自身の体感としてどうも肛門がゆるんでしまっているような感覚があります。

これが慢性前立腺炎とか間質性膀胱炎と関連するのか、という観点からの話題です。

 

お断りしておきますが、あくまで素人が考えた思考実験程度に過ぎないので内容の正確性は保証できません。

 

骨盤底筋のゆるみが尿失禁とか排便異常につながるというのはよく知られていると思いますが、肛門のゆるみ感=骨盤底筋のゆるみと言えるなら、骨盤底筋を鍛えましょう、という話になりそうです。

しかし、慢性前立腺炎は骨盤底筋群の過緊張などとも言われることがあり、ゆるんでいるのか収縮しているのかよくわかりません(あるいは伸展しすぎて緊張しているのか?)。

 

骨盤底筋群は内臓の重みを支えるハンモックのようなものだとされているので、肛門のゆるみ感覚と内臓下垂との関連で想像するなら、

1.骨盤底筋群がゆるむから内臓が下がってくる(バケツの底が抜けるような感じ)

2.ネコ背といった姿勢で内臓が上から圧迫されて骨盤底筋群が押し広げられてしまう(上から押しつぶされるパターン)

3.その両方

という現象で肛門がゆるんだように感じられるのかもしれません。

加えて、勝手な想像では、内臓の位置が下垂してくると内臓につながっている血管もビヨーンと伸ばされ細くなり、虚血になるのかなとも思ったり。

 

で、話は股関節に飛ぶのですが、肛門挙筋について調べていたら下記のような情報に接しました。

 

【論文紹介】骨盤内臓を支える骨盤底筋、を支えるのは股関節の筋だった!?

 

興味深いのは骨盤底筋群の代表格である肛門挙筋というのは内閉鎖筋と筋膜でつながって構造的に連動して動く、という指摘でした。

内閉鎖筋というのは坐骨の内側から大転子にむかって走行している筋肉で、これが肛門挙筋と連動して動く、と。

ですので、内閉鎖筋が引っ張られれば肛門挙筋も牽引されるという関係にありそうで、そうなると股関節・大転子のアライメントが狂ってくると骨盤底筋が広がってしまい(バケツの底が抜ける現象?)、内臓下垂っぽくなると言えるのかもしれません。

 

上記リンク先では、ヤンキー座りで排便すると骨盤底筋がゆるむ要因として、股関節のアライメントが関係しているのではないかと示唆されているので、おそらく内閉鎖筋が伸展すると骨盤底筋が「ゆるむ」と言えるのかもしれません(テンションがかかっているのにゆるむ、というのも妙な表現ですが)。

 

すると、股関節の狂い→内閉鎖筋を介して肛門挙筋がゆるむ→バケツの底が抜けて内臓下垂になる→膀胱とか前立腺が虚血になる、というストーリーもあるのかもしれません(あくまで可能性の話です)。

 

もっとも股関節の狂いというのも、足首だったり上半身だったり、いろんな要因でなるものでしょうから改善というのは結構大変そうに思われます。

 

 

前立腺炎の治療法として骨盤底筋のマッサージというのも時折聞くのですが、手元の専門書によると骨盤底筋にアプローチするには恥骨と膀胱の間に手を差し込む、とか、坐骨のあたりから指を差し込むといった方法が紹介されているものの、難しい手技であるともされていました。

こうしたマッサージそのものにどういう効果があるか、と考えるとひとつの理解として骨盤底の筋膜の癒着をはがすという意味があるのかなと思いました。

座りっぱなしになるとお尻一帯の筋膜が癒着するというのはありえそうで、そうなると筋肉同士の滑走性(バラバラに動く余地)が悪くなって、どっかが引っ張られるとごっそり引っ張られてしまい、身体が歪みやすくなるということがあるのかもしれません。

自身は過去に直腸診のような要領で前立腺やら骨盤底の様子を探ったこともありますが、直腸から探れる範囲以外に、もう少し別の角度というか、部位にフォーカスしてもよいのかもしれません(効果があるとは断言できませんが)。

最近は、風呂に入っているときには自分の股関節がどこにあるのかを調べるために坐骨あたりをグリグリ触っていますが、こういうので筋膜がリリースされて多少は改善に寄与すればよいなと思っています。

 

 

さて、ここまでは骨盤底という内臓が収まるスペースの下部、底の話でしたが、もう一つはやはり蓋の部分、つまり上半身の問題で、これについては「吐く息を長くする」というのは確かによさそうに思えました。

息を吐く動作により横隔膜は上がっていくので、内臓を引っ張り上げるには吐く息を長くすることが重要というのはよく聞くところではないかとおもいます。

 

これに加えて胸郭自体を上げる(ネコ背の改善)ことも内臓が収まるスペースを作ってやる意味で有効かもしれませんで、そうなると一時期流行したロングブレスダイエットといった体操は(正しくできれば)なんだかよさそうに思えます。

 

骨盤底筋は腹壁とかお腹の動きと協働して動くので、お腹を伸ばす、吐く息で横隔膜を上げるというのは骨盤底筋も動かすことになると思います。

骨盤底筋の体操の一種に、頑張って風船を膨らませるというのがあるそうですが、口をすぼめると肛門も締まってくるようで、風船を膨らませる動作をすると否が応でも肛門が締まってくる感覚が出てきます。

 

まあ、これが慢性前立腺炎とか間質性膀胱炎に効果があるのかはわかりませんが、やってみて損はないかもしれません。

もとい、肛門が痛いとか会陰部が痛いといった状態で肛門を締めたりするのは辛いかもしれませんが。

 

 

そもそも肛門がゆるんでしまうような状態だから慢性前立腺炎とか間質性膀胱炎になるのか、あるいは慢性前立腺炎とか間質性膀胱炎になると肛門がゆるんだように感じられる体になってしまうのか、というのは鶏と卵でよくわかりません。

肛門がゆるむ、お尻が広がったような感覚という意味では股関節が内旋して(内閉鎖筋は伸展しそう)大転子が出っ張ってきて、お尻がパカーンと開いている状態とも表現できそうで、そうなるとO脚傾向にもなるのでしょう。

 

こうした面でのアプローチで治るのかと言われると自信はありませんで、特に痛み現象には直接の効果はないかもしれません。

痛みは痛みとして対策しながらという感じになるのでしょうかね。