蝉 毎日、蒸し暑い。 空気がじめじめして、髪がカールする。汗ばむ。 梅雨だから仕方ない。 たまに晴れる日がある。 こんな日に気の早い蝉が地中から這い出て虚しく鳴き声をあげる。 自分の決断による結果とはいえ、不幸な蝉である。 地下に潜伏しておよそ6年。 ますます今鳴いている蝉があわれに思えてならない。 夏はすぐそこまで来ている。