去る | 抑鬱亭日乗

抑鬱亭日乗

複数の精神疾患を抱える者の独言を忌憚なく収録する
傾いた視線からこの世はどのように見えるのか

 著名な作家が逝去した。

 作家と尼僧を兼務する瀬戸内寂聴である。

 享年99歳。

 大往生である。

 

 瀬戸内寂聴の顔を見ると、亡き祖母を思い出す。

 表情がよく似ていた。

 笑った顔が瓜二つのようであった。

 

 知っている御仁が次々とこの世を去る。

 生まれてきたら、必ず死ぬ。

 当たり前のことだが、これを受け入れられないことがある。

 

 瀬戸内寂聴はその一人である。