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全日本武道具空手道～道場訪問記～、今回も空手にまつわる映画紹介という事で、2009年に公開された武田梨奈さん主演の『ハイキックガール』です！
最近ではテレビ東京系の深夜番組『ワカコ酒』で1人呑みが大好きなOLの役で新たな魅力を見せてくれている武田梨奈さんですが、元々は琉球少林流空手道の先生でもある父親に、幼少の頃から空手を学ばれ、全国防具空手道の試合などで輝かしい成績を残す、本物の空手家であります。
その空手経験が最も発揮できるデビュー作となったのが、このハイキックガールでした。
強さを追い求め男性顔負けの空手の技術を持つ土屋圭。しかし師匠からは地味な型の稽古ばかり命じられ苛立っていた。そんな中で圭は腕に自信のある名が売れた空手家に対し勝負を挑む”黒帯狩り”を決行！次々と男性の猛者達を倒して行った。師匠の制止を無視する圭は、やがて格闘界の黒幕である“壊し屋”にスカウトされるが…
正直に言えば、ストーリーだけを見れアイドル出演のVシネアクション的と言えなくもないですが、この作品はストーリーで魅せるものではなく、あくまで女性たちによるガチンコアクションな訳で、そういった部では本当に関心させられるといいますか、十分に魅せてくれていると思います。
最近では“ワイヤー無し！”と態々アピールされる程、アクション映画に欠かせないワイヤーとなっていますが、この作品ではメイキング等を見ても解る様に、本当に生身の身体で飛び、蹴り、殴るといったナチュラルなアクションだけで構成されています。
これまたシビアに言えば、ありえない技でバッタバッタと大男達が倒されていきますが、そこに違和感を覚えるのではなく、ただ単純に爽快で凄い！と思う方がこの作品を楽しむにあたって倍得するんじゃないかなと思います。
武田梨奈さんの師匠を演じておられるのが日本空手協会師範・総本部指導員の中達也氏、そうです、先日ご紹介させて頂きました映画『黒帯』にも出演冴えておりました。
他にも刺客の１人である"空拳"には剛柔流の八木明人氏、武田梨奈ちゃんと死闘を演じる壊し屋の女子高生には芦原会館西山道場所属・２００５年全日本チャンピオンの小林由佳さん、他にも女子格闘技界のジャンヌダルクとして先日も数年ぶりに復帰され勝利を飾られた渡辺久江さんといった、これまたリアルガチな空手家・空手家が揃って出演されています。
徹底的にリアルな格闘シーンに拘った…といった監督の言葉は、こと空手映画としてどこまでリアルなエンターテイメント作品を撮れるかといった並々ならぬ拘りであり、その期待に出演者が十分に応えた結果、この作品が大きく話題になったのだと思います。
スピード感と爽快感、そして痛みをモロに感じる事が出来る作品です。