おくる | 抑鬱亭日乗

抑鬱亭日乗

複数の精神疾患を抱える者の独言を忌憚なく収録する
傾いた視線からこの世はどのように見えるのか

 世話になった御仁にモノを贈ることを決意した。

 普段は出入りしない百貨店の地下にある店を訪れる。

 

 それ程高価ではないモノを贈ることにした。

 店員嬢に商品を購入し「これを送ります」と伝えた。

 この表現が良くなかったのだろう。

 

 小生は配送してもらう旨で「送る」と言ってしまった。

 店員嬢は小生が相手に手提げ袋で「贈る」と理解したようだ。

 会話が何だかかみ合わない。

 

 会計になってようやく商品を「送る」ことに気付いてもらえた。

 店員嬢は手早く無地の熨斗紙をつけて商品を包装した。

 「送る」のであるから、小生がカネを払い去ってから包装すればいいのだが。

 商品を包装している店員嬢に作業を止めさせるのも気の毒だ。

 

 「おくる」を「配送を願う」という表現に変えることにした。

 店員嬢はここで「贈る」ことであり「送る」ことでもあることに気付いた。

 小生の表現が良くないことで、小さな誤解を招いた。

 

 日本語は難しい。