交差点 | 抑鬱亭日乗

抑鬱亭日乗

複数の精神疾患を抱える者の独言を忌憚なく収録する
傾いた視線からこの世はどのように見えるのか

 確か先週の金曜日だったと記憶する。

 事情があり、22時頃に烏丸通りを北へ向いて歩いていると、綾小路烏丸の交差点で白いものが見えた。


 それは白い着物を着た遊女風の女である。

 交差点を少し西に入った場所に座り込んでいる。

 髪や着物が濡れ、微動だにしない。

 乱れた髪が異様さを強調する。

 

 あの時間にあのような姿で道路に座る人はいるのだろうか。

 もしかして、アレか。

 私はアレの存在を認めているが、実際に見たことがない。


 もう一度、よく見ようと考えたが、恐ろしくてそのまま地下鉄へ。