいろとありがたい言葉が記載されています。

これらの言葉の意味は、何かの目的を達成するためにせかせかしたり、イライラすることが治りを悪くする、という意味なのでしょう(マインドフルネスに近いとも言えそうです)。

 

 

当ブログは治療の記録と言いつつ、素人がそれらしい情報を集めては怪しげな言説を振りまく内容となっており、しかもスタンスというか自身の関心がコロコロ変わるので、読者の皆様に余計な不安、知らなくてもよい情報をむやみに与えてしまっているのではないかと反省はしております。

そのくせ次々とエントリをしているものですから、我ながら反省が足りないというか、交感神経優位そのものなのですが、ちまたでよく見かける慢性前立腺炎に関する情報は金太郎飴的というか、どうも腑に落ちないし、実際に出くわす治療法についても疑問になるところが多く、せめてそういう疑問にいくらかでも情報提供ができれば、多少は意味があるかもしれません。

 

素人が病態論を考えても限界がありますが、交感神経優位を調整するのが改善に寄与するのではないかと思っている、というお話でした。