『文部科学省の解剖』を読む 全国教育問題協議会 | 日本教育再生ネットワークのブログ

日本教育再生ネットワークのブログ

若者は国の宝です。その宝を育てるのは、教育。国の将来の礎となる教育が、様々な問題を抱え、深刻な事態に陥っています。戦後の教育行政で深刻な問題点を抱える日本の教育ですが、再生へのルートマップが必要な時。様々な問題提起ができれば幸いです。

 

子供たちの未来に希望を与えたい教育再生を願う本ブログを閲覧いただき、ありがとうございます。

 

日本の教育正常化と美しい日本人の心を育む教育をめざす一般社団法人・全国教育問題協議会(中尾建三理事長)は戦後教育で大きな問題点を残している学校教育、教科書問題、教育環境の正常化(健全化)を目指し、憲法改正を推進して美しい日本人の姿を体現する教育再生を活動の指針としています。

 

今回は全教協ニュースで初めて書評欄を新設し、「人づくり国つくり書評」と題して、日本の人づくり、国づくりに参考となる良書を紹介し、全教協の会員に持ち回りで書評を綴ってもらいます。

 

教育行政を担う文部科学省の現状と課題について、専門家の調査・分析による資料性が高い編著となっている青木栄一編著「文部科学省の解剖」東信堂)を取り上げました。

 

青木栄一編著
 『文部科学省の解剖』(東信堂

 

構造的な問題、浮き彫りに

 

 

教育は国の基。その教育行政を担う文部科学者が揺れていると感じている国民が大多数であろう。

 

近年、組織的な天下り斡旋事件、不正入試受託収賄事件が立て続けに起きて二代続けて事務次官が引責辞任している。

 

ゆとり教育、偏向教育などの問題は文科省が推進しているからじゃないのか、学校や地方自治体にあれこれ口出しして歪めているのは文科省ではないのか、そもそも優秀な人間は行かない三流省庁だ、などと実態を知らず思い込みで問題を論じる者もいる。

 

一体、文部科学省はどうなっているんだ⁉︎ 文部科学省がどのようになっているのか、その「構造」を明らかにしているのがこの書である。

 

文科省というのは一つの組織である。その一括りとしての文科省の中にも様々な部署がある。組織の中で生きてきた人はお分かりであろうが、その部署間の仕事が上手くいくために様々な制約、ルール、しきたりが行動を律している。

 

それがさらに政府内、関係団体、地方自治体、政党などとの多岐にわたる関わりや制約の中では、「メカニズム」としてその中で最適な行動を選択しようとするはずである。それを知ることによって日本の教育をめぐる構造的問題を明らかにし、教育行政を正しく論ずることができるであろう。

 

全教協顧問の小林正先生のご批評通り、文科省の弱点部分も資料満載でよくわかるので、われわれの国民運動を展開していく上でエネルギーにしていける内容となっている。(評者=全国教育問題協議会理事《福島県》・野澤幸弘)

 

 

▲元参議院議員で教育評論家の小林正氏

 

全国教育問題協議会の顧問である小林正氏は5月31日の全国教育問題協議会の役員会で「今年3月に東進堂から出版された『文部科学省の解剖』はわれわれの活動にも重要な資料になる。平成27~28年に文科省の課長職以上の者114名を対象に調査し、75名(65.8%)から回答を得て資料性が高い」と評価した上で、「最近、文科省職員が麻薬に手を染めるほどエスカレートしてここまでやるか、というほどだ。日本では、財務省、厚生労働省に次いで予算が大きい省」と位置づけていることを紹介。

 

その文科省をいろんな視点から解剖して解決していかねばならない課題がいくつもあり、「とくに文科省の政策形成過程でどういうところから影響を受けているかを見ると、議員の審議会や特命委員会を通して政策化する。さらに組織運動体と一体となった自民党文教族の国会議員が連携して行った要望、具体的な政策提言が大きな政策形成過程で大きな意味を持っていることが教育行政学の立場から見通されている」と分析した上で「文科省の弱点部分も資料満載でよくわかるのでわれわれの国民運動を展開していく上でエネルギーにしてほしい」と述べました。

 

青木栄一編著「文部科学省の解剖」(東信堂)

 

【内容】

 

文部科学省の組織構造の全貌を捉えた官僚制研究!
近年、多くのスキャンダルが取り沙汰され、しばしばメディアや世論の標的となっている印象をぬぐえない文科省ではあるが、果たしてどれだけの人がこの組織の実態を理解しているのだろうか?本書は、幹部職員に対する初となるサーベイ、文科省と官邸・他省庁・地方自治体関係、庁舎内の部署配置・執務室内の座席配置分析といった行政学的分析を通じて、文部省/科技庁の統合後の変容も含めた、中央省庁の一翼としての文科省の組織構造を明らかにする。文科省研究の先駆的一冊であり、かつ日本の教育改革をめぐる構造的問題を解明した気鋭の共同研究。

 

【目次】

 

第1章 官僚制研究に文部科学省を位置づける(青木栄一)
第2章 サーベイにみる文部科学省官僚の認識と行動(曽我謙悟)
第3章 文部科学省の格差是正志向と地方自治観(北村 亘)
第4章 組織間関係からみた文部科学省(伊藤正次)
第5章 文部科学省と官邸権力(河合晃一)
第6章 配置図からみる文部科学省統合の実相(手塚洋輔)
第7章 旧科学技術庁の省庁再編後の行方(村上裕一)
第8章 文部科学省設置後の幹部職員省内人事と地方出向人事の変容(青木栄一)

 

 

▲令和元年度の全国教育問題協議会役員会、総会

 

5月31日、一般社団法人・全国教育問題協議会(中尾建三理事長)は令和元年の最初となる役員会、総会、教育研究大会を東京都内の自由民主会館で行い、美しい日本人の心の教育を復興させる令和時代にふさわしい教育課題の超克になお一層、具体的な提言ができるよう活発な討議を行いました。

 

研修テーマは「美しい日本人の心の再生を求めて」。演題は「どこへいっちゃったの?古き良き日本人の心」と題して一龍斎貞花師匠が講師を務め、熱弁しました。参加者数は150人。平日昼間にもかかわらず、予想通り、大盛況でした。

 

 

 

 

▲全教協の教育研究大会で熱弁を振るう講談師の一龍斎貞花師匠

 

▲教育研究大会で熱弁を振るう講談師の一龍斎貞花師匠

 

一龍斎貞花師匠の講談には150人が参加

 

全国教育問題協議会の中尾建三理事長

教育研究大会で講演した一龍斎貞花師匠は、古き良き日本の伝統文化が海外でも幅広く理解され、偉大な日本人が誰かを米国大統領でも熟知していることを紹介。日本の美しい心をさらに広げていくために必要な魂の教育が大切であることを訴えました。

 

▲会津の日新館「什(じゅう)の掟(おきて)」を紹介する一龍斎貞花師匠

 

▲米国で日本を代表する5人といえば、内村鑑三が英語で出版した「日本を代表する五人」から米国人の間でも知られていた西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮聖人ということを紹介する一龍斎貞花師匠

 

▲挨拶する全国教育問題協議会の中尾建三理事長

 

 

▲令和時代の教育問題の課題を話す衛藤晟一参議院議員(首相補佐官)

 

 ▲令和時代の日本人の美しい心が大切であることを話す有村治子参議院議員(自民党参議院政策審議会長)

 

 

 

一般社団法人・全国教育問題協議会は、いわゆる保守とか革新、右とか左と二分してとらえられがちですが、特定のイデオロギーを主張している団体ではありません。

 

日本の教育を通じて美しい国にしようと集う団体です。

 

このたび、全国教育問題協議会は同会顧問の日本教育史研究の権威である杉原誠四郎・元武蔵野大学教授の監修をたまわり、総力を挙げて「教育に関する勅語Q&A」を発刊しました。

 

一人でも多くの方々がご一読いただければ光栄です。

 

お問い合わせ、ご購読、ご注文全国教育問題協議会オフィスまで。

電話03-3263-6536 FAX03ー3264ー3829 ご注文(クリックするとご注文フォームに飛びます)

 

一般社団法人・全国教育問題協議会であなたも「美しい日本人の心」を大切にするため、一緒に「教育は国家百年の大計」「国づくりは人づくり」をやってみませんか?

 

入会申し込みはこちらへ(←ここをクリックしてお申し込み下さい)

 

 

全国教育問題協議会の第38回教育研究大会に参加した一般参加者のご意見、ご感想を紹介します。

 

【参加者のご意見・質問内容】


▽いま学校教育における部活動について見直す時が来ています。部活動、とくに運動クラブが活発なのは児童生徒の非行防止のためという人がいるが、本当なのでしょうか。部活動が活発に行われるため教師の業務がおろそかになったり、父兄も経済的、精神的負担が重荷になっている現実をいかに考えたら良いか(埼玉 K氏)

 

▽私はゆとり教育には反対です。鉄は熱いうちに打てと言う言葉がありますが、若いうちに頭を鍛えることが大切でしょう。国語、算数がわからない子をなくするように学習内容を減らさず、教師の数を減らさず、学校教育の意味を真剣に問い直すべきです。(東京 M氏)

 

▽時代の変化で学校教育の内容が変わるのは当然です。AIの普及による働く仕事も少なくなるし、外国人も日本在住者も増加することによって外国籍を持つ児童生徒に対する科目をいかに取捨選択するのか考える必要がありましょう(東京 N氏)

 

▽対教師暴力が先日、NHKで放送されました。男性教師が生徒に授業中、胸ぐらをつかまれ罵倒されているのに教師はやられっぱなし。また、女性教師が金属バットで後頭部をたたかれ重傷を負ったケースなど、最低限の体罰指導は必要と思うが、どうとられたらよいか(千葉 O氏)

 

▽学校教育において指導内容を学ぶにあたり、大切なのは「なぜ、この教科を学ぶのか」を児童生徒に学ぶ目的を子どもたちに教えることが大切です。また、道徳教育を軽視し、無視する教師には本当の教育はできないと考えますが、この件について答えて下さい(埼玉 U氏)

 

▽昭和のオリンピックのころは「国民の祝日」には日の丸を掲揚している家がありましたが、いまは国旗を掲揚している家を見かけません。憲法改正するより前に学校や家庭で国旗掲揚する社会を作ることが先だと考えます。町内会や自治会の協力が必要でしょう(東京都 K氏)

 

▽本日のテーマ「国づくり人づくりのあり方を求めて」とありますが、国づくりと人づくりの根底に健全な家庭が重要です。国づくりと人づくりの間で大切なのは家庭であることを明記して真正面から取り組むべきではないでしょうか(埼玉県 S氏)

 

▽朝日新聞が従軍慰安婦について事実無根の虚偽の報道をした誤報をした事件があったが、このたび朝日新聞が英文で日本軍の強制性奴隷性を印象操作して日本の戦後の誤っ歴史を世界に誤報発信している。この朝日新聞の犯罪報道に罰則を命じる法律はないのか(東京 T氏)

 

 

【いま日本の教育問題は何か】

 

昨年、一般社団法人・全国教育問題協議会は全国の役員、会員、全日本教職員連盟の役員など400名を対象にアンケート調査を実施し、その結果は下記の通りでした。数字は関心の高い順です。

 

■学校教育
1 道徳教育の欠落
2 いじめの多発化
3 教員の反体制運動
4 教科書の採択
5 ジェンダーフリー運動

 

■教育環境
1 家庭の教育力の低下
2 性情報の氾濫
3 スマートフォンの乱用
4 対教師暴力の増加
5 教育行政の形骸化

 

■社会風潮
1 偏向するマスコミ報道
2 親の教育観の欠落
3 忙しすぎる教員勤務
4 不完全な日本国憲法
5 教育軽視の風潮

 

全国教育問題協議会は「人づくりなくして国づくりなし」をモットーに日本の教育正常化を目指して結成して41年となる一般社団法人です。

 

 

 

 

◆一般社団法人・全国教育問題協議会 (全教協)は昭和52年に結成され、40年以上、要望活動、提言活動、研究活動、情報宣伝活動をしている「美しい日本人の心を育てる教育」を推進する民間人による全国組織です。

 

とくに自民党の教育公約について「青少年健全育成基本法」の制定実現を核に要望しました。

 

 

【教育問題についての要望書】

 ■青少年健全育成基本法の制定

■教員の政治的中立の徹底をはかり、教員の過剰な政治活動に罰則規定を設ける

■教育長を教育委員会の責任者とし、教育委員会制度を抜本改革する
■教科書検定基準を抜本改善し、近隣諸国条項を見直す
■道徳教育の徹底を図り、道徳教育の教科化を実現する


【文教予算ならびに税制改正に関する要望書】

■教育への支出を未来への先行投資として文教関連予算を確保する

■義務教育費の全額国庫負担制度の実現

■児童・成都の学級定数の改善と教職員定数の改善

■いじめ防止対策法に関する財政措置を講じる

■新しい教科書発刊の際、見本本の配布費用は国庫負担にする

■教育・文科・スポーツ介護などのボランティア活動に対する寄付行為に対し、税控除の対象とする

■教員(公務員)への締結権を与えたり、人事院を廃止することに反対する

日本の教育再生を目指す一般社団法人・全国教育問題協議会(全教協) の活動に参加したい一般の方々、法人の方々は随時入会可能です。入会したい方はお申し込み下さい(←ここをクリック)

 

一般社団法人・全国教育問題協議会であなたも「美しい日本人の心」を大切にするため、一緒に「教育は国家百年の大計」「国づくりは人づくり」をやってみませんか?

 

入会申し込みはこちらへ(←ここをクリックしてお申し込み下さい)