以前から、尿検査では検出できない何らかの感染症で慢性前立腺炎や間質性膀胱炎になってしまうケースはないのだろうかということが気になっていて、今回は言わば感染症説からのバカバカしい空想です。

お断りしておきますが、慢性前立腺炎や間質性膀胱炎は多くの場合、感染症ではないとされているので、以下の話は素人の空想です。

 

ネットニュースを見ていて目を引いたのが、ナスのヘタには子宮頸がんの原因とされるHPVウイルスに効果があることが科学的研究でも明らかになったという記事でした。

 

ナスのヘタに含まれる天然化合物、子宮頸がん細胞に抗腫瘍効果 名大

 

 

子宮頸がん、ナスから発見された天然化合物による抗腫瘍効果を確認-名大

 

 

ナスのヘタというのは昔からイボ取り(イボにはHPVウイルスでできるものがある)に使われることがあり、民間療法としては存在していたのですが、これに抗ウイルス効果があると証明されたというのはなんとも心躍る話です。

HPVウイルスにはいくつも型があってイボを作る型は子宮頸がんを作る型とは別らしいですが、性器感染なら尖圭コンジローマという症状を起こし、これにはナスのヘタの成分が効果があるとされています。

誰がどうやってこの効果を最初に発見したのか想像もつきませんが、ウイルス性のイボにナスのヘタを貼って治療するという先人の知恵には深い敬意を覚えます。

ちなみにナスの黒焼きを塩と混ぜた伝統の歯磨き粉というのがあって、なぜか自身は子供のころにこれを使ったことがあったりますが、これもウイルスに作用するから伝わってきたものかもしれません。

 

 

さて、慢性前立腺炎は性行為をきっかけに起きることもまあまああるんじゃないかと思われます。

これについては性行為にともなう体の歪み、つまり腰の運動(腰椎5番、4番)や骨盤の歪みの問題という理学療法的な視点を捨象すれば、性行為によって感染する何らかの菌ないしウイルス(性病とも限らない)が関与している可能性はあるかもしれません。

間質性膀胱炎については尿路感染症の既往のある人が多いという論文もありますし、子供でも間質性膀胱炎になることがあるという意味では、感染経路が性行為でなくても(おたふく風邪とか)、感染症との関連は何らかあるような気もします。

 

もっとも、何度検査をしても菌は検出されないのはご存知の通りで、その背景には

 ・男性の場合、検体が前立腺液や精液ではなく尿であること。採取してるのが生殖器系の検体ではない。なお、女性の生殖器系を調べるならスキーン腺は考慮に値するかも!?

 ・検査方法がマッチしていない。PCR法など遺伝子検査はそれほど精度が高くないかもしれない。嫌気性菌は普通の培養では育成しないetc...

 ・感染したのが細菌ではなくウイルスだと通常の尿検査では検出できない

といった要因が挙げられるように思います。

この辺の話は過去記事でも触れておりますので、ご関心があれば漁ってみてください。

 

仮に尿路感染症を疑うとして、細菌感染なら白血球が顕著に出るはずですが、おそらく患者の検体からは白血球が出ないことが多いので、そうなるとその時点で尿路感染症の可能性は否定されがちです。

ただ、ウイルス性の感染症だと白血球は出ないので、可能性としてなんらかのウイルスはありうるかもしれません(あとは細菌感染だったとしても急性期を過ぎて静菌化してしまうと白血球も出にくくなるとかはあるかも?)。

関連して、炎症値をあらわすCRPがたいして上がらないというのも感染症を否定する根拠だと思いますが、真菌などではCRPは上がらないとも聞いており、CRPの上昇を伴いにくい緩慢な経過を見せる感染症というのは可能性としては否定できないようにも思われます。

おたふく風邪のムンプスウイルスで生殖器の炎症が起きたりすることもありますし、常在菌的に存在するアデノウイルスでも出血性膀胱炎になることがあるので、ウイルスが尿路感染症を起こすことは珍しい話ではなさそうです。

 

「白血球が出ないけど尿路感染症っぽいならウイルスが関与しているのではないか」という単純な見立てですが、仮にこれが妥当するなら慢性前立腺炎になる人がこれだけ多いということは、決して珍しいウイルスによるものではなさそうに思えます。

この点、過去記事では常在菌的に存在するウイルスという意味でHPVウイルスもありえるんじゃないかと書いたりしました。

HPVウイルスは多くの場合性行為によって感染するらしいので、これを性感染症と呼んでよいか微妙ですが、性行為を契機に感染する可能性はありますし、常在菌的に存在するらしいのでワクチンを打ったり抗生物質を連続投与したりすれば免疫が下がって自身のもつウイルスに内因感染するという可能性もあるのかな、と。

 

 

で、ナスのヘタの成分がHPVウイルスに効果を発揮するならこれは大変興味深く、薬よりも手軽にこれに対処できるんじゃないかというアホな妄想が浮かんできました。

 

もちろん、ナスのヘタのスペクトラム(笑)が当該ウイルスにマッチしていないと効果を発揮しないでしょうし、仮に効果があったとして、どのくらいの量を・どのように摂取すればよいのかもよくわかりません。

 

医学的に表現すれば組織移行性の問題もあって、ナスのヘタを皮膚に貼ってイボが取れるということは事実としてあるようですので皮膚からは患部に届き、効果を発揮する、と。

では、ナスのヘタをボリボリ食べたとして、それが膀胱とか前立腺、精巣上体といった尿路・生殖器系にちゃんと届くのかは謎です。

仮にウイルス性の慢性前立腺炎や間質性膀胱炎がありうるとしたら、「おたふく風邪(ムンプスウイルス感染)になったらナスを食え」的な民間伝承があってもよさそうですが、そういう話はあまり聞かないのでやっぱり空想が行き過ぎているかもしれません。

 

よもやジムソよろしくオ〇ン〇ンから膀胱めがけてナスの汁を注入したりするのもどうかと思いますし(←絶対に実践しないでください)、キン〇マにナスの薄切りを貼り付けて精巣上体炎が治まるとも思えないのですが、ナスのヘタにウイルス感染への効果があるというニュースには心躍る思いがします。

ナスのヘタの成分がHPVウイルス以外のその他のウイルスにも効果を発揮するのかも気になるところですが。

 

 

今回の話は基本的に単なる空想であり、よもやこれで慢性前立腺炎や間質性膀胱炎が治るとは思いませんが、なんだか興に乗ったので、さっそく仕事帰りにナスを買ってきて、生のままヘタの部分を食べてしまいました。

まあ、こんなことを考えたり実践したくなるくらい、手がかりに乏しいということでもあるんですが(我ながら哀れ)、身体への侵襲性はほとんどなさそうですので気休めにはありかな、なんて思いました。

 

このほか、慢性疼痛にはヒマワリの種がよいんじゃないかということも考えていて、実際ヒマワリの種もボリボリ食べているのですが、今回はナスでお腹いっぱいになったのでこれは先々のネタにしたいと思います。