花詩 | 抑鬱亭日乗

抑鬱亭日乗

複数の精神疾患を抱える者の独言を忌憚なく収録する
傾いた視線からこの世はどのように見えるのか

  花無心      良寛


 花無心にして蝶を招き

 蝶無心にして花を訪ぬ

 花開くとき蝶来たり

 蝶来たるとき花開く

 吾もまた人を知らず

 人もまた吾を知らず

 知らずして定則に従う


 自然はその法則にしたがって成り立つ。

 花が開く時に蝶がやってきて、蝶がやって来る時に花が開く。

 花と蝶は無心で、それを意図していない。


 人間だけなのだろう。自然に逆らって生きるのは。

 

 この花と蝶のように無心で生きてゆきたい。