「出好き、ネコ好き、私好き」とは?
林真理子氏のエッセイ集で~す。
しかし、この題名が林真理子氏の好きな言葉のはずもありません。
大体、このエッセイにはネコは出てこないし。ネコなんか飼わないでしょ。林真理子氏は。
何でこんな題名なのか?と怒ったかのような読書レビューを見ました。
いろいろな感想があるものです。
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出好き、ネコ好き、私好き (光文社文庫)
605円
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ちゃんと読んだことがなかったのですが「STORY」という女性雑誌があって、そこに連載されていたエッセイ集なのです。
読んでみるといろいろ思うところもあります。え~、そうかなあとも思いますが、そうかもしれないとも思います。やはり「こんなものは見せられない」と思います。
どうやら「STORY」とは「いいとこ(経済的に恵まれた所)の主婦」か「そういう人にあこがれる人(お嬢様)」が読む雑誌のようです。
間違った理解かもしれませんが、かつてはいい所の奥様が働くこと自体が、何か「かわいそう」な印象を人に与えると思われていました。
イギリスでもレディとは親や夫の財産によって庇護されていて「働く必要のない」女性でなければならなかったといいます。親が死んでしまうと女性には財産の相続権もなく、経済的に困窮して「働かざるをえなくなる」とレディとはみなされなかったのです。(今は違うでしょうけれども)
どうやら昔は「働いている女は下の下」だったのです。
けれどもどうやら、この「STORY」界の頂点「駐在員夫人」とか「○○省次官の夫人」とかいう人たちは軒並み「昔と様変わり」しているようです。今はどんな人も仕事を持っていて「仕事への向上心と意欲があ」るというのです。
そうでしょう。いつまでも「おしゃれなお嬢さん」じゃ生きていけないのです。ツマラナイということ。けれどもここでの林真理子氏はやはり「STORY読者」を意識して書いていると思うのです。
「お金持ちの奥さんになるとは運ではなく実は才能だ」というのは本当でしょうか。本当のような気もしますが…。だけど本当だとして、そんな計算高い才能が、本当の才能でしょうか。そんなカシミアの女を林真理子氏は心底好きになれるのでしょうか。
スーパー勉強のできるA子ちゃんは今年大学受験です。お父さんは「地方大の医学部」に行ってほしいと願っているといいます。「東大理系の女」なんて敬遠されると。本当でしょうか。
でも、A子ちゃんは堂々と東大を目指すのです。「日本一を目指したい」というのです。これは「運」ですか「才能」ですか。そしてA子ちゃんは東大に入れるのでしょうか。