江戸絵画 | 抑鬱亭日乗

抑鬱亭日乗

複数の精神疾患を抱える者の独言を忌憚なく収録する
傾いた視線からこの世はどのように見えるのか

 京都文化博物館で開催されている「帰って来た江戸絵画 ギッターコレクション展」を見物してきた。


 カート・ギッタ―なる人物が所有している日本画を公開するのが主旨である。

 同氏は1960年代に医師として来日したことを契機に、日本の文化や美術にハマったようだ。


 当時、固定為替制度が採られていたため、円に対しドルが圧倒的な強さをもっていた。

 その絶大な力を誇るドルで日本画を買い漁ったらしい。

 成金の下品な趣味とは違い、水墨画を中心としたシンプルで素朴な作品を蒐集したのである。


 そのコレクションから107点の作品が並んでいる。

 伊藤若冲、俵屋宗達、酒井抱一、与謝蕪村・・・・。

 これら巨匠の絵画が一斉に集合する機会はおそらくない。


 墨で描かれたとは思えない数々の作品。

 図録を観ながら余韻を楽しんでいる。