以前も同じような話題をした気もしますが、開き直って都度思いついたことを書き留めておこうと思います。

 

今回の話題は腹痛症状と血行の問題について思っていることです。

 

自身は慢性前立腺炎とか間質性膀胱炎という診断をいただきましたが、腹痛については過敏性腸症候群ともいわれるような自覚があり、腹部の痛みについては膀胱から離れたアチコチが痛いですし、押すと明らかに痛いポイント(押すと硬く感じられる)がいくつもあります。

 

自分でお腹をまさぐってみたところ、どうも痛い箇所は大腸の走行に沿っているように感じています。

ついでにお腹をゆするとチャプチャプ音がして、東洋医学でいうところの水滞現象が起きている様子です(腸が弱っている)。

痛いポイントは筋肉が痛いのか、筋膜的な組織が痛いのかもよくわかりませんが、慢性前立腺炎とか間質性膀胱炎で腹部が痛いという場合には、可能性として腸が痛いということもあろうかと思っています(腸に痛覚があるのかとかも調べてみないとですが)。

 

で、最近は姿勢に凝っているのですが、姿勢の問題と腸の不調で考えると思い浮かんだのが虚血性腸炎です。

腸への血流が悪くなって起こる虚血性腸炎では「下行結腸からS状結腸にかけて虚血性大腸炎は好発」するとされていて、慢性前立腺炎とか間質性膀胱炎で下腹部が痛いという場合、左側(下行結腸~S字結腸)がより痛い場合には虚血性腸炎状態になっているのかもしれません。

自身も最初は左腹部(と睾丸)が痛かった(そのうち右も痛くなってきた)のでやはり骨盤周辺の血行不良が起きている可能性が高さそうです。

以前もリンクしたと思いますが、骨盤内うっ血症候群も左に多いとされていて、左側のほうが血管の走行が長くて複雑だからではないかと言われています。

 

ちなみに上記リンク先の大腸カメラの写真をみると、虚血性大腸炎の発赤やびらんの画像というのは間質性膀胱炎でみる発赤の画像とよく似ているように思います。

間質性膀胱炎の解説では自己免疫疾患というのが有力説のようですが、虚血も関与しているのではないかとも言われていて、臨床では神経因性膀胱とかいろいろな状態の症例が混在しているとも言われていますが、自身の症状についていえば虚血の影響は大のように思われます。

こうなると大腸カメラをやってみたくなってくるのですが、かりに炎症が認められたとしても虚血性腸炎も西洋医学的にはこれという治療法は確立していなさそうなのでまあやっても興味本位程度ですかね。

 

慢性前立腺炎では神経信号の混線、放散により体のアチコチ痛くなるという説明もありますが、自身の症状については同じ腹部のポイントが2年近く毎日のように痛いということからしても、もしかしたら腸に炎症が起きているのかもしれません。

腸に炎症がおきれば吸収・消化が悪くなるので下痢になったりしますし、水が吸収できずチャプチャプ音がするようになる。

自身は便秘ではありませんが、便秘で虚血性腸炎になることがあるらしいので、便秘と下痢を繰り返して過敏性腸症候群と診断されるケースの中には虚血性腸炎状態になっていることも結構ありそうに思えてきました。

また、これも想像ですが、間質性膀胱炎では畜尿すると痛みが出て、排尿すると痛みが楽になるということがありますが、尿が溜まって膀胱の炎症部分が圧迫され痛いという理解のほか、膨らんだ膀胱が隣接する腸を圧迫して腸の炎症部分を圧迫して痛みがでる、なんてこともありうるのかなと思ってしまいました。

 

では、なぜ腸やそのほかの臓器への血行が悪くなるのかというと、これはやはり不良姿勢による腹圧の上昇、腰椎が血管を圧迫する、同じ姿勢を続けすぎ、呼吸が浅い、運動不足といったことがあげられようかと思います。

 

腸をはじめとした内臓への血流は腹部大動脈という血管から枝分かれしているので、腰椎の変位とか、ネコ背による腹腔内の圧迫、体幹部のねじれにより血管が圧迫されると腸のみならず、いろんな臓器への血流が途絶えがちになりそうです。

ですので、虚血性の発赤が腸に起きるのであれば、間質性膀胱炎の発赤・炎症や前立腺の炎症も虚血モデルで説明ができるのかもしれません(実際、そういう方もいらっしゃると認識していますが)。

腹部の血流が悪くなれば下半身の冷えにもなりそうですし(股関節の変位も関与しているかもしれませんが)、冷えると頻尿になるのは言わずもがなです。

ちなみに手技療法の世界では冷えた膀胱は「硬い」と言われているそうで、虚血・低酸素で組織が線維化するということなのかもしれません。

 

東洋医学でいうところの「血」の概念は物理的な血流とイコールではないのでしょうが、ひとまず単純に考えて血流をよくするという意味では、やはり姿勢の問題は避けて通れないように感じています。

 

ここでちょっとした疑問になってくるのは、血の巡りの停滞であれば漢方の桂枝茯苓丸とか桂枝の処方が効果的ではないかと思われ、確かに慢性前立腺炎では桂枝茯苓丸などが(睾丸痛にも)効果的とされているわけですが、正直いうと自身は桂枝茯苓丸より四逆散といったタイプのほうが効果を感じました。

この点は症状の深度とか、不快症状として何が前面に出ているのかで効果の有無に差を感じているのかもしれないとも感じました。

漢方も症状改善には効果があると思うようになったので、この辺りも研究課題にしてみたいと思っています。

 

 

今回は虚血問題からの話題提供でしたが、まず慢性前立腺炎とか間質性膀胱炎における慢性の腹痛というのは(膀胱痛のほか)過敏性腸症候群と表現してもよさそうですが、実態としては慢性の虚血性腸炎の可能性がありうるかもしれない、ということ。

特に左腹部が痛い場合にはその可能性は高そうです。

仮に虚血性腸炎であるならば、その改善には血行をよくするための取り組みが必要そうで、かつ炎症が治るまでには一定の期間が必要になろうかと思われます。

(この点、神経性の痛みなら神経ブロックするなりすれば痛み自体はその場ですぐになくなるはず)

 

虚血性腸炎になるような状態というのは、おそらく膀胱とか前立腺とか、そのほか様々な臓器が機能低下してきそうなので様々な不調がでるのも不思議ではなさそうです。

 

血流改善については、さしあたり胸郭の引き上げとか、体幹のねじれにアプローチしていますが、そのほかにも生活習慣全般の見直しも必要なのでしょう。

というか、やっぱり長時間のデスクワークが諸悪の根源に思えてくるんですが、そうなってくるともう認知行動療法の世界になってしまいますね。