全日本東京倶楽部バンド -27ページ目

ディープインパクトの引退

ディープインパクトの引退発表が世間を騒がせている。だけど5歳で引退することはサラブレッドの世界では珍しいことではないし、サイレンススズカのようにレース中に故障するリスクを考えれば、この後おそらくJC~有馬記念と走らせることは馬主側からすれば大サービスと言える。競馬ファンにとってハーツクライvsディープインパクトの再戦が見られるのは素晴らしいことだ。ディープが一度負けているハーツクライへのリベンジの舞台ということよりは、本年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス(長い!)の3着馬と凱旋門賞の3着馬とのガチンコ対決が両馬のホームで実現するのであるからヨダレだらだらもんだろう。これまでのJCでもめったに見られなかったハイレベルな対決となるのである。マスコミ諸氏にはその点を噛んで含めるように素人さん達に伝えてもらいたい。


さて先日テレビで馬主の特集をやっていた。実はおいらも5年ほど前まで一口馬主クラブに入っていた。結婚をきっかけに資金が底をつき退会したのだが、多い時には3つのクラブに所属していたのだから、金もかかるはずだ。馬主になると金がかかる(あたりまえ)。馬代金だけでなく毎月の預託料(飼葉代・調教代)が一頭30万円ぐらいかかる。もし10頭持っていれば毎月300万円出費があるわけで、34頭持っていれば毎月1,000万円かかる。やっぱり道楽以外のナニモノでもない。また、ペーパーオーナーでも一口馬主でも同じことだが、馬主という視点から競争馬を見ると、レースにデビューするのがどれだけ大変なことか、月一のローテーションで出走し続けることがどれだけ大変なことなのかがわかる。それを考えると、番組で取り上げられていた、競り市で億単位のギャンブルをしている彼ら(関口さんとか金子さん)はまともな感覚じゃない。彼らだって競争馬のデビューが大変なことは百も承知だろうし、毎月莫大な資金を投入しているわけで、そんなリスクを充分に知っているにも関わらずのめり込んでしまうのがサラブレッドというものなのだ。おいらがなけなしの金を叩いて3つのクラブに入ってしまったのも同じこと(笑)。

だから今回のディープインパクトの引退表明は馬主としてはいたってまともな判断だ。馬主としてはディープインパクトが種牡馬としてもっとも価値がある今、シンジケートではなくできればゴルドフィンにまるごと売りたかっただろう。インブリードを持たないディープインパクトは種牡馬としてはどうかなあ?また、父親のサンデーサイレンスも種牡馬としての価値を軽く見られたからこそ日本に来たのだし、子供たちが種牡馬として成功していると言えるのかどうか?報道の皆様にはよく吟味してもらって噛んで含めるように素人さんたちに説明してもらいたい。サンデーサイレンス自身がマームードの4×5という薄いインブリードしか持っていなくて成功していることを考えると、アウトブリードがプラスに働く可能性も捨て切れないしね。

ともかく、馬も騎手も命懸けでレースを戦っているのである。観戦する我々も彼らに対するリスペクトを持って応援しましょうね。